自然環境・生物多様性
第60次南極地域観測隊同行日記3 ~氷海について~
第3回:定着氷縁に到着 ~氷海について~
2018年12月17日(月)
こんにちは。
昭和基地に向かう「しらせ」は、氷海の氷を砕きながら進み、12月16日に定着氷縁に到着しました。
今回は日本から昭和基地に向かううえで避けては通れない、氷海についてご紹介します。
南極大陸の周辺の海域は、海面が凍った氷海に囲まれています。氷海の氷自体は海水が凍った海氷ですが、その上に雪が積もり一見すると陸のようにも見えます。
海氷に覆われた海域の範囲は季節や年で変動しますが、最も範囲が小さくなる夏の間でも350万㎢ほど、冬には約6倍の2000万㎢ほどにも拡大するとされています。南極大陸の面積が約1400万㎢ですので、海氷を含めた見かけ上の面積は大陸の2倍以上にもなり、そのスケールの大きさに驚きます。
また、海氷は基本的に大陸沿岸から形成されますが、海岸に固着して動かないものを「定着氷」、海流によって海を運ばれるものを「流氷」と呼びます。現在しらせは、南極大陸近くの定着氷の外縁に到着したことになります。
<流氷(12月14日撮影)>
<定着氷(12月16日撮影)>
海氷の上に雪が積もり一見すると陸のようにも見えます。
氷海航行中は、しらせと氷がぶつかる音や砕氷機のプロペラの音、振動など、氷を砕き割りながら進むしらせの豪快さを感じる船内でしたが、昭和基地上陸準備のため停泊している今は、船内がやけに静かに感じます。
定着氷縁から昭和基地は目と鼻の先。
ヘリコプターのブレード取り付け等、上陸への準備は佳境に差し掛かっています。
私もいよいよの上陸に向けて最後の用意を進めたいと思います。