「電気の供給を受ける契約 」Q&A

Q&Aは「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針解説資料」に示した参考例の補足として記載しています。
 裾切り方式による具体的な入札条件については、当該地域の電力会社の排出係数を考慮し、調達者において設定することとされていますので、具体の業務案件についてはそれぞれの案件ごとに確認する必要があります。

1.契約方式について

1-1 裾切り方式全般に関して

Q1. 毎年配点を決める必要がありますが、参考になる配点例等はありますか。
A. 裾切り方式の評価項目である電気事業者の二酸化炭素等排出係数は毎年変動するため、裾切り方式における各評価項目の配点は毎年度見直すことが必要です。環境省では、毎年度、各電気事業者への聞き取り調査を実施し、地域毎の配点例を作成の上、3月中旬頃に公表しています。裾切り方式の実施にあたって配点を決定する際の参考として下さい。
環境配慮契約関連資料(電気参照)
 
Q2. 環境省では基本方針の解説資料や配点例を公表していますが、評価項目や配点等は調達者の判断で変更してもよいですか。
A. 環境省で公表している基本方針の解説資料や配点例は、調達者が適切に環境配慮契約を実施するための参考資料として作成しているものであり、調達者の判断により評価項目や配点等を変更することは可能です。具体の裾切り方式の方法の検討に当たっては、当該地域の実情等を勘案しつつ公正な競争の確保に留意するとともに、国及び独立行政法人等においては基本方針に定められている基本的事項に留意して下さい。
 
 

2.必須項目について

2-1 二酸化炭素の排出係数に関して

Q1. 電力の排出係数には調整後排出係数と実排出係数がありますが、どちらを使って裾切りを行いますか。
A. 調整後排出係数を使用することとしています。(クレジットの分を企業努力として考慮しているためです)。
Q2. 新規参入者の排出係数の算出はどのようにすればよいですか。
A. 新規参入者の参入年度及び参入の次年度における排出係数の算出についてはこちら(電気事業者ごとの実排出係数及び調整後排出係数の算出及び公表について(別紙1)新規参入者の取扱いより)をご参照ください。(外部リンク)
上記に該当しない場合は、当該電気事業者に稼働実績がある場合は、排出係数等の評価項目の提出を求めて評価を行います。排出係数等の実績の算定が困難な場合は代替値(平成28年度実績代替値0.512kg-CO2/kWh)の使用も検討可能です。
新規参入(又は参入予定)の電気事業者の評価及び参入の可否は、最終的に発注者の判断によって行ってください。

2-2 未利用エネルギーの活用状況に関して

Q1. 未利用エネルギーとはどういったものですか。
A. 未利用エネルギーとは、発電に利用した次に掲げるエネルギー(他社電力購入に係る活用分を含む。(ただし、インバランス供給を受けた電力に含まれる未利用エネルギー活用分については含まない。))をいいます。
①工場等の排熱又は排圧
②廃棄物の燃焼に伴い発生する熱(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号。以下「FIT法」という。)第2条第4項において定める再生可能エネルギー源に該当するものを除く。)
③高炉ガス又は副生ガス
Q2. 廃棄物の燃焼に伴い発生する熱で電気を発電しています。廃棄物(バイオマス分)の燃焼による電気はどのように扱われるのでしょうか。
A. 廃棄物の燃焼に伴い発生する熱量の中のバイオマス分は再生可能エネルギー電気の導入状況として評価されます。廃棄物(バイオマス分)の燃焼による電気は未利用エネルギーの活用状況の評価からは除かれます。

2-3 再生可能エネルギーの導入状況に関して

Q1. 再生可能エネルギーの電源の種別を教えてください。
A. FIT法において定義される再生可能エネルギー源を用いる電気を対象とし、太陽光、風力、水力(30,000kW未満。また、揚水発電は含まない。)、地熱及びバイオマスを用いて発電された電気です。
Q2. 再生可能エネルギー電気の具体的な算定式を教えてください。
A. <算定方式>
前年度の再生可能エネルギーの導入状況(%) =前年度の再生可能エネルギー電気の利用量(送電端)(①+②+③+④+⑤+⑥)(kWh)÷ 前年度の供給電力量(需要端)(kWh)×100                                          
再生可能エネルギー導入状況とは、次の①から⑥に示した再生可能エネルギー電気の利用量(kWh)を前年度の供給電力量(需要端)(kWh)で除した数値。ただし、①から⑥の再生可能エネルギー電気の利用量は前年度に小売電気事業者の調整後排出係数の算定に用いたものに限る。
 
①前年度自社施設で発生した再生可能エネルギー電気の利用量であって、当該電気に係る非化石証書を自社で無効化(償却)することにより環境価値を有するもの(送電端(kWh))
②前年度他者より購入した再生可能エネルギー電気の利用量であって、当該電気に係る非化石証書を自社で無効化(償却)することにより環境価値を有するもの(送電端(kWh)) 
③グリーンエネルギーCO2 削減相当量認証制度15により所内消費分の電力に由来するものとして認証されたグリーンエネルギーCO2 削減相当量に相当するグリーンエネルギー16の電力量(kWh)
④J-クレジット制度17により認証された再生可能エネルギー電気由来クレジットの電力相当量(kWh)
⑤非化石価値取引市場18から調達した固定価格買取制度による再生可能エネルギー電気に係る非化石証書の量(kWh)
⑥非化石価値取引市場から調達した再生可能エネルギー電気であることが判別できる19非FIT 非化石証書の量(kWh
Q3. FIT法認定設備からの電力は再生可能エネルギー導入状況として評価されますか。
A. FIT制度の固定価格買取制度に基づき取引をした場合は再生可能エネルギーの導入状況としては評価されません。
Q4. RPS法に基づき、新エネルギー電気相当量(RPS法施行規則第1条第2項に定めるもの)を取引した場合にはその相当量分は再生可能エネルギー導入状況の評価対象になりますか。
A. 再生可能エネルギー電気の導入状況において、RPS法の「相当量」を評価するという考え方はしていませんので評価対象になりません。
Q5. 木質バイオマス混焼発電は再生可能エネルギーとして評価対象となりますか。
A. バイオマス混焼発電でその発電割合を示すことが可能なものは評価対象になります。
Q6. バイオマス比率はどのように計算すればよいでしょうか。
A. 発電量の割合の計算方法は資源エネルギー庁の以下のページ等で掲載されています。
なっとく!再生可能エネルギー 固定価格買取制度 よくある質問 内にある回答等を参考にしてください。(外部リンク)

2-4 電源構成及び二酸化炭素排出係数の情報の開示に関して

Q1.開示の状況に応じて点数を付けるのですか。
A. 電源構成及び二酸化炭素排出係数の情報の開示は、その他の必須項目と違い、入札参加資格の付与のための要件となります。つまり、入札に参加する小売電気事業者は、電源構成及び二酸化炭素排出係数の情報を開示している必要があります。
Q2.どのような場合に電源構成及び二酸化炭素排出係数を開示しているとみなすのですか。
A. 経済産業省「電力の小売営業に関する指針」(外部リンク)に示された電源構成等の算定や開示に関する望ましい方法に準じて実施している場合、開示しているとみなします。
Q3.参入して間もないような、開示を行えない小売電気事業者はどのように取り扱うのですか。
A. 新たに電力の供給に参入し、電源構成等の情報を開示していない小売電気事業者については、参入日から1年間に限って開示予定時期(参入日から1年以内に限る。)を発注者へ明示することにより、適切に開示したものとみなすことができます。なお、当該取扱により入札参加資格を得た小売電気事業者と契約した場合、明示された予定時期に適切に開示されているか確認するよう努めてください。

3.加点項目

3-1 グリーン電力証書に関して

Q1. 加点項目として追加出来る評価項目に関して、基本方針の解説資料で掲載されているもの以外に事例はありますか。
A. 基本項目の解説資料には、加点項目としてグリーン電力証書の譲渡、需要家への情報提供を例示しています。地方公共団体においては、別の加点項目 を設定しているケースもあります。具体的には、環境マネジメントシステムの導入状況、グリーン電力証書の確保(譲渡不要)、省エネルギーの働きかけの状況、環境報告書の発行状況、地域の環境教育への貢献、地域の森林の機能増進活動への参加状況、緑化推進事業への参加状況などがあります。
Q2. 譲渡されたグリーン電力証書はどのように活用できますか。
A. グリーン電力証書に記載された電力量はCO2を排出しない電気を利用したとみなすことができ、調達者の温室効果ガス排出削減量として活用可能となります。

3-2 需要家へ対する情報提供

4.電力の小売全面自由化について-

Q1:電力小売全面自由化以降、電気事業者の入札参加資格はどのようになりますか。
A. 小売電気事業者の登録を受けている必要があります。
登録小売電気事業者一覧(経済産業省資源エネルギー庁サイト)は随時更新されます。
Q2:新規参入又は参入予定の小売電気事業者の評価はどのように行えばよいですか。
A. 新規参入(又は参入予定)の電気事業者の評価及び参入の可否は、最終的に発注者の判断によって行ってください。
新規参入者の参入年度及び参入の次年度における排出係数の算出についてはこちら(電気事業者ごとの実排出係数及び調整後排出係数の算出及び公表について(別紙1)新規参入者の取扱いより)をご参照ください。(外部リンク)
当該電気事業者に稼働実績がある場合は、排出係数等の評価項目の提出を求めて評価を行います。
他社から調達した(又は調達予定の)電気については、調達した電源構成に基づき算定した排出係数等の評価項目の提出を求めて評価を行います。
排出係数等の実績の算定が困難な場合は代替値(平成28年度実績代替値0.512kg-CO2/kWh)の使用も検討可能です。
Q3:契約電力50kW未満の契約に当たって環境配慮契約(裾切り方式)を実施する必要がありますか。
A. 原則、低圧受電施設等においても、入札を行う場合は環境配慮契約を実施することとなります。なお、随意契約等の入札に付さない場合は、適切に電源構成や排出係数の情報を開示するとともに、排出係数の低い事業者や再生可能エネルギーの導入割合が高い事業者等を選定して見積りを取るよう努めてください。

5.その他