自然環境・生物多様性
ハカタスジシマドジョウ
1.概要
(1)分類
- コイ目 ドジョウ科
- ハカタスジシマドジョウ
- 学名 Cobitis striata hakataensis
- 絶滅危惧ⅠA類(CR)(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
- 福岡県の博多湾流入河川のみに分布。現在では2河川の限られた範囲にのみ生息が確認されている。
- 現在の生息地はいずれも福岡市を中心とする都市圏と重複する二級河川であり、都市部に生息する絶滅危惧種という特徴を持つ。
- 生息地は環境省が選定する「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(略称「重要湿地」)」の「福岡湾の流入河川およびため池群」に含まれる。
- 河川の中下流域の流れが緩やかな場所に生息する。特に、岸際の植生が豊富な砂泥底の場所を好む。
2.形態的特徴及び生物学的特性
- 成熟体長はオスで50~60mm、メスで60~80mm。
- オス胸鰭基部には円形の骨質盤があり、胸鰭第1分岐軟条の上辺は細い。
- 体色は黄白色で斑紋は暗褐色。
3.生息を脅かす要因
- 河川開発、河川内湿地の減少、圃場整備に伴う水路の改変、水質汚濁、採集圧。
4.保護増殖事業の概要及びその効果
- 平成31年国内希少野生動植物種に指定、令和4年保護増殖事業計画(国土交通省、環境省)策定。
- 環境省と(公社)日本動物園水族館協会との協定に基づき、令和元年度から滋賀県立琵琶湖博物館及びマリンワールド海の中道において生息域外保全を想定した飼育下繁殖に関する技術開発が実施されている。
5.他法令等による保護の状況
- 福岡県指定希少野生動植物種