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日高山脈襟裳十勝国立公園の取組み

アポイ岳における保全活動

日高山脈における代表的な環境保全の取り組みとして、アポイ岳における高山植物保全が挙げられます。希少種の宝庫であるアポイ岳では、1990 年代後半に起きた大量盗掘事件を契機に、地元に保護団体が結成され、高山植物の盗掘防止パトロールや登山者に対するマナーの啓発などが継続して行われてきました。地元の様似町も、研究者の協力を得てアポイ岳環境科学委員会を設立し、アポイ岳の保全活動を支援する目的で寄付金制度を設けるなどして、アポイ岳の高山植物群落の再生事業に取り組んできました。

土地管理者である北海道も、固有種の高山植物・ヒダカソウを保護するため、条例によるアポイ岳地区と幌満岳地区に「ヒダカソウ生育地保護区」を設定し、立入制限などを行っています。また、文化庁は、アポイ岳の高山植物群落を国の文化財として特別天然記念物に、幌満岳のゴヨウマツ自生地は天然記念物にそれぞれ指定しており、様似町とともに関係機関が連携して取り組んでいます。