自然環境・生物多様性
イリオモテヤマネコ
1.概要
(1)分類
- 食肉目 ネコ科
- イリオモテヤマネコ
- 学名 Prionailurus bengalensis iriomotensis
- 絶滅危惧IA類(EN)(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布状況
- 沖縄県西表島のみに分布
- 島の低地部の湿地、河川・沢沿いをよく利用し、マングローブ林、農耕地周辺にも現れる。
(3)現在の生息数
- 推定個体数は100~109頭(平成17年~19年度第4次総合調査)。減少傾向
2.形態的特徴及び生物学的特性
- 西表島の固有種。体重3~4kg、頭胴長50~60cm
- 育児・出産については、2頭前後を樹洞などに産んだ事例が報告されている。
- 餌は小型哺乳類、鳥類、爬虫類、カエル類、昆虫類と多様
3.生息を脅かす要因
- 交通事故
- 好適生息地の消失及び改変
- 不適切な飼養をされた飼いネコとの間でFIV(猫免疫不全ウイルス感染症)等の重篤な伝染性疾患の伝染や生息地内での競合
4.保護増殖事業の概要及びその効果
- 昭和49年度から生態・生息環境等の調査を実施
- 平成6年国内希少野生動植物種に指定、平成7年保護増殖事業計画(農林水産省、環境省)策定
- 平成6年より西表野生生物保護センターを拠点として、生息状況等のモニタリング、行動圏調査、外来生物等による影響の防止、普及啓発、交通事故防止対策等を実施
5.他法令等による保護の状況
- 鳥獣保護法:生息地の一部を国指定西表鳥獣保護区に指定
- 自然公園法:生息地の一部を西表石垣国立公園に指定
- 文化財保護法: 国の天然記念物(昭和47年)、特別天然記念物に指定(昭和52年)
- 条例:竹富町ネコ飼養条例により、飼いねこの管理について、マイクロチップによる個体登録、西表島に持ち込む個体の検疫が義務づけられている。