自然環境・生物多様性
ムニンノボタン
1.概要
(1)分類
- 被子植物 双子葉類 離弁花類 ノボタン科
- ムニンノボタン
- 学名 Melastoma tetramerum
- 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
- 自生個体は、平成7年に1株のみであった東平の原木が枯死し、平成5年に発見された東海岸の百株程度の群落も平成23年までに発見当時の原木はすべて消失し、後継の実生株が残る状態である。なお、父島の東平、東海岸及び夜明山周辺に東京大学附属植物園が植え戻しを行った個体が生育している。
- 自生個体は東海岸の実生株のみ。約200株の植栽株が現存。
2.形態的特徴及び生物学的特性
- 小笠原諸島父島にだけ生育する日本固有種。高さ1m程度の常緑小低木。花弁が4個(一部5弁もある)、子房が4室で極めて珍しい形に変化した種。
3.生息を脅かす要因
- 発芽時には日陰と湿潤を必要とし、生長すると日照を必要とするという一見矛盾した生育特性があり、干ばつ、風害などによって上層木をはじめ生育地の植被状況が変わるたびに、つねに生存を脅かされてきたものと考えられる。
4.保護増殖事業の概要及びその効果
- 平成16年国内希少野生動植物種に指定、同年保護増殖事業計画(農林水産省、環境省)策定。
- 東京大学附属植物園において増殖技術の開発、自生株由来の系統保存を実施。また、苗の増殖、自生地での増殖試験の実施、ノヤギの侵入防止柵の設置により、自生地での絶滅を防止(環境省事業)。
5.他法令等による保護の状況
- 自然公園法に基づき、小笠原国立公園の指定植物に指定されている。