自然環境・生物多様性
ヒメタニワタリ
1.概要
(1)分類
- シダ植物 チャセンシダ科
- ヒメタニワタリ
- 学名 Hymenasplenium cardiophyllum
- 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
- 小笠原群島の母島と北大東島、中国の海南島に分布する。
- 小笠原諸島の母島石門に2ヶ所、数十株が生育。このほか、北大東島でも50株程度の生育が確認されている。もともと個体数が少なかったが、採取により著しく減少し、かろうじて残存している状態である。
2.形態的特徴及び生物学的特性
- 森林中のやや湿った石灰岩上にまれに生じる常緑性のシダ。
- 根茎は横走する。
3.生息を脅かす要因
- 園芸採取や外来種アフリカマイマイによる食害が本種の圧迫要因である。
- 生育地である地盤の脆い石灰岩壁面の台風等による崩壊が、本種の減少に直接の影響を与えた。
4.保護増殖事業の概要及びその効果
- 平成20年国内希少野生動植物種に指定、平成21年保護増殖事業計画(農林水産省、国土交通省、環境省)策定
- 東京大学附属植物園において増殖技術の開発、自生株由来の系統保存を実施。また、苗の増殖、自生地への植栽を実施したが定着には至っていない。(環境省事業)
5.他法令等による保護
- 自然公園法に基づき、小笠原国立公園の指定植物に指定されている。