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研究課題別評価詳細表

I. 中間評価

中間評価   8.   第7研究分科会<次世代循環型社会形成推進技術基盤整備事業>

研究課題名: 【J113003】アスベスト含有建材対応型・建設系廃棄物選別システムの開発(H23〜H25)
研究代表者氏名: 柳原 好孝(東急建設株式会社)
補助金交付額:12,976,000 円

1.技術開発の目的と開発内容

研究のイメージ 【技術開発により達成すべき目標】
本事業は、建物解体時に人の手によって行われる廃棄物および有価物の選別作業を自動化するため、これまで開発を行ってきた画像処理技術を応用した建設系廃棄物選別システム(以下、選別システム)を小型化し、車載可能な構造などの実用性を向上させた選別システムを開発するものである。開発した選別システムについて選別性能や作業効率などを検証するため、解体工事を想定した実証試験を行う。また、コンクリートを再資源化した再生砕石にアスベスト含有の産業廃棄物が混入するなどの社会問題に対応する技術として、アスベスト含有建材(アスベスト含有産業廃棄物)をスクリーニングする近赤外イメージングセンサを応用したアスベスト検出装置を選別システムに装備する。本事業において開発する内容を以下に示す。
1) 近赤外分光フィルタおよびイメージングセンサを用いたアスベストスクリーニング方法(平成23年度実施)
2) 廃棄物の材質や位置情報などを基にして選別動作を行うシステム(平成24年度実施)
3) 安全にアスベスト含有建材を選別、回収する機構(平成24〜25年度実施)
4) 解体現場での使用を考慮した作業効率が高く、車載可能な選別システム(25年度実施)


図 研究のイメージ        
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本事業で開発する実証設備においてコンクリート塊、アルミニウム、廃プラスチック、木くず、鉄くずの5品目の建設系廃棄物に混入したアスベスト含有建材の抽出率を70%以上、5品目の建設系廃棄物についても60%以上の精度で選別するシステムを目標とする。実証設備の処理能力は一つの解体工事現場から排出される廃棄物量の約1/10 に相当する1m3/h以上を目標とし、より実用性を高めるために車両による現場搬送が可能なシステムとするとともにアスベスト飛散防止用の隔壁や散水装置等を具備する。

■ J113003  研究概要
http://www.env.go.jp/houdou/gazou/13895/jisedai.html#3003

2.技術開発の期待される成果

解体工事現場で発生する廃棄物を選別システムにより現場で選別することで解体現場での手選別作業を減少させ、解体作業の効率化や作業環境改善が期待できる。また、廃棄物の選別精度が向上することで中間処理場に排出する混合廃棄物量が削減され、廃棄物処理コストについても低減できる。
さらに、選別システムにアスベスト検出装置を組み合わせ、建設副産物にアスベスト含有建材が混入する問題にも対応する。加えて、アスベスト検出装置単体でも解体工事おけるアスベスト含有建材のスクリーニングに使用できるだけでなく、東日本大震災などの災害復旧・復興現場におけるアスベスト調査にも適用が期待される。

3.評点

   総合評点: B    ★★★☆☆  
  必要性の観点(科学的・技術的意義等): a  
  有効性の観点(環境政策への貢献の見込み): b  
  効率性の観点(マネジメント・研究体制の妥当性): b
 

4.委員指摘及び提言

◆ アスベスト含有率2.1%以上では高い(94%以上)精度で検出しており、現場での導入では、可能と考えられる。
◆ アスベスト検出装置、期待通りに完成すると思われるが、選別システムに組込まれ実用に供した場合、期待通りの成果が挙がるように選別システムの完成に期待したい。
  市場に出るまでにまだ山、谷、ありの感じです。
◆ アスベスト含有建材を使用した建造物の解体は、十分な事前調査の実施とアスベスト含有建材の除去後に建造物解体が基本であり、この技術開発のコンセプトに疑義がある。
  この技術開発によるアスベスト検出装置を小型化して携帯型にできれば、解体現場で実用性の高い計器として活用が期待されるのではないか。
◆ アスベスト含有率が何パーセントまで検出可能か明らかにすべき。その時廃棄物の断面と検出機の向きの影響など考慮すべき。 
  検出アルゴリズムの中で妨害要素になる要因を明らかにすべき。特に表面に付着したアスベストの影響など考慮すべき。


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研究課題名: 【J113005】黒液の利活用によるリグニンを原料とした炭素微粒子の共同研究開発(H23〜H25)
研究代表者氏名: 岡村 徹也(大王製紙株式会社)
補助金交付額:7,200,000円

1.技術開発の目的と開発内容

研究のイメージ 【技術開発により達成すべき目標】
本事業では3 年間の開発を通じ、リグニンブラック(以下、LB という)の製造条件確立、用途確立及び用途別製品サンプルの開発を行うと共に、ユーザーフィードバックを受けて用途別LBの量産体制構築に向けた研究開発を推進する。
今年度は平成23 年度に設置したLB 製造設備を用い、黒液からリグニンの抽出、及び抽出したリグニンから基本的なLB の製造を開始した。基礎LB はカーボンブラックユーザーであるタイヤ・ゴム部材・トナー・インキ及びその他炭素材ユーザー等へ提出し、評価される。この評価結果を受け、各種製造条件の見直し、変更による品質改善の対応策を練り、製造コスト等のシミュレーションを行った上で、LB の製造条件見直し、変更を行う。変更を加えた新たな製造条件により、第2 弾LB サンプルを製造し、再度、サンプル調査を行い、その評価結果を基に再び対応策を練り、シミュレーションを行う。
このサンプル調査、品質改善の繰り返しにより、LB の製造条件を確立し、必要に応じて用途の絞込みを行うことを平成24 年度の達成目標とする。


図 研究のイメージ        
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■ J113005  研究概要
http://www.env.go.jp/houdou/gazou/13895/jisedai.html#3005

2.技術開発の期待される成果

6 月末日時点迄で、テストプラントは一部部品の故障等はあるものの順調に稼動しており、サンプル提供も順調に進んでいることより、進捗状況は問題ないものと考える。これより順次、評価結果が判明してくる為、評価結果に応じた製造条件変更による品質の最適化を検討する。
また、製造コストについても適宜検討を行い、技術とコストを鑑みた上で、今年度末には、基本的なLB の量産技術の確立、及び必要に応じて用途の絞込みを行う予定。
LBを原料とする製品は、昨今の環境性能や燃費向上といった市場の要請により、タイヤ、インク業界等において参入の追い風は強い。

3.評点

   総合評点: A    ★★★★☆  
  必要性の観点(科学的・技術的意義等): a  
  有効性の観点(環境政策への貢献の見込み): a  
  効率性の観点(マネジメント・研究体制の妥当性): b
 

4.委員指摘及び提言

◆ 予定通りの開発が進められていると思われる。ただ、報告書の内容がきわめて定性的、抽象的であり、具体的にどこまで進んだのか、目標をどの程度達成しているのか判断が困難である。今後は、具体的、かつ定量的な目標を示し、それに向けて着実な開発を進めてほしい、また、報告も、具体的に示してほしい。
◆ 定量的データ・情報がほとんどないので、とくにBとCについて評価が難しい。また、共同研究開発としているが、役割分担が見えない。
◆ 23年度の達成目標に照らして、以下の2つの課題が残っているものと考える。
  1.Siなどの洗浄工程を再検討する必要がある。
  2.テストプラントで製造したLBを、タイヤメーカー等5〜10社を対象にサンプル調査を実施するとしているが、具体的な実施状況が不明である。


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研究課題名: 【J113007】未利用バイオマス由来ナノファイバーとFRP廃材を利用した複合材及びスモールバッチ生産システムの開発(H23〜H25)
研究代表者氏名: 牧瀬 理恵(ヤマハリビングテック株式会社)
補助金交付額:8,000,000 円

1.技術開発の目的と開発内容

【技術開発により達成すべき目標】
本技術開発は、地域に賦存する廃棄物(未利用バイオマスや住宅解体等で発生するFRP 廃材)を利用し、その発生地域(周辺)で、木材、金属、セラミック等の製品に代用できる新たなるバイオマスプラスチックを生産するシステムを構築することを目標としている。具体的な数値目標としては、性能目標と事業目標の2 点となる。
◆性能目標:密度=1.5 以下(金属やセラミックより軽量)、熱膨張係数=2.5×10-5 以下(金属同等レベル)、24 時間吸水率=2%以下(木材より高耐久)
◆事業目標:地域に賦存する廃棄物の発生量を踏まえ、50t/月レベルの小規模で粗利15%以上確保できる
上記目標性能を確保した複合材を市場競争力のある価格で原料から複合材まで一貫した生産システムの実証

研究のイメージ

図 研究のイメージ        
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■ J113007  研究概要
http://www.env.go.jp/houdou/gazou/13895/jisedai.html#3007

2.技術開発の期待される成果

本技術開発は、上流から下流まで一貫した検証であり、上流、下流ともに期待される成果がある。下流即ちアウトプットにおいては、金属やエンジニアプラスチックレベルの熱安定性を有した素材が安価で提供できることから、これらを利用する産業において、収益性の改善が見込まれる。実際、自動車産業や家電、機械、電気部品産業にて、部品調達を海外にシフトしている産業の国内内作化に大きく寄与できる。さらに、本技術開発成果はプラスチックのように容易に成形できる技術であり、部品の一体化等ターゲット市場の製品機能化にも貢献できる。具体的事例としては、歯車などは切削加工では出来ない微細化や異形状の実現、住宅サッシでは従来樹脂複合サッシでは実現できなかった金属一体型サッシとなり住宅断熱性のさらなる向上、自動車においては、軽量化による燃費向上等、その市場性は高く100 万t/年以上の需要が見込める。さらに、用途が多岐で算出はできていないが、省力化や省エネルギーあるいは石油系素材の削減など結果的に産業利用が拡大することで環境貢献にもつながる。
一方、下流側即ち発生する廃棄物においては、この100 万t 市場相応の有効利用が提案できると共に付加価値が高いため、エネルギー利用のような集約的な事業を必要としない。したがって、仮に上記市場(産業界)の立上に爬行性があったとしても小規模生産であるため、事業リスクが低く、実現性は高いといえる(環境ビジネスとしては、着手しやすい)。同様に、発生地毎で事業が成立するため、発生地域での雇用促進にも貢献できる。

3.評点

   総合評点: A    ★★★★☆  
  必要性の観点(科学的・技術的意義等): a  
  有効性の観点(環境政策への貢献の見込み): a  
  効率性の観点(マネジメント・研究体制の妥当性): a
 

4.委員指摘及び提言

◆ ラボベースではあるが、目標性能が達成されており、今後の実証ベースでの目標確認、さらには最終目標である生産システムの実証にまで至る可能性がきわめて高いと期待される。
◆ 定量的データ・情報と進行のステップが明示されているが、適切に進行していると思える。また、目標とその達成度が客観性を持って自己評価されている。
◆ 成果物の目標性能である密度1.5以下、熱膨張2.5×10-5以下、24時間吸水2%以下について、熱膨張は図5にデータが示されているが、密度と吸水は文章の記述のみで、具体的データが示されていない。


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