自然環境・生物多様性
ウミガラス
1.概要
(1)分類
- チドリ目 ウミスズメ科
- ウミガラス
- 学名 Uria aalge inornata
- 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
- 日本では天売島(北海道)だけで繁殖する。
- 1960年代には8,000羽と推定されたが、急激に減少。
- 天売島の生息確認数(飛来数)は、35羽である(2014年度調査)
- 2011年は、3年ぶりに7羽、2012年と2013年は9羽のヒナが巣立った。 2014年は11羽のヒナが巣立ち、18年ぶりに二桁の巣立ち数を記録した。
- 世界の総個体数は数十万羽と言われている。
2.形態的特徴及び生物学的特性
- 成熟個体で全長44cm
- 島の断崖で集団繁殖。繁殖活動は5~8月
- 潜水して魚類や動物プランクトンを捕食
3.生息を脅かす要因
- 天売島内のかつての営巣地の物理的環境に大きな変化はない
- サケ・マス漁網、底刺網への羅網、オオセグロカモメ・ハシブトガラスによる卵やヒナの捕食が主要な減少要因となっていると思われる
4.保護増殖事業の概要及びその効果
- 国内希少野生動植物種指定(平成5年指定)保護増殖事業計画(環境省)の策定(平成13年)
- 天売島の繁殖地でデコイや音声装置を置いて繁殖個体の誘致、捕食者となるハシブトガラスやオオセグロカモメの捕獲、繁殖地内の監視カメラを用いたモニタリング等を実施
5.他法令による保護の状況
- 史跡名勝天然記念物「天売島海鳥繁殖地」(昭和13年)
- 天売島全域に国指定天売島鳥獣保護区の指定(昭和57年)
- 暑寒別天売焼尻国定公園(平成2年)