自然環境・生物多様性

ミヤコカナヘビ

1.概要

(1)分類
  • トカゲ亜目 カナヘビ科
  • ミヤコカナヘビ
  • 学名  Takydromus toyamai
  • 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
  • 沖縄県宮古島市(宮古島、池間島、伊良部島、大神島等)
  • 総数は不明。2000年頃までは、比較的多くの個体を見ることができる生息地もあったが、現在はどの生息地においても個体数密度が相当に低くなったと考えられ、目撃することが困難になりつつある。

ミヤコカナヘビ

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 全長はオスで290mm、メスで270mmに達し、その75%程度を尾が占める。頭胴長は雌雄ともに6.5cmに達する。
  • 頭部を含め非常に細身の体型をしており、体はほぼ一様に鮮やかな緑色だが、四肢は少なくとも先端部が褐色ないし赤褐色。幼体では尾も褐色。成体でも腹側面から腹面にかけて次第に黄色味が強くなる。
  • 森林や藪を背後に抱えた草地に生息するが、草原や農耕地、住宅地周辺の空き地のような環境でも見られることがある。
  • 昆虫類・クモ類などを餌とする。
  • 交尾期間は少なくとも3月中旬~6月中旬。雌は草の根元や浅い土中に23 個の卵を年に何回か産み、1ヶ月ほどで孵化する。
  • 日本固有種

3.生息を脅かす要因

  • 開発、農薬散布

  • 外来種(イタチ、インドクジャク等)による捕食

  • ペット目的での採集・乱獲

4.保護増殖事業の概要及びその効果

  • 平成28年に国内希少野生動植物種に指定、令和3年に保護増殖事業計画(環境省)を策定

  • 生息分布調査・生息環境調査、生息地の環境改善(外来種の駆除、草刈りによる好適環境の維持等)、普及啓発等を関係機関と連携して実施

  • 環境省と(公社)日本動物園水族館協会との協定に基づき、平成30年度から飼育下繁殖に着手するなど、生息域外保全の取組を開始している。

5.他法令等による保護の状況

  • 沖縄県天然記念物、宮古島市自然環境保全条例保全種

6.参考