自然環境・生物多様性

アサヒエビネ

1.概要

(1)分類
  • 被子植物 単子葉類 ラン科
  • アサヒエビネ
  • 学名  Calanthe hattorii
  • 絶滅危惧Ⅱ類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
  • 自生個体は、小笠原諸島の父島、兄島に生育する。なお、父島に東京大学附属植物園が植え戻しを行った個体が生育している。
  • 自生個体は、父島と兄島合わせて数百株に回復。父島に数十株の植栽株が現存。

写真:アサヒエビネ

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 小笠原諸島兄島及び父島にだけ生育する日本固有種。
  • 葉は大きく長さ20~50cmになる多年生草本。7月頃に葉腋から高さ50~100cmの花茎を伸ばす。

3.生息を脅かす要因

  • 園芸目的のための盗掘が圧迫要因。現在では、道路沿いなどでは見ることができない状況となった。また、自然結実が少なくなりカイガラムシの付着も近年目立っている。
  • その他ウイルスの危険性も指摘されている。近年、兄島では、個体の小型化が懸念されている。

4.保護増殖事業の概要及びその効果

  • 平成16年に国内希少野生動植物種に指定、同年、保護増殖事業計画(農林水産省、環境省)を策定。
  • 東京大学附属植物園において増殖技術の開発、野生株由来の系統保存を実施(環境省事業)。

5.他法令による保護の状況

  • 自然公園法に基づき、小笠原国立公園の指定植物に指定されている。

6.参考