自然環境・生物多様性
レブンアツモリソウ
1.概要
(1)分類
- 被子植物 単子葉類 ラン科
- レブンアツモリソウ
- 学名 Cypripedium macranthos var. rebunense
- 絶滅危惧IB類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
- 北海道礼文島のみに分布する。
- 開花個体数は250未満(レッドデータブック2000年)。
- 自生地以外では礼文町高山植物培養センターにおいて、無菌培養株個体約1万株が栽培されており、共生菌培養株の栽培にも取り組んでいる。
2.形態的特徴及び生物学的特性
- 多年草の地生ランで、5月下旬~6月下旬に淡黄白(クリーム)色の大きく優美な花をつける。
- 発芽及び生育にはTsulasnella属の共生菌が関係していると考えられている。
- 礼文島沿岸地域の適湿~やや乾性の明るい草原を主な生育地としている。
- 日本固有種
3.生息を脅かす要因
- 盗掘
- 攪乱機会の減少により自生地でササ、高茎草本等が繁茂し、その被陰により本種が衰退している。
- 近縁種であるカラフトアツモリソウとの交雑が懸念されている。
4.保護増殖事業の概要及びその効果
- 平成6年国内希少野生動植物種に指定、平成8年保護増殖事業計画(農林水産省、環境省)と共同策定。
- 群生地の一部(船泊地区1.7ha、鉄府地区4.6ha)を環境省所管地として管理。
- 関係機関が連携した巡視により盗掘件数は激減。
- 環境省所管地に永久コドラートを設置し、個体数の変動をモニタリングするとともに、ササの刈払いなどの生育環境改善手法の試験を実施。
- H28年度に北海道地方環境事務所、北海道森林管理局、礼文町の3者で「レブンアツモリソウ保護増殖ロードマップ」を策定。
- 群生地については、立入防止柵の設置、監視カメラの設置、巡視を実施。
- 町民向けの学習交流会を開催する等、普及啓発を実施。礼文町では人工繁殖等を実施。
5.他法令等による保護
- レブンアツモリソウ群生地が北海道の天然記念物として14.1haが指定されている。