環境省では、平成26年6月に発表した「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」アクションプランに基づき、飼い主による犬猫の適正な管理の推進や殺処分の削減等を図るための対策に係る取組などを推進するため、平成26年~平成29年にかけて、自治体と連携したモデル事業を実施しました。
平成30年2月には「モデル事業報告会」を開催したほか、平成30年度以降は、モデル事業の成果を踏まえ、ガイドラインの作成や普及啓発を進める予定です。
■実施自治体
北海道(2事業)、茨城県、千葉県、東京都(台東区)、神奈川県、岐阜県、静岡県(2事業)、愛知県、山口県、徳島県(2事業)、香川県、鹿児島県、千葉市、川崎市、福岡市(2事業)、八王子市、長野市(2事業)、岡崎市、鹿児島市/合計19自治体、24事業
No. | 自治体 | 事業テーマ | 実施時期 | 概要 |
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1 | 北海道 | 所有者不明の猫対策 | H26~H29 | 天売島(羽幌町)に生息する所有者不明等の猫による生態系(海鳥幼鳥の捕食等)や生活環境被害への対策として、関係機関や団体などが連携して、島内で捕獲、不妊去勢した所有者不明の猫(天売猫)を、広く道内への譲渡を進めるための体制構築を図る。 |
2 | 岐阜県 | 所有者不明の猫対策 (地域猫活動の推進) |
H27~H28 | 新たな地域猫活動の立ち上げや既存の地域猫活動を継続的に実施するために必要な事項について検討を行う。 |
3 | 静岡県 | 所有者不明の猫対策 (TNR活動) |
H28~H28 | 市町、ボランティア、自治会等の様々な機関との協働により、不妊去勢手術への助成金や、ボランティアの自己資金等の限られた予算の中で、最大限に効果を出すための効率的なTNRの実施方法を検討する。 |
4 | 山口県 | 所有者不明の犬対策 | H28~H29 | 行政、関係団体、民間ボランティア、地域住民等が連携し、特定の地域における所有者不明の犬対策として、適正飼養に関する市民向け講演会や普及啓発資料の作成配付等を行うともに、行政機関に引き取られた犬については民間ボランティア等と連携して譲渡拡大を図り、県内における犬の殺処分数の削減を目指す。 |
5 | 鹿児島県 | 所有者不明の犬猫対策 | H28~H29 | 鹿児島県が有する離島地域のうち、特に所有者不明犬猫等の収容数が多い地域を対象に、動物愛護及び適正飼養に係る普及啓発の一環として、当該地域における動物愛護、適正飼養に係る意識調査を行い、結果から得られた問題の対策を検討するとともに、啓発資料の作成配布、有識者を招いた動物愛護思想普及啓発イベント等を開催する。 |
6 | 福岡市 | 地域猫対策の推進 | H26~H27 | 過去5年余りで50か所以上の地域猫活動を支援してきたが、地域猫活動を長く継続的な活動として地域に根付かせることが課題であり、これまでの支援策及び活動実態の検証並びに活動を効果的に行う手法を検討する。 |
7 | 長野市 | 所有者不明の犬猫対策と教育活動の推進 | H28~H29 | 所有者不明猫の給餌者及び避妊去勢手術未実施の屋外飼育者に対し、猫への手術実施及びふん尿管理等に関する普及啓発を行うとともに、適切に管理された地域猫活動が市民に許容されるよう、市民感情を育むためのイベントを実施する。 |
8 | 神奈川県 | マイクロチップ等所有明示の推進 | H26~H29 | 一般飼い主や動物病院、ペットショップ等に対してマイクロチップの有効性を効果的に周知する仕組みの構築を図る。具体的には、平成26年度から実施してきたモデル事業結果を踏まえ、県獣医師会やペットショップとの連携体制の構築、普及啓発イベントを実施する。 |
9 | 徳島県 | マイクロチップ等所有明示の推進 | H26~H28 | マイクロチップを装着する動機付けとして、マイクロチップを装着・登録すると飼い主に、協力いただけるペットショップやペットホテル、しつけ教室等でサービスを受けることができる特典付き啓発冊子を配布する。また、普及啓発のためモデル的に、協力いただける動物病院へのマイクロチップの配布を行う。 |
10 | 香川県 | マイクロチップ等所有明示の推進 | H26~H27 | マイクロチップの普及を図るため、装着状況等に関する実態調査(住民等へのアンケート)を実施する。調査結果を踏まえ、マイクロチップの利点を伝える講演会、地域密着型の広報、各主体(保健所・ペットショップ・動物病院)が説明しやすいリーフレットの作成を行う。また、これらの啓発効果を検証するため、再度、アンケート調査を実施する。 |
11 | 岡崎市 | (猫の)マイクロチップ等所有明示の推進 | H26~H27 | 動物病院において、飼い猫の避妊去勢手術を行った場合に、無料でマイクロチップを装着する「猫のマイクロチップ装着推進事業」を定着普及させるため、避妊去勢の手術前から飼い主に周知ができるよう、マイクロチップの有効性を説明する資料を作成し、協力いただけるペッショップや動物病院等で配布する等、効果的な周知方法の開発を行う。 |
12 | 鹿児島市 | マイクロチップ等所有明示の推進 | H28~H29 | マイクロチップに対する認知度の向上及びマイクロチップ装着の普及促進に資することを目的として、県獣医師会等との連携協力のもと、動物病院における犬猫の受診時にマイクロチップ装着等の実態調査を実施するとともに、飼い主に対し、マイクロチップの有効性等の説明を行い、所有明示の必要性の周知・啓発、終生飼養の意識向上を図るほか、装着を希望する飼い主の犬猫にマイクロチップの装着を行う。 |
13 | 北海道 | 広域譲渡の推進 | H28~H29 | 行政区域や民間との垣根を超えた広域的な譲渡及び動物愛護の普及啓発を推進する体制を構築する。具体的には、北海道庁・札幌市・動物愛護団体の協働で譲渡会を開催し、北海道各地の保健所で引き取られた犬猫を参加させることにより、譲渡の促進を行う。 |
14 | 茨城県 | 広域譲渡の推進 | H27~H29 | 自治体の管轄区域を超えた広域譲渡の推進を図る。平成27・28年度は茨城県から他自治体に子犬を搬送するとともに、他自治体での講習会受講をもって茨城県の譲渡会への参加を検討すること等により、広域譲渡の課題を確認した。また、平成29年度は他自治体のボランティア団体等と連携した広域譲渡の体制整備を行うこと等により、広域譲渡を継続的に実施する上での課題を整理する。 |
15 | 静岡県 | 広域譲渡の推進 | H26~H27 | 県外で引き取られた仔犬を県内の希望者に譲渡するための体制の構築を図る。具体的には、実際に広域譲渡を実施(まず、茨城県から受入れを試行)することにより課題を整理するとともに、具体的な広域譲渡の方法の検討を行う。 |
16 | 徳島県 | 広域譲渡の推進 | H27~H29 | これまでのモデル事業を継続・拡充し、受入れ要望のある自治体に徳島県から子犬等を譲渡することにより、殺処分の減少を図る。具体的には、ボランティア団体や企業等と連携し、譲渡動物の情報提供やネットワークの構築を行う。 |
17 | 東京都 (台東区) |
保護犬の譲渡の推進 | H27~H29 | 東京都動物愛護相談センター及び東京都の登録譲渡団体で保護された犬の譲渡を推進するため、台東区において、保護犬を譲り受けた飼い主に対し、登録手数料の免除などの譲渡推進策を設けることにより、新しく犬を飼う人が保護犬を第一選択肢として考えるよう支援するとともに、行政・獣医師会・動物愛護団体等関係者間の連携を深め、「命のバトンプロジェクト」として譲渡推進に向けた取り組みと周知を進める。 |
18 | 愛知県 | 保護された幼齢犬猫対策(ミルクボランティア) | H28~H29 | 殺処分数の多くを占める離乳前の犬猫について、一定期間哺乳等の世話を行うボランティアを育成して預託するシステム構築を検討する。 |
19 | 福岡市 | 保護された幼齢猫対策(ミルクボランティア) | H28~H29 | 動物愛護管理センターに収容される離乳前の子猫を,2ヶ月齢程度まで市民ボランティアが哺育し,その後譲渡する「ミルクボランティア」制度を構築した後,適切に推進するための課題整理を行う。 |
20 | 千葉市 | 普及啓発(適正飼養)の推進 | H28~H29 | 動物の愛護及び適正な飼養に関し、市民が関心を持って理解を深め、かつ啓発を行いたい対象者に合わせた普及啓発資料を作成するとともに、効果的な配布方法を検討する。 |
21 | 川崎市 | 普及啓発(適正飼養)の推進 | H28~H29 | 動物の適正飼養に関して広く市民の関心を引くテーマを選定した上で、市民公開講座を市内数か所で実施する。また、普及啓発をするにあたり必要なポイントについて、上記の公開講座の受講者に対して実施するアンケート結果等から課題を抽出し、効果的な啓発方法について検討し実施した。実施結果からさらなる課題を整理し、今後の取り組みについて検討した。 |
22 | 長野市 | 適正飼養(普及啓発)の推進 | H27~H27 | ペットショップでの販売時の対面説明で、適正飼養の説明を効果的に実施する体制を構築する。具体的には、対面説明の際に使用する、具体的な飼い方の資料や、飼い主自らが飼い方を確認するためのチェックシートを作成し、実際にペットショップにおいて、その効果を検証する。また、飼い方の無料相談窓口の開設や狂犬病予防法の登録台帳を活用した犬の飼い主へのアンケート調査等を実施し、適正飼養の普及を推進するための効果的な方法を検討し実行する。 |
23 | 千葉県 | 教育活動の推進 | H27~H27 | 小学校において開催している動物愛護管理教室等の拡大を図る。具体的には、県教育部局と連携を図り、小学生に伝えるべき内容の資料を新たに作成し、小学校への働きかけを強化する。 |
24 | 八王子市 | 教育活動の推進 | H27~H29 | 教育関係部局と連携し、小学校低学年を対象とした「命」をテーマにした教育プログラムを広めるための体制を構築する。具体的には、教育プログラムを実施するとともに、プログラムの内容や効果を示す資料等を作成し、配布することにより、小学校への働きかけを強化する。 |
モデル事業報告会
平成30年2月19日(月)開催
平成26年度~平成29年度 人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト モデル事業 事例集
「平成28年度モデル事業結果概要」(PDF形式:302KB)
「平成27年度モデル事業結果概要」(PDF形式:239KB)
「平成26年度モデル事業結果概要」(PDF形式:160KB)
「平成26年度犬及び猫のマイクロチップ等所有明示の推進に関するモデル事業の実施等業務報告書」(PDF形式:2.54MB)