自然環境・生物多様性

アマミノクロウサギ

1.概要

(1)分類
  • ウサギ目 ウサギ科
  • アマミノクロウサギ
  • 学名 Pentalagus furnessi
  • 絶滅危惧ⅠB類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
  • 鹿児島県奄美大島及び徳之島の2島にのみ分布
  • 高齢級林あるいはそれに隣接した餌量の多い場所に生息
  • 奄美大島で2,000~4,800頭、徳之島で約200頭と推定(2003年時点)

写真:アマミノクロウサギ

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 体重は1,300~2,700g、頭胴長41~51cm
  • 特異で原始的な形質を有する等、学術的に重要な種。
  • 樹洞・岩穴の他大木の根元などに、休息・産仔用の穴を掘る。
  • 寿命は飼育下で15年。繁殖活動は1年を通して行われていると考えられている。
  • 奄美大島及び徳之島の固有種

3.生息を脅かす要因

  • 高齢級林の減少と分断化
  • マングースによる捕食
  • ネコやイヌによる捕食
  • 交通事故

4.保護増殖事業の概要及びその効果

  • 平成16年に国内希少野生動植物種に指定、同年、保護増殖事業計画(文部科学省、農林水産省、環境省)を策定、平成26年保護増殖事業10ヶ年実施計画を策定。
  • 生息状況のモニタリング調査や交通事故防止対策等を実施
  • 平成12年度から実施されている外来生物(マングース)防除事業により、奄美大島の生息状況が近年回復傾向にある。

5.他法令等による保護の状況

  • 鳥獣保護法:生息地の一部を国指定湯湾岳鳥獣保護区に指定
  • 文化財保護法:国の特別天然記念物に指定(昭和38年)、生息地の一部を神屋・湯湾岳天然記念物林に指定
  • 条例:大和村野生生物保護条例により大和村内(奄美大島)での捕獲等の禁止(平成13年)

6.参考