自然環境・生物多様性

オガサワラシジミ

1.概要

(1)分類
  • チョウ目 シジミチョウ科
  • オガサワラシジミ
  • 学名  Celastrina ogasawaraensis
  • 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
  • 小笠原諸島、父島列島の弟島・兄島・父島、母島列島の母島・姉島で分布が記録されているが、近年確認できているのは母島のみ(日本固有種)。
  • かつては父島、母島に多数生息していたが、父島では1980年代前半に激減し、1992年以降、生息が確認されていない。母島でも少数が確認されるのみ。

写真:オガサワラシジミ

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 小型(全長12~15mm程度)のシジミチョウで、オスのほうがメスよりやや大きい。オスの羽表面は暗青色で外縁部が黒い。メスの羽表面は暗青色~黒色。裏面は灰白色で後ろ羽は青緑色を帯び、小さな黒い斑紋がまばらにある。
  • 年に数回孵化し、冬期の個体数が少ないが、年間を通じて見ることができる。
  • 生息地は自然性の高い森林であり、成虫の活動時間については、朝から夕方までの日が差している時間帯。幼虫の餌はクマツヅラ科のオオバシマムラサキ、クスノキ科のテリハコブガシ、コブガシなど。
  • 移動性が高い。
  • 日本固有種

3.生息を脅かす要因

     外来種のグリーンアノールによる捕食が圧迫要因として考えられるほか、台風による被害や開発による影響、アカギ等外来植物の侵入による植生の変化、コレクターによる捕獲圧等も減少要因としての可能性が指摘されている。

4.保護増殖事業の概要及びその効果

  • 平成20年国内希少野生動植物種に指定、平成21年保護増殖事業計画(文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省)策定
  • 母島の新夕日ヶ丘においてグリーンアノールの侵入を防ぐ保護柵を設置。平成23年5月、はじめて羽化を直接確認。
  • 多摩動物公園にて、オガサワラシジミの人工繁殖の技術開発を実施中

5.他法令等による保護の状況

  • 1969年に国の天然記念物に指定。

6.参考