自然環境・生物多様性

国立公園における滞在体験の魅力向上事業

1. 目的

  • 環境省では、政府が平成28年3月に取りまとめた「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、日本の国立公園における世界水準の質の高いツーリズムを目指し、「国立公園満喫プロジェクト」を推進しています。
  • そして、同プロジェクトの更なる展開として、国立公園の美しい自然の中での感動体験を柱とした滞在型・高付加価値観光を推進することとし、「宿舎事業を中心とした国立公園利用拠点の面的魅力向上に向けた取組方針」(令和5年6月29日策定)(以下「取組方針」という。)に基づき、国立公園における滞在体験の魅力向上に取り組んでいます。

2.先端モデル事業

  • 取組方針において、国立公園ならではの感動体験を提供する宿泊施設を中心とした利用拠点の面的な魅力向上に取り組む「先端モデル事業」が位置づけられ、令和5年8月に対象とする4カ所の国立公園を選定しました。
  • 対象となった国立公園では、まず公園の利用の高付加価値化に向けた基本構想の検討を行い、地域ならではの自然体験アクティビティと宿泊が一体となった利用の実現を目指す「利用拠点」を選定します。
  • 利用拠点では、地域協働実施体制の構築、利用拠点マスタープランの策定、自然体験アクティビティと連携した国立公園ならではの感動体験を提供する宿泊施設の誘致等、保護と利用の好循環の仕組みづくり等を行い、利用拠点の魅力向上に取り組みます。
  • 民間の発想を活かした様々な取組をパッケージで実施することとしており、例えば宿泊施設の誘致に加え、自然体験アクティビティの推進、まちなみ景観の改善、多言語による情報提供の充実等を検討しています。【取組イメージ】

(先端モデル事業の対象公園)※概要

名称 選定のポイント
十和田八幡平国立公園(十和田湖地域) 利用拠点の再生による新たな魅力づくり
中部山岳国立公園(南部地域) 山岳地域の利用の高付加価値化を含めた広域連携
大山隠岐国立公園大山だいせん蒜山ひるぜん地域) 日本の伝統的自然観や歴史文化を踏まえた自然体験の拠点づくり
やんばる国立公園 世界自然遺産登録地域周辺における自然を活用した地域活性化

3.今後の展開の方向性

  • 第24回観光立国推進閣僚会議(令和6年7月19日開催)において、この先端モデル事業を踏まえ、2031年までに全ての国立公園で、地域の理解と環境保全を前提に、世界水準のナショナルパーク化を実現すべく、民間活用による魅力向上事業を実施していくこととなりました。
  • ​環境省では、地域の理解と環境保全を前提に、公園ごとの特性や事情を踏まえ、高級リゾートホテルに限定せず、宿泊施設の誘致を含む滞在拠点の上質化を行い、民間活用による魅力向上事業を進めていきます。
  • まずは先端モデル事業の成果を取りまとめ知見を整理した上で、地域の方々と丁寧に検討を進め、民間活用による魅力向上に取り組んでいく予定です。
 

4.資料

 

【参考】宿舎事業を中心とした国立公園利用拠点の面的魅力向上に向けた取組方針

【参考】滞在体験の魅力向上の事例