事例紹介

引取り数の削減

施設名(自治体名) 千葉県
タイトル 犬及び猫の引取りに対する事前相談制
取組みの主体 千葉県
連携した団体等 (公財)千葉県動物保護管理協会

具体的な取り組み内容

千葉県では、飼い主から犬や猫の引取り依頼があった場合の事前相談制を確立し、引取り数減少につなげました。

経緯)

千葉県は犬や猫の引取り数が全国的に上位に位置していることから、飼い主責任の徹底を図る目的で平成23年度から開始しました。

内容)

動物愛護センターや保健所の窓口(又は電話)で飼い主から犬や猫の引取りの依頼があった場合、原則として依頼日から2週間は引取りを保留しています。これは、引取りを依頼した飼い主に、新たな飼い主探しやしつけ方教室の受講等、引取りを依頼せずに済む方法に関する職員からの助言を実行する、或いは命を見つめ直していただく時間を確保するためです。また、新たな飼い主探しの一助として、ホームページで譲渡希望者と飼養希望者の動物情報を発信している(公財)千葉県動物保護管理協会をご案内しています。

結果)

県内一律に引取り保留期間を設け、飼い主が引取りを回避するための時間を確保できるようになったことから、引取り数が減少し(平成22年引取り数:犬1,248 猫5,512 平成23年度引取り数:犬568 猫4,065)、これに伴い殺処分数を減少させることができました。また、哺乳期子猫の引取り依頼の場合、2週間の飼養継続(引取り保留)で、子猫が離乳期に至り、譲渡につなげられたケースも出てくるようになりました。

評価)

殺処分数増加の原因となっている犬及び猫の引取り数を減少させた、有効な対策です。ただし、現在の殺処分数の多くを占めるのは飼い主不明の子猫であるため、この取り組みに加え、猫の屋内飼養の普及や、飼い主のいない猫不妊去勢手術事業を推進していくことにより、さらに引取り数の減少を図りたいと考えています。

事前相談の様子飼い主から引取り依頼があった場合の事前相談の様子
飼い主探しホームページ画面飼い主探しホームページ画面
施設名(自治体名) 盛岡市
タイトル 盛岡市地域ねこ事業
取組みの主体 盛岡市
連携した団体等 町内会・自治会、地域ねこ活動ボランティア

具体的な取り組み内容

飼い主のいない猫の無秩序な繁殖を抑制するため、近年都市部を中心に行われている地域ねこの考え方に基づく「盛岡市地域ねこ事業」を創設・実施しました。

経緯・方法)

平成22年から、県内の動物愛護団体と当市との協働事業として「地域ねこモデル事業」の活動を開始。その後は、当市の事業として継続しています。

成果)

平成22年から4年間で、市内31地区を認定し、合計111頭のメス猫の不妊手術が実施されました。不妊手術を施さなかった場合、メス猫1頭あたり1回に6匹の子猫を生むと仮定して試算すると、手術実施によって合計666頭の子猫が生まれずに済んだことになります。本事業を行ったほとんどの地区で、猫が増える心配がなくなったことで迷惑感情の緩和が見られ、糞尿被害についても改善されたとの声が多く聞かれました。一方で、近隣住民の理解が十分でないなどの理由で、住民ボランティアが様々な負担を感じている状況も見受けられました。そこで、情報交換会や講演会の開催、チラシやポスターの作成・掲示など事業の周知に努めた結果、新聞に複数回掲載されたこともあり、市民側から「地域ねこ活動を行いたい」との相談が多く寄せられるようになりました。なお、猫の引取り頭数は、24年度・25年度と続けて減少しました。

総括)

このことから、本事業により、「地域ねこ活動」の手法を盛岡市内に導入し、一定の効果をあげることができたと考えます。また、苦情対応の際に、飼い主のいない猫を世話している人に対して、えさやりを否定せずに適正な猫の管理をお願いすることで、相手の反発を招かず円滑に状況を改善してもらうことが可能となりました。その結果、独自に地域ねこ活動を開始した地域や個人もあり、本事業が助成事業としてだけでなく、市民への活動普及事業として有効であることが示されました。

情報交換の様子情報交換の様子
地域ねこ活動ポスター
地域ねこ活動ポスター
施設名(自治体名) 川崎市
タイトル 引取りを今後求められる可能性のある事例の早期情報収集・早期対応のための高齢者関係部局との連携
取組みの主体 川崎市(健康福祉局健康安全部生活衛生課・区役所保健福祉センター衛生課・高齢者関係部署)

具体的な取り組み内容

背景)

ペットを飼養する高齢者の飼い方相談や引取りの相談は、飼養者本人だけではなく親族や地域包括支援センターを始めとした関係者からも動物関係部局が受けることが多く、相談内容には様々な要因が絡み合い深刻化した事例が多くあります。高齢者の動物飼養に係る問題について、深刻化する前に探知し、多様な主体と連携して問題解決に取り組むことの必要性が高まってきました。

内容)

地域包括支援センター職員や高齢者関係部署の担当者が出席する会議の場で高齢者のペット飼養の現状と問題について説明し(画像:説明用資料)、早期の相談や情報提供を依頼しました。また、一部の区においては高齢者関係部署と所内会議を開催し、高齢者のペット飼養の現状や課題、連携内容について早期の情報提供を依頼しました。早期の相談や情報提供を受けて、譲渡先探しへの協力や正しい飼い方のアドバイスを行い、高齢のペット飼養者の飼養に係る問題に早期から関わり、課題の解決や引取り数の削減を目指しました。

結果)

これまでは高齢者の動物飼養に係る問題に対しては、動物関係部署や高齢者関係部署がそれぞれ単独で対応していましたが、今回の取組みにより、高齢者関係部署からの相談を受けて関係部署の方などと連携して、比較的時間の余裕をもって問題解決に取り組めた事例がありました。今後も連携した取組みにより、ペットを飼養する高齢者との話し合いや対応がしやすい環境づくりを目指していきたいと思います。

説明用資料
高齢者のペット飼育の現状と問題について説明用資料
リーフレット
普及啓発リーフレット
(ペットとくらす「さ・し・す・せ・そ」)
施設名(自治体名) 東京都西東京市
タイトル 飼い主のいない猫対策
取組みの主体 西東京市
連携した団体等 飼い主のいない猫を救う会

具体的な取り組み内容

経緯)

市内に飼い主のいない猫が多く、苦情が多いため、平成23年2月に設立された「飼い主のいない猫を救う会」と連携するようになりました。

内容)

成猫については捕獲して去勢・不妊手術と手術済みの猫であることが外見から判断できる措置(耳カット)をして地域に戻します。子猫については毎月第一日曜日に猫の譲渡会を開いて、飼い主になってくれる人を募集しています。また5月の環境フェスティバル、11月の市民まつりでも譲渡会を開催しています。飼い主が決まるまでは「救う会」の方、「救う会」で募集したボランティアの方が子猫を飼育しています。

結果)

10月10日の時点でオス15匹メス53匹の去勢・不妊手術を実施、10月5日の時点で23人の飼い主が見つかりました。

考察)

これでも飼い主のいない猫の問題は完全には解決できず、苦情の電話があります。子猫を産んでしまった。敷地内に侵入されて車や網戸、自転車のサドルを傷つける。糞尿の臭いがひどい等です。

総括)

飼い主のいない猫を減らし、地域猫として地域で共生していくことができると猫の苦情は減少します。それには去勢・不妊手術費用の予算の増額(確保)が今後の課題になります。

猫の譲渡会の様子1毎月第1日曜日に開いている猫の譲渡会の様子1
猫の譲渡会の様子2毎月第1日曜日に開いている猫の譲渡会の様子2
施設名(自治体名) 東京都立川市
タイトル 地域猫活動推進事業
取組みの主体 立川市
連携した団体等 立川市地域猫活動登録団体、立川市地域猫活動団体連絡会、自治会等
※地域自身が登録団体として取り組みを実施することもあります。

具体的な取り組み内容

経緯)

市内では、以前から地域住民(ボランティアグループ)による地域猫活動への取り組みが行われてきました。こうした住民ニーズの高まりを受け、市では平成21年度より、地域猫活動団体に対する団体登録・補助制度を開始しました。

目的)

飼い主のいない猫による地域でのトラブルを地域の課題ととらえ、地域問題の解決を図るため、地域ごとのボランティア(登録団体)、地域(自治会や管理組合など)、行政の3者協働で地域猫活動を推進しています。

結果)

地域への説明や取り組みの支援等により、活動団体登録数が増加しており、平成21年度は6団体からスタートしましたが、平成25年度末で32団体が登録し、それぞれの地域で活動しています。新たな団体の中には、自治会自体が活動団体として登録することもあり、地域自身によって地域課題の解決が図られています。

評価)

取り組みが進んだ地域では、実際に飼い主のいない猫の把握数が減っているところや、地域の中で不妊去勢の手術が必要な猫がいなくなっている地域も出てきています。行政への猫に関する苦情も減少し、内容も苦情から相談へと変化してきました。また、登録団体の情報交換や共有課題の解決に向けて、立川市地域猫登録団体連絡会を設置し、行政と連携し地域猫活動の周知啓発を促進するためのイベントや学習会の開催、譲渡相談会なども実施しています。

総括)

地域ごとに取り組みを進めているため、団体がない地域もあります。この問題を地域課題とし地域に認識してもらえるように自治会等の会合などで説明を行っており、市内全域での取り組みを目指しています。

取組み内容の紹介等関連HP

立川市「地域猫活動団体への補助金交付制度について」(外部サイトへリンクします)

学習会の様子学習会の様子
地域のイベント啓発・譲渡会地域のイベント啓発・譲渡会
施設名(自治体名) 東京都中央区
タイトル 動物との共生推進員と連携した飼い主のいない猫の保護活動
取組みの主体 中央区
連携した団体等 動物との共生推進員、協力獣医師

具体的な取り組み内容

目的)

動物に関する問題の解決には、地域の状況を的確に把握することが必要なことから、中央区では、地域住民、開業獣医師、動物愛護団体などの幅広い参画を得て、「人と動物との調和のとれた共生社会」を推進していくために、平成17年7月に「動物との共生推進員」制度を創設しました。推進員の活動をサポートするために連絡会を組織し、連絡会には「獣医師部会」、「犬の適正飼育検討部会」、「地域の猫問題検討部会」を設置して、平成26年7月現在61人の推進員が各々の活動を行っています。

内容)

中央区内で飼い主のいない猫が発見された場合、地域の猫問題検討部会員の推進員が確認を行い、区の去勢不妊手術費助成制度の利用承認を得て猫を捕獲し、獣医師部会員である協力獣医師により去勢不妊手術を施したうえで、地域で飼える状況にある猫は地域に戻し、譲渡の見込みがある猫は推進員が保護して、定期的に開催する推進員主催の譲渡会の場で、新たな飼い主を探す取組を行っています。推進員による飼い主のいない猫の捕獲・去勢不妊手術・保護または譲渡するシステムを確立し、殺処分される猫の減少に努めています。 また、平成25年度から、負傷した猫がいるとの通報があった際には、区職員の調査により飼い主のいない負傷猫との確認を行ったうえで、推進員に保護を依頼して協力獣医師の病院に搬送し、区の負傷猫の治療費等助成制度を活用して治療を行い、殺処分されることなく生を全うできるよう取組んでいます。

成果)

平成17年7月から始めた去勢不妊手術費助成の実績は、平成20年度にピークの235匹を記録して以後、漸減傾向にあり平成25年度には112匹にまで減っており、推進員の活動の成果は着実に上がっています。

取組み内容の紹介等関連HP

中央区動物との共生推進員制度(外部サイトへリンクします)

飼い主のいない猫の去勢不妊手術費助成制度(外部サイトへリンクします)

飼い主のいない負傷猫の治療費等助成制度(外部サイトへリンクします)

中央区健康福祉まつりの様子中央区健康福祉まつりでの動物との共生推進員による啓発活動
動物との共生推進員主催の譲渡会
の様子動物との共生推進員主催の譲渡会の様子
施設名(自治体名) 豊田市
タイトル 豊田市地域猫活動支援事業
取組みの主体 豊田市
連携した団体等 地元ボランティア、地域猫ボランティア団体、自治会

具体的な取り組み内容

経緯)

野良猫による生活被害についての苦情・相談及び野良猫の引取り数減少を目的として、平成24年度に事業を試行的に実施し、平成25年度より要綱を定めて正式に事業を開始しました。平成25年度、26年度は地元開業獣医師に避妊去勢手術を委託していましたが、平成27年度からは動物愛護センターが開設したことから、同センターにおいて獣医師職員が避妊去勢手術を実施しています。

内容)

地域猫活動を行う市民が、自治区の承認のもと、市に申請書を提出し、市がその地域猫活動の支援を決定した場合には、猫の避妊去勢の手術を市が動物愛護センターにおいて無料で行うものです。猫の世話等を行う地域の地元ボランティアが活動の主体となりますが、猫の保護については、地域猫ボランティア団体の協力を得て事業を進めています。

結果・成果)

平成25年度 13地域で67頭(オス29頭、メス38頭)実施
平成26年度 27地域で126頭(オス44頭、メス82頭)実施
平成27年度 40地域で184頭(オス81頭、メス103頭)実施
※平成27年度は平成28年1月末現在の地域・頭数
実施地域においては、猫の引取りや苦情が減少しています。

評価・課題・ポイント)

実施地域において、引取り頭数が減少していることから、この取り組みは野良猫の数を減らし、ひいては殺処分を減らすための取り組みとして有効であると考えられます。今後は苦情や引取りの多い地域に働きかけを行い、継続して事業を実施していきたいと考えています。

避妊去勢手術の実施避妊去勢手術の実施
チラシイメージ
お渡しするチラシ(全自治区へ案内をお知らせ
するとともに個別に事業説明を行っています。)
施設名(自治体名) 仙台市
タイトル 適正な飼養を推進するための飼い主対応について
取組みの主体 仙台市

具体的な取り組み内容

引取りを求めてきた飼い主に対し、飼養継続へ、考えを改めてもらうような対応について、外部より講師を招いて、ロールプレイを中心に講習会を行いました。

経緯)

飼い主の考えを変える説得は非常に難しく、対応する職員の心的負担が大きいことから、効果的かつ負担の少ない説得方法を取得するため、この講習会を開催しました。当市担当職員以外に、同様の課題を抱えている近隣自治体やボランティアからも参加者を募りました。

内容)

参加者が、行政担当者と引取りを求める飼い主役になり、講師の準備した2種類のシナリオに沿ってロールプレイを行いました。まず、一般的な「引取拒否」を行った場合、飼い主と担当者が決裂するシナリオによるロールプレイを行いました。次に、動物を引き取った際の喪失感について講師から説明を受けた後、改めて、飼い主が引取りを求めるに至った理由や心情に寄り添い、飼い主が動物との暮らしを始めたきっかけや、思い出を思い起こさせることによって、飼い主の気持ちを変えていくといった第2のシナリオによるロールプレイを行いました。

結果)

当市より11名、他自治体より2名、ボランティア10名、動物専門学校関係者3名が参加しました。参加者からは、飼い主の心理を理解し、飼養継続へと心境の変化を導く手法を学べたといった感想がありました。

考察・総括)

受講後、職員は今までよりゆとりを持って対応を行うことができており、ロールプレイによる飼養者側の疑似体験が業務に活かされています。一定の成果が見られたことから、今後も必要に応じ開催を検討したいと考えています。

講師の先生からレクチャーの様子

講師の先生からレクチャーを受けます。飼い主が愛犬、愛猫を手放す背景について、また、引き取ってもらった後の喪失感についてお話を聞きました

ロールプレイの様子

講師の方が作成されたシナリオを元に、参加者が「引き取りを求める飼い主」「引き取りを断る職員」になりきってロールプレイ。その後に講師からの解説を受けました

施設名(自治体名) 福岡市
タイトル 地域ねこ守り隊事業
取組みの主体 福岡市
連携した団体等 NPO法人地元再生機構、動物関係団体、住民、小学校、中学校

具体的な取り組み内容

経緯)

地域ねこ守り隊事業は、地域猫活動を通して地域コミュニティを活性化するため、NPO及び福岡市が共働して取り組むもので、事業実施地区を「モデル地区」として、地域猫活動の有効性をモデル地区から全市に向けて発信し、地域猫活動に取り組む地域を拡大していくことを目指すものです。

内容)

・地域住民、動物関係団体との共働による地域猫活動の実施(不妊去勢手術108頭・譲渡5頭)

・地元小中学校の授業での市職員やNPOによる地域の猫問題に関する講話

・小学生による地域猫活動の体験

・小学生による街頭での啓発チラシの配布

・地域猫活動に関する広報誌の作成(計3回)

・シンポジウムの開催

・どうぶつ愛護フェスティバルinふくおかへの参加

結果・成果)

地域猫活動地点が地域内1か所から7か所に拡大し、隣接する公園の猫問題に着手するなど、効果的な取り組みに発展しました。「この3年間で、特に公園において子猫を見かけることが少なくなった。」との住民の声も寄せられており、飼い主のいない猫問題の対策として一定の成果がありました。また、地域猫活動が地域コミュニティの活性化や地域の環境美化活動の手段としても有効であることを、全市に向けて伝えることができました。

総括)

小中学校など様々なところへの働きかけにより、活動に広がりをもたせることができ、地域の理解を得るきっかけづくりともなりました。補助金交付や不妊去勢手術の無償実施などの市からの支援だけでなく、地域活動支援団体や動物関係団体などの協力を得ることで、地域コミュニティを活性化し、地域ぐるみで地域猫活動に取り組むことができました。

公園での地域猫活動の様子公園での地域猫活動についての理解と協力の呼びかけ
中学校での講話の様子中学校での講話
施設名(自治体名) 和歌山県
タイトル 譲渡後のフォローアップ、わうくらぶ
取組みの主体 県動物愛護センター
わうくらぶ(和歌山県動物愛護センターから犬猫の譲渡をうけた方で構成された任意団体)
連携した団体等 「県民参加により実施する動物愛護普及啓発事業実施要綱」に基づき登録したボランティアのしつけ方インストラクター

具体的な取り組み内容

「わうくらぶ」は、譲渡の目的である適正飼養の普及啓発を推進するために、譲渡者間の情報交換と親睦を図るために組織され、活動しています。

経緯)

県動物愛護センターが主体となり、譲渡後のフォローアップのために犬の譲渡者を対象に「里帰りイベント」を実施していました。そのなかで「譲渡者同士の交流の場がもっとほしい」「譲渡後もセンターの事業に協力したい」といった意見があり、譲渡者が主体となった「わうくらぶ」が誕生しました。

内容)

「わうくらぶ」の主な活動は、会報の発行(年3回)、「里帰り運動会(年2回)」「ちょこっと里帰り(月1回)」があります。「ちょこっと里帰り」では、親睦を図るだけではなく、犬のしつけ方インストラクターを招いてしつけ方教室、会員のみで貸し切ってドッグカフェ体験、動物に関する勉強会などを行っています。

結果)

「わうくらぶ」会員の中から、ブログなどで適正飼養について情報発信をする者や、センターが行う出張授業やイベントにボランティアとして協力する者がでてきています。

考察)

譲渡者同士のつながりがあることで、個人が活動しやすくなっていると考えられます。「ひとりではできないけれど、みんなとならやってみよう」という者をすくいあげていると考えます。また、譲渡後のフォローアップがあることが、センターからの譲渡を選択する一因となっていると考えられます。

総括)

「わうくらぶ」が、地域の模範的な飼い主となって、適正飼養の普及啓発に寄与していると考えています。

取組み内容の紹介等関連HP

和歌山県動物愛護センター「譲渡者のページ」(外部サイトへリンクします)

運動会競技の様子運動会競技の様子
里帰り集合写真里帰り集合写真
施設名(自治体名) 徳島県動物愛護管理センター(徳島県)
タイトル ①地域猫普及推進事業
②公園猫活動を通じた動物愛護・共生啓発活動
取組みの主体 徳島県
連携した団体等 ①(公社)徳島県獣医師会
②(公社)徳島県獣医師会、動物愛護推進員・ボランティア、警察署

具体的な取り組み内容

徳島県における猫の愛護と適正な管理の重要性について県民の理解を深めるとともに、猫の殺処分数の削減のため、平成20年度に「猫適正飼養ガイドライン」を策定、平成22年度から「地域における人と動物の共生支援モデル事業」を創設し、地域における飼い主のいない猫対策の一つとして「地域猫活動」を支援しています。

①地域猫普及推進事業
内容)

自治会を含む地域住民が主体となり、市町村、県、団体が積極的な支援を行うものとしています。県の役割として、地域の選定、地域住民と市町村・団体等との連携や調整、地域住民や自治会への理解を求めるとともに、飼い猫の適正飼養に関する取組支援、適正飼養の普及啓発を行い、不妊去勢手術については動物愛護管理センターにて無料で実施しています。
また、平成25年度から、県下全域にわたる地域猫活動拡大のため、県が指定する西部・南部での地域猫活動に係わる手術を県獣医師会へ委託し、動物病院にて手術を実施すると同時に、当センターでの手術も継続して行っています。

結果)

4年間で計32地域、合計521頭(徳島県426頭、県獣医師会95頭)の猫の手術を実施しています。

総括)

今後も、継続した地域猫活動の支援、普及啓発活動に取り組みたいと考えています。

②公園猫活動を通じた動物愛護・共生啓発活動
経緯)

以前から公園への捨て猫事例が後を絶たず、また、無秩序な給餌行為により繁殖が継続され、動物愛護と環境保全に係る問題が生じていました。ボランティアだけでの活動継続が困難な状況になり、関係団体が協力して問題解決に取り組むこととしました。

内容)

関係団体、ボランティア等が参加し、公園に生息する猫についての協議会を開催して情報を共有するとともに、それぞれが役割分担し、公園猫活動と公園猫を通じた啓発を実施しました。

・猫の手術、管理方法のルール作り

・公園管理者、(公社)徳島県獣医師会による手術費用の負担

・遺棄防止のためのチラシ配布、夜間合同パトロールの実施

・セミナーの開催、啓発パネル展の開催

成果)

・公園猫の過剰繁殖が抑えられ、公園環境が改善されています。

・警察署や動物病院との連携体制がとれるようになりました。

・関係団体の協働による公園猫活動の実施と、啓発活動が行われています。

課題)

未だに遺棄事例がみられ、継続した取組と、遺棄防止対策の強化が必要です。併せて、遺棄は犯罪であることへの認識と、住民の動物愛護と適正管理に関する意識改革が必要です。

地域猫活動パンフレット
地域猫活動パンフレット
セミナー2013「地域ねこ、公園ねこという考え方」
セミナー2013「地域ねこ、公園ねこという考え方」
施設名(自治体名) 徳島県動物愛護管理センター(徳島県)
タイトル 市町村への不妊・去勢助成制度交付金
取組みの主体 徳島県
連携した団体等 (公社)徳島県獣医師会、市町村

具体的な取り組み内容

徳島県では市町村及び県獣医師会との連携により、不妊去勢手術の普及推進に取り組んでいます。市町村へ手術の助成制度を導入するため、平成21年度に「動物愛護管理適正化推進事業」を創設し、不妊・去勢措置の推進に係る事業を実施する市町村に対し、かかる経費の1/2を交付金として交付することとしました。事業創設以前は県下24市町村のうち1市1村が独自に助成制度を設けていましたが、平成26年度には23市町村において助成制度が導入されています。平成25年度には750頭に手術助成を実施しました。また、不妊去勢手術の啓発リーフレット(県作成)を市町村での狂犬病予防集合注射の際に飼い主へ配布したり、啓発ポスター(県獣医師会作成)を市町村窓口や掲示板に掲示したりすることで、広く不妊去勢手術に係る普及啓発を行っています。

啓発リーフレット啓発リーフレット
助成制度市町村数推移グラフ助成制度 市町村数推移
施設名(自治体名) 埼玉県
タイトル 地域猫活動推進事業(市町村への補助金交付制度)
取組みの主体 埼玉県
連携した団体等 市町村(上尾市、入間市、所沢市、蓮田市、八潮市、吉見町)、ボランティア等

具体的な取り組み内容

背景)

本県では、平成20年に策定した「埼玉県動物愛護管理推進計画」において、犬猫の殺処分数を10年で半減させる目標を立てましたが、この目標は6年前倒しで、平成23年度に達成することができました。その後も殺処分数は順調に減少していますが、犬猫別で見ると、猫の処分数は犬の約3倍近くあり、そのうちの多くを野良猫が生んだ子猫が占めています。そのため、今後更に殺処分を減らしていくためには、野良猫対策として「地域猫活動」を推進することが重要であると考えます。その名のとおり、地域ぐるみの住民活動として定着させるためには、市町村の理解と協力が不可欠であることから、市町村経由による活動ボランティアへの財政支援の仕組みが必要と考え、本事業を開始したところです。※本事業の財源は、電子マネーWAONからの寄附金による。

内容)

県が指定するモデル地区において「地域猫活動」を行うボランティア等へ当該活動に要する経費を補助する市町村に対し、補助金を交付する。補助金制度の創設と併せて、「地域猫活動」への理解を深めてもらうため「地域猫活動実践ガイドブック」を作成。また、市町村は県の補助金を受け、地元のモデル地区において「地域猫活動」を行うボランティア等へ当該活動に要する経費を補助する。ボランティア等は市町村からの経費補助により、県が指定するモデル地区において「地域猫活動」を行う。

活動地区:県が指定(※)するモデル地区での活動に限る。

※市町村が県に提出する「モデル事業計画書」に基づき指定

結果)

平成24年度・・・予算2か所分 → 実施1か所

平成25年度・・・予算5か所分 → 実施3か所

平成26年度・・・予算6か所分 → 実施6か所

平成27年度・・・事業枠を更に拡大する予定

成果)

各モデル地区においてTNRによる野良猫の減少化傾向が見られますが、一部新たな捨て猫が確認されたところもありました。

課題)

「地域猫活動」の取組みについての周知の仕方や遺棄対策などがこれからの課題です。

取組み内容の紹介等関連HP

埼玉県ホームページ 「地域猫活動実践ガイドブック~野良猫を減らすために~」(外部サイトへリンクします)

「地域猫活動実践ガイドブック」表紙
「地域猫活動実践ガイドブック」表紙
「犬・猫の殺処分数0(ゼロ)を目指して」パネル
「犬・猫の殺処分数0(ゼロ)を目指して」パネル
施設名(自治体名) 大津市
タイトル 飼い主のいない猫対策、地域猫対策について(大津市地域猫活動支援事業)
取組みの主体 大津市
連携した団体等 地域猫活動団体、自治会

具体的な取り組み内容

地域猫活動とは、「野良猫の糞尿や庭や畑を荒らされて困っている」「子猫が産まれて数が増えている」等の問題を地域の環境問題として、地域住民の合意の下一定のルールに基づき、エサの散乱防止、トイレ設置、不妊去勢手術を行う等、野良猫を地域で適正に管理することにより、生活環境を保全し、一代限りの寿命を全うさせて徐々に数を減らしていく活動です。

内容)

大津市では、異なる世帯の地域住民※が、エサの管理やトイレの設置等の管理を行ない、自治会の協力を得るなど一定の要件を満たした地域で管理する猫に不妊去勢手術を行う等の支援を行っています。本事業は、平成22年9月より試験的に取り組みを開始し、平成24年9月に正式に要綱を制定し、本格的に地域猫活動への支援を行うこととなりました。

※管理する猫の数が10頭以上の場合は3名、10頭未満の場合は2名以上としています。

成果)

要綱の施行以後、平成26年11月30日時点で、市内24の地域から届出をいただき、154頭の猫の不妊去勢手術を行いました。また、平成25年12月に実施したアンケートでは、多くの地域で猫が減ったという回答が得られました。しかし、事業評価については、何を指標にするかが難しいところで、しかも、飼い主のいない猫の平均寿命は3~5年とも言われていることから、まだ3年に満たない期間での評価となるとなおさら困難です。

課題)

活動団体の方の高齢化により、猫の運搬や管理等に対して負担が大きくなっていること、新規に取組み地域を増やしていく方法が乏しいこと、取り組む意思のある方がいても地域の合意が得られず取り組みができない地域があることなどです。

取組み内容の紹介等関連HP

大津市ホームページ 「野良猫対策に取り組みませんか?」(外部サイトへリンクします)

猫保護時の檻及び檻への注意書き及び、トイレと餌場
猫保護時の檻及び檻への注意書き及び、トイレと餌場
地域猫活動支援のながれ(資料)
地域猫活動支援のながれ(資料)
施設名(自治体名) 京都市
タイトル 京都市まちねこ活動支援事業
取組みの主体 京都市
連携した団体等 公益社団法人京都市獣医師会

具体的な取り組み内容

内容)

本事業は、地域に暮らす野良猫を、住民の合意のもと、餌やふん尿の管理、周辺美化などの一定のルールに基づき適切に世話するとともに、避妊・去勢手術を行政が無料で行うことにより一代限りの命を全うさせるものです。本事業を活用するには、下記の登録の条件を満たしたうえ、市内保健センターに届出を行います。登録後、地域で保護した猫については、保健センター又は京都動物愛護センターに持ち込み、公益社団法人京都市獣医師会の協力のもと、行政が京都動物愛護センターで避妊・去勢手術を行います。そして、手術後の状態を見て、猫を地域に戻し、みんなで管理する「まちねこ」として地域で世話をします。平成26年度末時点において、京都市内114地域が登録されています。

<登録の条件>

①活動の主体を担う代表者3名を決める

②活動地域における住民の理解を及び承諾を得る

③活動地域における餌の管理やふん尿の始末を行う

結果)

本活動の実施により、尿の臭いやさかりの鳴き声の軽減、繁殖の抑制、野良猫の子猫の減少、地域のコミュニケーションの活性化などの効果がありました。さらに、子猫の引取数及び苦情件数が大幅に減少しました。

<平成21年度> 子猫の引取数:1,449頭 苦情件数:1,470件

<平成26年度> 子猫の引取数:1,004頭 苦情件数: 765件

評価・課題)

平成22年度の事業開始以来、まちねこ活動に取り組む登録地域や手術頭数は着実に増加し、その結果、所有者不明の子猫の引取数は激減しています。今後、さらに「まちねこ活動支援事業」が普及していくよう、保健センターが地域ごとの課題を踏まえ、丁寧な相談や啓発の取組を一層進めていくとともに、登録の条件の緩和などを検討しています。

取組み内容の紹介等関連HP

京都市ホームページ 「京都市まちねこ活動支援事業」(外部サイトへリンクします)

リーフレット(表紙)
市民への配布用リーフレット(表紙)
リーフレット(中面)市民への配布用リーフレット(中面)
施設名(自治体名) 大分市
タイトル 人と猫が共生するまちづくり事業
取組みの主体 大分市
連携した団体等 協力動物病院、ボランティア、自治会等

具体的な取り組み内容

背景)

本市では、飼い主のいない猫や外飼い猫に関する、ふん尿被害や無責任なエサやり等の苦情相談が年々増加傾向にある他、交通事故や望まれずに生まれた子猫の殺処分等により、年間4,000頭近くの猫が命を落としています。

経緯)

これらの猫に係る問題を解決するために、飼い猫については、飼い主の責務と適正な飼養管理を、飼い主のいない猫については、“地域猫活動”の取り組みを規定したガイドラインを平成26年8月に策定しました。本ガイドラインに基づく取り組みにより“猫の殺処分頭数の削減”“猫に係る被害の減少”“地域コミュニティーの活性化”を図り、人と猫が共生するまちづくりを目指しています。

内容)

同年9月から、地域猫活動に取り組むグループを募集し、市に登録したグループに対し不妊去勢手術費用の助成等の支援を開始しました。グループの募集方法は、市長記者発表、市内の全自治委員へのガイドライン配布、市報掲載を行った他、市のホームページ掲載や猫の相談を受けた際に適宜案内を行っています。

成果)

市民の皆さんからは、「地域猫活動とは、どのようなものか。」という問い合わせの他、「ようやく大分市でも地域猫が始まった。」、「地域猫活動をしたい。」、「協力したい。」等の意見、感想が寄せられています。

取組み内容の紹介等関連HP

大分市ホームページ 「飼い主のいない猫の対策~地域猫活動について~」(外部サイトへリンクします)

ガイドライン(表紙)「大分市猫の適正飼養・管理ガイドライン」概要版
(表面)抜粋
ガイドライン(中面)「大分市猫の適正飼養・管理ガイドライン」概要版
(中面)抜粋
施設名(自治体名) 千葉市
タイトル 飼い主のいない猫の不妊手術事業
取組みの主体 千葉市
連携した団体等 千葉市獣医師会、動物愛護推進員

具体的な取り組み内容

経緯)

飼い主のいない猫に起因する苦情等が多く寄せられていたことから、被害等を減少させ、猫によって生じている様々な問題の解決を図ることを目的として平成23年度から本事業を開始しました。

内容)

飼い主のいない猫の不妊手術を無料で実施しています。

【応募資格】

千葉市に住所を有し、市内に生息する飼い主のいない猫の餌の管理やトイレの管理など、地域の中で適正に管理している方、または、これから適正に管理しようとする方

募集頭数:
300頭(前期と後期に各々150頭)<平成26年度>
募集方法:
市政だより及びHP等
申請方法:
申請書及び活動場所や管理方法に関する報告書を提出し、面談を行います。
手術:
あらかじめ指定した日に申請者が保護した猫を動物保護指導センターに持ち込みます。センターの手術室で千葉市獣医師会の獣医師が手術を実施します。(手術済みとわかるよう耳カットを行います。)
手術後:
申請者が猫を引取り、元の生息場所に戻します。手術後にも活動に関する報告書の提出していただきます。
成果・課題)

平成23年度から946頭の手術を実施しました。飼い主のいない猫の寿命が4~5年といわれていますので、長期的な経過をみてからでなければ効果の検証は出来ませんが、猫の収容頭数に減少傾向が認められています。また、世話をしている方が申請に来ることで、活動している場所や方法を把握することが可能となりました。苦情に発展することも多い一人で活動している方や今まで餌やりしかしていなかった方についても、来所することで実際に地域猫対策を行っている動物愛護推進員の方から地域との連携や正しい餌やりの方法について説明を受ける機会が増え、適正管理の必要性を認識していただけるようになりました。毎回、募集頭数を大幅に上回る応募がありますが、これ以上頭数を増やすことは難しく、今後、実施方法等を検討する必要があると考えています。

総括)

猫の収容数の減少はもとより、申請時の情報や手術実施後の活動報告等のデータを収集し、苦情件数や引取り件数との関連を解析することで、猫の生息状況の推定や本事業の効果の検証が可能となり、飼い主のいない猫、地域猫対策がさらに推進するものと期待しています。

取組み内容の紹介等関連HP

千葉市ホームページ 「飼い主のいない猫の避妊去勢手術募集のお知らせ(募集時期のみ公開)※平成26年度の募集は終了しました。」(外部サイトへリンクします)

手術を待つ猫達手術を待つ猫達
千葉市獣医師会の獣医師が手術千葉市獣医師会の獣医師が手術
施設名(自治体名) 東京都新宿区
タイトル 人と猫との調和のとれたまちづくり事業
取組みの主体 新宿区
連携した団体等 ボランティア団体、協力動物病院、自治会、人と猫との調和のとれたまちづくり協議会

具体的な取り組み内容

経緯)

平成3年に「新宿区飼い猫の去勢不妊手術費助成事業」が発足しました。平成11年東京都からの「飼い主のいない猫との共生モデルプラン事業」事業協力の依頼を受け、新宿区においては平成12年12月にNPOねこだすけ及び地域住民から、区内数か所のモデルプラン実施予定地域の推薦を受け、区として実施することを確認、平成13年4月モデルプラン第1号の地域指定を受けました。平成13年11月にはNPOねこだすけと協働でセミナーを開催し、以後毎年続いています。平成16年「飼い猫の去勢不妊手術費助成事業」を「人と猫との調和のとれたまちづくり事業」に変更しました。野良猫問題解決を地域住民・ボランティア団体・行政の3者による協働事業であると位置づけました。

内容)

平成13年から取り組んだ地域猫対策において、地域で活動している方々からお互いの連絡調整・情報交換・啓発の場を設置してほしいとの要望や、新たに地域活動を始めたいという方々の問いかけに応えるため、平成20年2月3日、新宿区長を名誉会長とする連絡協議会を結成しました。連絡協議会では総会を年1回開催し、新規に地域猫対策を始めた町会・住民ボランティアに対し区長から委嘱状を交付し、取り組みを全体で確認しています。一方、住民ボランティアを中心に幹事会を構成し、月1回程度開催しています。また地域の苦情の掘り起しと協力者を探すことを目的に、幹事会が中心となり特別出張所等を会場に「ねこ苦情なんでも相談会」や「地域猫セミナー」を開催しています。

○実施時期

平成16年4月~

○助成額

飼い猫の去勢手術 2,500円 不妊手術 4,000円

野良猫の去勢手術 5,000円 不妊手術 9,000円

○助成条件

申請者は新宿区民であること、東京都獣医師会新宿支部加盟の動物病院で手術を受けることです。

課題)

連絡協議会への参加者が少なくなり、また新たな活動者が増えていないことです。

平成25年まちづくりセミナー風景平成25年まちづくりセミナー風景
人と猫との調和のとれたまちづくり<地域ねこ対策>パンフレット
人と猫との調和のとれたまちづくり<地域ねこ対策>
パンフレット
施設名(自治体名) 横浜市
タイトル 横浜市猫の不妊去勢手術推進事業
取組みの主体 横浜市

具体的な取り組み内容

目的)

動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)及び横浜市動物の愛護及び管理に関する条例(平成18年3月5日条例第17号)の趣旨に基づき、市民の飼育する猫及び飼い主のいない猫に不妊去勢手術を行うことを奨励し、猫の飼育限度を越えた繁殖を防止することにより、飼い主のいない猫の減少及び周囲に対する危害、迷惑の未然防止を図り、併せて動物の愛護及び管理についての理解を深め、生活環境の保全並びに市民生活の安全を保持することを目的としています。

内容)

○実施時期:平成26年5月1日~平成27年3月5日

○補助対象者:年齢20歳以上の横浜市民

○補助対象動物:平成26年5月1日(木)以降に登録動物病院で手術をした市内で飼養する猫及び市内に生息する飼い主のいない猫

○補助頭数:6,000頭程度

○助成額:飼い猫及び飼い主のいない猫の不妊去勢手術1件につき5,000円(上限)

取組み内容の紹介等関連HP

横浜市ホームページ 「ねこの不妊去勢手術費用の一部助成」(外部サイトへリンクします)

手術後の猫(飼い主のいない猫)手術後の猫(飼い主のいない猫)
事業説明用チラシ
事業説明用チラシ
施設名(自治体名) 岡崎市動物総合センター(岡崎市)
タイトル 猫の繁殖制限チラシの全戸回覧
取組みの主体 岡崎市

具体的な取り組み内容

飼い猫及びえさを与えている猫への避妊去勢処置の徹底を図るため、平成21年度より猫の繁殖制限の普及啓発のためのチラシの全戸回覧を行っています。

経緯)

市内では多くの猫の引取り及び処分を行っており、そのほとんどが離乳前の子猫です。しかし、避妊去勢処置をせず飼い猫を外に出している飼い主や猫にえさを与えている市民は、その行為が原因となって、処分等される猫が増えている事実を知らないことが多く、また、市に相談等が持ち込まれるのは、事が大きくなってからのことが多いのが現状です。そこで、市内へチラシを全戸回覧することで、市内の猫の現状を伝え、繁殖制限措置の必要性を訴え、猫が増えていく前に歯止めをかけることを目的とし、開始しました。

内容)

毎年1回、猫の繁殖シーズンに合わせ、チラシを全戸回覧しています。表には猫の現状と繁殖制限措置の必要性を訴え、裏には室内飼育及び避妊去勢措置の利点を伝えています。今年度は、交通事故で死んでいる猫が処分頭数より多いという現状の記載を追加し、文章を絵で表し見やすくするなど、内容を若干変更しました。

結果)

様々な原因があるかと推測されますが、毎年徐々に猫の引取り頭数、及びそれに伴う処分頭数は減少傾向です。また、全戸回覧することで、猫の飼い主以外の市民へも、猫の適正飼養について普及啓発することができています。

総括)

開始当初は、猫の飼い主やえさを与えている方に読んでほしいと考えていましたが、猫の飼い主以外の市民への普及啓発効果も見られています。しかし、このチラシについての効果の判定をすることが困難ですので、今後も内容の精査を行い、継続していきたいと考えています。

猫の繁殖制限チラシ(表面)
猫の繁殖制限チラシ(表面)
猫の繁殖制限チラシ(裏面)
猫の繁殖制限チラシ(裏面)
施設名(自治体名) 島根県
タイトル TNRモデル事業
取組みの主体 島根県
連携した団体等 地域住民、市町村、動物愛護団体

具体的な取り組み内容

目的)

飼い主のいない猫による環境侵害等を防止し、あわせて引取動物の大半を占める子猫の引取数の減少を図るため、事業を実施しています。

内容)

実施時期:平成24年5月~

①モデル地区の選定

飼い主のいない猫により環境侵害等が生じている地区からモデル地区を選定します。

②モデル地区での関係者説明と実態調査

地域住民から聞き取りを行い実態を確認し、事業の概要説明を行います。事業実施に向けた合意形成、当該地域でのルールづくり(給餌・トイレの始末等世話人の役割分担など)への支援を行います。

③TNRの実施

モデル地区で捕獲した飼い主のいない猫に対し、出雲保健所敷地内に設置した動物愛護棟において不妊手術を実施します。経過観察後、元の場所へ返して地域のルールにより管理してもらいます。

※TNRとは…
猫を保護(Trap)し、不妊・去勢措置(Neuter)を行い、保護した元の場所へ返す(Return)というものです。

④その他

モデル地区内での地域猫活動の主体は地域住民であり、市町村がその支援を行い、県は保護された猫の不妊去勢を行っています。

結果)

平成26年11月末現在4地区で、90匹の猫の手術を実施しています。

飼い主のいない猫に対する不妊手術の様子飼い主のいない猫に対する不妊手術の様子
不妊手術後、元の場所へ返した猫の様子不妊手術後、元の場所へ返した猫の様子
施設名(自治体名) 長野県
タイトル 地域猫活動支援事業
取組みの主体 長野県動物愛護会

具体的な取り組み内容

目的)

地域で共存する「地域猫」の活動を普及し定着させることにより、苦情及び保健所の引取り数の減少を図ります。

内容)

長野県動物愛護会が行っている地域猫活動に対し、動物愛護センターが「地域猫活動支援事業」として、動物愛護センターでの避妊去勢手術と運搬に係る経費等を補助し、支援しています。

○長野県動物愛護会の作業内容

猫の捕獲→県動物愛護センターへ搬入→(避妊去勢手術)→搬出→猫の地域返還→飼養管理・個体管理等

実績)

○猫の不妊去勢手術数

614頭(平成14年度からの延数)

○地域猫管理指定地域数

平成14年度 6地域

平成25年度 164地域(終了地域延数14)

○地域猫活動に参加する動物愛護会員(ボランティア)数の増加

平成14年度 30名

平成25年度 400名

総括)

活動に参加する動物愛護会員のボランティアと管理指定地域が増え、活動が浸透してきています。また、地域猫活動が終了した管理指定地域があり、成果を上げています。今後も地域猫活動の定着と普及を図るため、支援をしていきます。

取組み内容の紹介等関連HP

長野県ホームページ 事業成績「地域ねこ活動の定着と普及を目指して」(PDF形式:142KB)

地域猫への給餌等活動状況地域猫への給餌等活動状況
県動物愛護センターでの手術状況県動物愛護センターでの手術状況
施設名(自治体名) 東京都
タイトル ①「福祉保健医療保健政策区市町村包括補助事業」
②「飼い主のいない猫との共生支援事業」
取組みの主体 東京都
連携した団体等 ①区市町村(飼い主のいない猫対策事業の実施)
②区市町村(地域に密着した協力)、住民組織(餌場、トイレの管理等)、ボランティア(飼い主のいない猫対策への助言)

具体的な取り組み内容

①「福祉保健医療保健政策区市町村包括補助事業」
内容)

実施時期:平成19年度~

地域の実情等を踏まえたきめ細やかな医療保健サービスを展開するため、身近な地域保健の実施主体である区市町村が主体的に実施する飼い主のいない猫対策事業に対して事業費の半額を補助する事業を行っています(補助上限あり)。

②「飼い主のいない猫との共生支援事業」
内容)

実施時期:平成17年5月~

飼い主のいない猫問題の解決に主体的に取り組む区市町村に対し、東京都動物愛護相談センターが普及啓発資材の提供をはじめとする専門的技術的支援を行うことにより、子猫の引取りや飼い主のいない猫に関する苦情を減少させることを図っています。なお、管下区市町村の中には、独自に不妊去勢手術助成事業を実施している区市町村もあります。

○専門的技術的支援とは

・猫に係る専門的知識を要する問題への助言及び資料提供

・飼い主のいない猫対策に係る講習会等への講師派遣

・飼い主のいない猫の不妊・去勢手術の実施

総括)

これらの取組により、東京都における子猫の引取数は大きく減少しています。今後も飼い主のいない猫対策の普及啓発や、取組の一層の推進を図り、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指していきます。

普及啓発チラシ(表面)
普及啓発チラシ
ご存知ですか??「飼い主のいない猫対策」(表面)
普及啓発チラシ(裏面)
普及啓発チラシ
ご存知ですか??「飼い主のいない猫対策」(裏面)
施設名(自治体名) 福岡県大牟田市
タイトル 大牟田市野良猫不妊・去勢手術費助成事業
取組みの主体 福岡県大牟田市
連携した団体等 動物愛護推進協議会大牟田支部、福岡県獣医師会大牟田分会

具体的な取り組み内容

猫の引取り数を減少させるため、大牟田市が主体となって、平成27年度から次の取組を行っています。

経緯)

猫の糞尿、臭い、鳴き声を原因とする市民からの苦情を防止し、望まれない繁殖で生まれた猫の殺処分頭数を減らすために助成事業を行います。

内容)

・対象

選定したモデル地区に住んでいる猫

・不妊去勢手術に対する助成金

雄・・・8千円を限度する。

雌・・・1万5千円を限度とする。

・役割

ボランティア団体が地域猫の捕獲、関係書類の提出、事後調査協力などを行い、協力動物病院による不妊去勢手術の実施や動物愛護推進員による地域猫対策の普及啓発のほか、自治会は地元の調整、活動への協力、回覧板等での普及啓発等を行います。

イメージイメージ
広報おおむた広報おおむた
施設名(自治体名) 広島市
タイトル 地域猫活動の推進(広島市動物管理センターでの無料手術)
取組みの主体 広島市動物管理センター
連携した団体等 協力愛護団体(NPO法人犬猫みなしご救援隊)、町内会・自治会

具体的な取り組み内容

平成26年12月より、町内会・自治会からの要請があった場合に、動物管理センターにおいて、職員である獣医師が無料で不妊去勢手術・ワクチン接種・ノミ駆除・駆虫を行っています。

経緯)

これまで予算的・技術的な課題と効果の面で、地域猫活動には踏み出せずにいましたが、平成26年1月に市内で実施されたNPO法人主催の一斉TNRを視察し、比較的簡便な設備と手法で手術が実施可能なことがわかり、また、効果も実感できたため、取り組むことになりました。全国的にTNRを実施されている開業獣医師から臨床経験がほとんどないセンターの獣医師が直接指導を受け、1年がかりで手術手技を習得しました。

役割)

動物管理センターが活動方法の説明、現地調査、不妊去勢手術の無料実施を、協力愛護団体が住民説明(エサやりの説得)や現地調査への同行、捕獲箱の貸出や野良猫の捕獲・搬送協力を行い、活動の主体でもある町内会・自治会は説明会の開催、活動実施の決定、回覧板等での周知、現地調査、捕獲・搬送、活動の経過報告を行います。

方法)

申請された町内会のエリアにいる全ての野良猫のTNRを目標に行います。捕獲漏れ・新参猫も捕獲され次第、その都度手術していき、市内で野良猫が増えないエリアを増やしていきます。

結果)

平成26年12月から平成27年12月現在まで、81町内会・自治会から申請があり、324頭に手術を行い、これまで苦情やトラブルの報告はありません。申請地区は今後も増える見込みです。現在、野良猫の苦情や相談がセンターに寄せられた際に、苦情者に対して、被害軽減が期待できる方法として提案しています。

課題)

トイレ設置や地域猫の管理を徹底するための住民の協力が、今後の課題です。

総括)

本市の厳しい財政状況もあり、野良猫の不妊去勢手術の助成が、地域猫活動を進める上で高いハードルになっていました。しかし、センターの職員が手術を実施することにより、助成制度に比べて大幅に少ない予算で、頭数を制限することなく手術を行うことが可能です。未手術の猫が一匹もいないエリアを広げ、いずれ、センターに持ち込まれる野良猫がいなくなる日が来ることを願っています。

手術待ちの猫手術待ちの猫
センター職員獣医師の手術センター職員獣医師の手術