自然環境・生物多様性
奄美野生生物保護センター
奄美野生生物保護センターは、アマミノクロウサギなどの希少な野生生物に関する調査・研究、外来種であるマングース防除事業、センターでの展示や自然観察会などを通じた普及啓発、「奄美・琉球」の世界自然遺産登録に向けた取り組みなどを総合的に行う拠点です。平成26年に展示を改修しリニューアルオープンしました。
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
休館日:毎週月曜日(祝日を除く)、年末年始(12月29日~1月3日)
住所:鹿児島県大島郡大和村思勝字腰ノ畑551番地
電話:0997-55-8620
管理協力: 鹿児島県自然保護課、奄美群島12市町村
ホームページ
地域の特性
オオトラツグミ
奄美群島には、地史的な成立過程と海流や気候的な背景が重なり合うことで、熱帯地域の北限種や、温帯地域の南限種、長い時間を超えて奄美にだけ生き続ける遺存種などの貴重な野生生物が生息しています。また、島という閉鎖的な条件にあるため、大陸に比べて絶滅が生じやすく、かつ、今も独自の進化を続けており、世界的にも貴重な自然環境を有しています。
施設
いのちの方舟
展示室では、「奄美群島の動植物と人々のくらし」をテーマに、黒潮の流れにのって、与論島から喜界島まで島をめぐります。島ごとに特徴的な生態系とそこに生息する野生生物及び生態系に育まれた島人の豊かなくらしについて展示し、全ての島をめぐると奄美群島全体の自然の大切さを学ぶことができます。奄美大島の四季の風景や野生生物を紹介する映像を上映するほか、実際の生きものに出会うため、「生きもの掲示板」で最新の奄美の野生生物の情報を提供しています。
活動の概要
- 調査・研究
アマミノクロウサギ、オオトラツグミ、アマミヤマシギを対象とした保護増殖事業を実施しています。アマミノクロウサギでは生息分布確認調査と、交通事故の被害を防止するためのキャンペーン活動を行っています。オオトラツグミでは巣立ち前の幼鳥の餌動物として重要なミミズを中心とした土壌環境調査と、さえずりの確認による分布調査を実施しています。また、アマミヤマシギではラジオトラッキングによる生態調査と、年2回の奄美大島、加計呂麻島、徳之島全域の分布調査を実施しています。 - 外来種駆除
奄美島では、外来種であるフイリマングースによる捕食などにより在来種が減少するなど、生態系への悪影響が見られています。平成12年度からマングース駆除事業を開始し、平成17年度からは「奄美マングースバスターズ」を結成し、奄美大島からマングースを完全に排除する取り組みを進めています。 - 普及啓発活動
展示はもとより、自然観察会の開催や講演会を実施しています。また、パンフレット等を発行し、多くの方々に、奄美の野生生物の希少性や保護の必要性を理解していただくための活動を行っています。