自然環境・生物多様性
ウスイロヒョウモンモドキ
1.概要
(1)分類
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チョウ目 タテハチョウ科
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ウスイロヒョウモンモドキ
- 学名 Melitaea protomedia
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絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
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中国山地(兵庫県から島根県)に不連続に分布。現在、生息が確認されているのは岡山県と兵庫県のみ
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総数は不明
2.形態的特徴及び生物学的特性
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成虫は小型(開張35~45 mm)、終齢幼虫は体長22~23mm程度、垂蛹は体長13~15 mm
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翅表は橙色で、黒褐色の複数の不規則な条線が走り、全体的にレンガ状の斑紋となる
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採草地や農地周辺、放牧地などの比較的規模の大きな半自然のススキ草原に生息
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草刈りまたは放牧による人為的な維持が必要
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幼虫の食餌植物はオミナエシ科のオミナエシやカノコソウ
3.生息を脅かす要因
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草地環境の変容、開発
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シカの増加による食草や吸密植物への食害
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乱獲
4.保護増殖事業の概要及びその効果
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平成28年に国内希少野生動植物種に指定、令和3年に保護増殖事業計画(農林水産省、環境省)を策定
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生息分布調査・生息環境調査、生息地の環境改善(草原環境の維持・改善・拡大、食草の保護・植栽等)を実施
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環境省と昆虫飼育施設(箕面公園昆虫館、伊丹市昆虫館)との連携により、平成30年度より飼育下繁殖に取り組んでいる
5.他法令等による保護の状況
- 鳥取県特定希少野生動植物、岡山県天然記念物(生息地)