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諸外国における自然再生事業事例(ヨーロッパ)


ロンドン湿地センター

対象事業名
貯水池から水鳥の楽園、湿地への再生
事業主体
民間団体 水鳥・湿地トラスト
(The Wildfoul & Wetlands Trust)
事業実施年度
1995年11月~2000年5月
上位計画
自然再生を行う対象
コンクリート護岸で囲まれた貯水池
上位計画の概要
再生目標
人工的な部分を取り壊し、本来の氾濫原を一部再現
事業背景
テムズ川河畔に存在するビクトリア時代に建設された水道用の貯水池において、水道用の取水が潮汐の影響を受けにくい上流部から実施されることになり、1980年代後半には、当貯水池の本来的な役割は終了した。このコンクリートで囲まれた貯水池を水鳥たちの楽園ともいうべき湿地帯として再生する事業が企画された。
事業実施場所/規模
ロンドン南西部のテムズ川河畔/40ha
事業費/資金源
・貯水池跡の土地を所有する水道会社テムズ・ウオーターは、トラストのパートナーとして事業に参加し、土地を無償提供。
・再生湿地帯を借景とした高級建て売り住宅を販売して利益をあげた住宅会社バークレーホームズもパートナーとして資金を提供。
事業内容
・貯水池周囲のコンクリート護岸を除去。
・除去されたコンクリートは遊歩道や新しい水辺を維持する材料として100%再利用された。
・湿地植物の生育に適するように土壌条件を調整。
・湖や干潟や池沼などの多様な水域が整備され、湿地生物にとってのバラエティに富んだ生息・生育場所が整備された。
・そこに、水草、湿地植物、樹木などが導入された
・水鳥をはじめとする湿地の生物を観察する人びとのために、600mの板張り遊歩道および総延長3.4kmの観察路が整備された。
・間近に水鳥を観察できるハイド(観察小屋)は、湿地の風景に溶け込むようデザインされた。
参考文献/URL
・ロンドン湿地センター(London Wetland Centre)
・科学 2007 4月号 岩波書店
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