スクリーニング評価におけるデフォルトの有害性クラスを適用する一般化学物質の候補と公表以降の進め方について【R5.9.20】

一般化学物質のスクリーニング評価においてデフォルトの有害性クラスを適用する候補物質に関する有害性情報提供のお願い

令和5年9月20日
厚生労働省医薬局医薬品審査管理課化学物質安全対策室
経済産業省製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室


 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化審法」という。)における一般化学物質について、国は毎年度スクリーニング評価を行っており、一定の情報源等[注釈]から有害性情報の収集及び信頼性の確認を行い、有害性クラス[注釈]を付与しています。有害性情報を入手できなかった物質や、入手した有害性情報が信頼性の観点等からスクリーニング評価に用いることができなかった物質については、事業者から有害性情報の提供又は試験実施申出を受け付けることとしています。その上で有害性情報が得られなかった物質については、デフォルト[注釈]の有害性クラス(人健康影響:有害性クラス2、生態影響:有害性クラス1)を適用し、スクリーニング評価を行うこととしております[注釈]。
今般、デフォルトの有害性クラスを適用し、スクリーニング評価を実施する一般化学物質の候補(以下「デフォルト適用候補物質」という。)を選定しましたので、当該物質に関する不足している有害性情報の提供をお願いします。有害性情報が得られなかった場合は、審議会で優先評価化学物質の判定の審議に諮り、優先評価化学物質の指定を進めることとなります。

1.デフォルト適用候補物質について

 デフォルト適用候補物質については表1のとおりです。

            表1 デフォルト適用候補物質
物質名称   CAS登録番号
   (CAS RN)
α-(2-エチルヘキサノイル)-ω-[(2-エチルヘキサノイル)オキシ]ポリ(オキシエチレン) 9004-93-7
 
 デフォルト適用候補物質の選定詳細については、別紙1を参照ください。
 

2.有害性情報提供等について

不足している有害性情報項目は以下のとおりです。

 ・藻類生長阻害試験
 ・ミジンコ急性遊泳阻害試験
 ・魚類急性毒性試験

不足している有害性情報項目について、スクリーニング評価に利用可能[注釈]と考えられる有害性情報(試験報告書に限る)又は試験実施申出書を、別紙2の要領に従い提供をお願いします。
なお、有害性情報の提供または試験実施の申出期限については表2のとおりです。
 
               表2 有害性情報提供等申出期間
デフォルト適用候補物質の提示日 有害性情報の提供または
試験実施の申出期限
令和5年9月20日 令和5年11月30日まで
(試験実施は令和6年中)

3.デフォルト候補物質の公表以降の進め方等について

デフォルト適用候補物質の公表以降の進め方等については以下のとおりです。

3.1. デフォルトの有害性クラスの適用及び優先評価化学物質の指定
 表1のデフォルト適用候補物質のうち、次に該当する物質については、デフォルトの有害性クラス(人健康影響:有害性クラス2、生態影響:有害性クラス1)を適用して、審議会で優先評価化学物質の判定の審議に諮り、優先評価化学物質の指定を進めます。

 有害性情報の提供依頼又は試験実施の申出の受付に対して、

○ 不足している有害性情報の提供がない物質、又は、不足している有害性情報の提供があり信頼性等の確認を行ったが評価に使用することができないと判断された物質
かつ
○ 試験実施の申出がない物質

 上記以外の物質については、デフォルトの有害性クラスの適用対象から除外することとし、次年度以降のスクリーニング評価の対象とします。


3.2. 有害性情報の報告の求め(法第10条第1項)の発出等
デフォルトの有害性クラスの適用により優先評価化学物質に指定された物質(以下、「デフォルト優先評価化学物質」という。)については、化審法第10条第1項に基づき優先評価化学物質の製造・輸入事業者[注釈7]に対して、評価に必要な毒性試験等の試験成績を記載した資料の提出を求める手続き等を進めます。


3.3. デフォルト優先評価化学物質の評価
デフォルト優先評価化学物質については、化審法10条第1項の発出等により取得した有害性情報に基づき、優先評価化学物質としての評価を進める前にスクリーニング評価に準じた評価を行います。


■今後の進め方のイメージ



(※)同一物質について複数の事業者から試験の申出があった場合は、過去3 年間の製造・輸入の届出数量の合計値が最も大きい事業者に試験を実施していただく予定としております。
(※※)当該年度のデフォルト適用の判定までに信頼性評価未実施のものは当該年度のデフォルト適用を保留とする。

【注釈】

  1. 化審法における物理化学的性状・生分解性・生物濃縮性データの信頼性評価等について【改訂第1版】(平成26年6月30日)
  2. 化審法における人健康影響に関する有害性データの信頼性評価等について【改訂第2版】(令和元年9月11日)
  3. 化審法における生態影響に関する有害性データの信頼性評価等について(平成23 年9 月15 日)
  4. 有害性クラス:化学物質の有害性の強弱を1,2,3,4,外の5区分で表したもの。
  5. デフォルト:有害性情報が得られない物質について、過小評価を避けるために、一定の有害性を有するものと仮定して付与する有害性クラス(人健康影響:有害性クラス2、生態影響:有害性クラス1)
  6. 化審法におけるスクリーニング評価手法について【改訂第3版】(2022年7月)
  7. 「法第十条第一項の経済産業省令で定める者は、試験成績を記載した資料の提出の要求の日前三年以内に当該要求に係る優先評価化学物質の製造又は輸入の事業を営んでいた者とする。」(経済産業省関係化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行規則(平成二十七年三月十六日経済産業省令第十一号)第十二条)

【お問合せ先】

製造産業局化学物質管理課化学物質安全室 既存管理担当(人健康及び生態影響に関する技術的事項を除く)
 電話: 03-3501-0605 (直通)
 e-mail: bzl-kashinhou-teikyouirai@meti.go.jp

■人健康影響評価に関する技術的事項について:
厚生労働省医薬局医薬品審査管理課化学物質安全対策室
 電話: 03-3595-2298(直通)
 e-mail: exchpro@mhlw.go.jp

■生態影響評価に関する技術的事項について:
環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室
 電話: 03-5521-8253(直通)
 e-mail: chem@env.go.jp