第67次南極地域観測隊同行日記【第8回】

第8回:定着氷域に進入
2025年12月26日(金)

みなさん、こんにちは。
環境省の福濱です。
 
しばらく、氷のない青い海を航海していた南極観測船「しらせ」は、ふたたび氷の海に入り、そして12月21日、ついに定着氷域に入りました。

再び氷の海へ
<再び氷の海へ>

定着氷(ていちゃくひょう)とは、流氷ではない、岸までつながっていて動かない海氷のことです。ここからしらせは砕氷しながら進むことになります。
 
定着氷は海水が凍って固まるか、流氷が海岸に固着することでできあがります。定着氷の幅は、海岸から数メートルから数百キロメートルにもなります。
 
これまではしらせの甲板から海面が見えていましたが、今では海面は氷で覆われ、辺り一面すっかり銀世界となりました。しらせの周りの氷の厚さは、まだ1mに満たないくらいです。先へ進むと、氷はさらに厚みを増していきます。

定着氷を望む
<定着氷を望む>

定着氷域に進入
<定着氷域に進入>

しらせは、氷の厚さが1.5mくらいまでは氷を割りながら進むことができますが、それよりも海氷が厚くなると「ラミング航法」を行う必要があります。ラミング航法とは、船を一度バックさせ、その後、全速力で前進して氷に乗り上げ、船の重さで厚い氷を砕く方法です。

しらせは風をうまく使いながら、今のところ、ラミングをせずにスムーズに砕氷しながら進んでいます。

いよいよ昭和基地に近づいてきました。ご存じでない方もいるかもしれませんが、昭和基地は、南極大陸ではなく、東オングル島という島にあります。


<昭和基地を望む(茶色く見える箇所)>

この後、観測隊は、しらせからヘリコプターに乗って、昭和基地に向かうことになります。
 
しらせの周りには、物珍しさか、アデリーペンギンたちが集まってきました。
しらせの艦内放送が流れると、音に反応して、アデリーペンギンたちも頭を瞬時にしらせに向ける姿が見られます。ペンギンたちも放送を聴いているのでしょうか。

しらせの周りに集まってきたアデリーペンギンたち
<しらせの周りに集まってきたアデリーペンギンたち>

いよいよ年の瀬ですが、今年は、南極で過ごす忘れられない年越しになりそうです。皆様も良い年をお迎えください。
 
※南極の豆知識については、「南極キッズ」もぜひご覧ください!
 
●定着氷とは
https://www.env.go.jp/nature/nankyoku/kankyohogo/nankyoku_kids/encyclopedia/ta/fast_ice.html
 
●各国の基地
https://www.env.go.jp/nature/nankyoku/kankyohogo/nankyoku_kids/donnatokoro/dokonokuni/kichi.html