自然環境・生物多様性

なぜ、まもらなければいけないの?

絶滅危惧種を守ることは、生命の歴史と、私達の暮らしを守ること

 日本には、実は世界的にみても豊かな自然が残されていることを知っていますか? 現在、国内には未だ知られていない生物も含めて約30万種を超える生物がいると考えられています。南北に長い国土、海岸から山岳までの大きな標高差、大小数千の島嶼を有することなどにより、日本独特の豊かな自然がつくられてきました。ほ乳類の4割、爬虫類の6割、両生類の8割が日本にしか生息しない固有種です。

 そんな日本で今、多くの生物たちが絶滅の危機に瀕しています。生物を絶滅から守ることは、生命の長い歴史を守る重要なことです。しかし、実はそれだけでなく、私達の暮らしを守ることにもつながっているのです。

種は、生命の長い歴史の結晶

 人間を含むすべての生物は地球とともに長い時間をかけて、今のような形になりました。生物の種は生命の長い歴史の結晶であり、それ自体がかけがえのない価値を持っています。

多様な生物に支えられる私たちの暮らし

 私たちの暮らしは、多様な種が関わりあいながら形成する自然の恵みに支えられています。複雑なバランスで成り立っている自然を守るためには、一つ一つの種を絶滅から守っていくことが大切です。

絶滅危惧種は地域の宝物

 絶滅危惧種などの生物の中には、伝承や行事に登場したり、その土地の産業の中心となるなど、地域の文化と密接に結びついた種もあります。これらの象徴的な生物の保全は、地域のアイデンティティを見つめ直すことにつながります。