自然環境・生物多様性
オジロワシ
1.概要
(1)分類
- タカ目 タカ科
- オジロワシ
- 学名 Haliaeetus albicilla
- 絶滅危惧Ⅱ類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
- ヨーロッパ、西アジア、東アジアに分布
- 極東における繁殖地はカムチャツカ半島、サハリン、北海道等
- 種としての総個体数は約20,300~39,600羽と推定(IUCN, 2013)
- 北海道と本州北部で越冬するオジロワシは約700~900羽(オジロワシ・オオワシ合同調査グループ及び保護増殖事業による調査)。
- 極東全体の総個体数は不明
- 北海道の営巣地は90年代に入って増加傾向にあり、約170ヶ所が確認される一方、繁殖成績はかなり悪化している
2.形態的特徴及び生物学的特性
- 全長約69~92cm、翼開長200~245cmの大型のワシ類
- 海岸や湖沼周辺、河川流域の大木に営巣
- 海鳥類、スケトウダラ等の海産魚類を捕食。漁船が捨てる雑魚も餌にしている
- 冬期は本州北部から中部にも渡り、まれに九州、琉球列島などに飛来する。
3.存続を脅かす要因
- 風力発電施設への衝突事故、感電事故、交通事故、列車への衝突事故等
- 銃猟されたエゾシカ死体を鉛弾とともに採餌することによる鉛中毒
- 森林伐採による営巣林やねぐら林の減少
- 道路建設や土地造成、カメラマンの接近等による営巣環境の悪化
- 河川、湖沼、海岸の開発による餌資源の減少
4.保護のための取組
- 平成5年 国内希少野生動植物種に指定
- 平成12年 鉛中毒防止のため、道内での鉛弾の使用規制等を開始
- 平成17年 保護増殖事業計画(文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省)を策定
- 平成20年 営巣実態把握調査を実施(平成22年まで)
- (現在の取組)
- オオワシ・オジロワシ合同調査グループと越冬状況調査を実施している他、餌資源調査、GPSロガーによる行動追跡調査等を実施
- 釧路湿原野生生物保護センターにおいて、傷病個体を収容・治療・リハビリ・野生復帰させるとともに、事故原因の究明し、事故対策について事業と協議