事例紹介

飼い主・国民の意識の向上

施設名(自治体名) うだ・アニマルパーク(奈良県)
タイトル 「いのちの教育」の推進
取組みの主体 奈良県(うだ・アニマルパーク振興室)
連携した団体等 公益社団法人Knots、宇陀市、奈良市等

具体的な取り組み内容

伴侶動物・産業動物・野生動物の各カテゴリーごとに、これらと人との関わりを学ぶとともに、あらゆる命に共感し、命を大切にする心を育む「いのちの教育」を推進しています。

経緯)

動物愛護センターの建設を契機とし、総合的な「いのちの教育」を推進する場となる「うだ・アニマルパーク」を平成20年度に開設しました。獣医師のほか、専属の教員も配置し、順次、教育プログラム等を拡充してきました。

内容)

主に県内の小学生を対象とした教育プログラムを実施しています。プログラムでは、私たち人間と動物との関わりに気づき、動物も私たちと同じように生きていて、感情や要求(ニーズ)があることを認識し、動物がよりよく生きるために私たちがどのような責任を負い、果たすべきなのかを考えます。全3回で行い、「気づき」・「共感」・「責任」をキーワードに、張り子の動物や環境ボード、パネル等を使って子どもたちに考えさせ、答えを導き出していきます。

このほかにも、動物行政関係者、教育関係者等を対象とした研修会・講演会を定期的に開催しており、また、アニマルパークに来場された団体・個人についても、様々な学習プログラムや動物と触れ合えるイベントを用意しています。

結果)

これまでに5,000人を超える子どもたちが教育プログラムを受けており、年々、参加校も増えています。
また、研修会・講演会、その他学習プログラム等にも、県内外から多数、御参加いただいています。

考察)

次世代を見すえた長期の取組であり、その成果が動物をめぐる諸問題の改善等に直ちに反映されるものではありませんが、参加校や体験者の高い評価を受けており、人と動物の共生する社会づくりに寄与しているものと考えています。

総括)

様々なきっかけや仕組みを提供し、多くの方々に命の尊さについて考え、実感いただけるよう工夫しています。

引き続き、この取組を推進・強化していきます。

取組み内容の紹介等関連HP

奈良県 「いのちの教育プログラム」(外部サイトへリンクします)

教室風景の画像教室風景
プログラムテキストの画像プログラムテキスト
施設名(自治体名) 滋賀県
タイトル 動物保護管理センターにおけるチャリティ・ジャズ・コンサートの開催
取組みの主体 「Jazz for DOG&CAT Charity Consert」 実行委員会
連携した団体等 (一財)滋賀県動物保護管理協会

具体的な取り組み内容

犬猫の保護活動をされている県内のプロジャズ演奏家の呼びかけで、有志による標記コンサートを当センター共催で開催しました。

目的)

犬猫の返還・譲渡率を高めるために当センターを広く知ってもらうことであり、あわせてセンターの業務を理解してもらい、現実をより多くの方々に知ってもらうために、来場者を対象として、動物収容棟の見学もしてもらいました。

内容)

コンサートは、関西の名だたるジャズ演奏家のボランティア参加により企画され、ポスター・チラシを自作して頂いたり、音響機材も格安で提供されたりと、多くの方のご好意により実現の運びとなりました。

結果)

コンサート開催の件、企画立案段階でネットや口コミで多くの方に広まっていたことから、当日は悪天にもかかわらず、200人以上の方のご参加があり、皆様ジャズの演奏に酔いしれながらセンターの犬猫の幸福を願って下さいました。

考察)

当所が目指している動物との暮らし三方よし(飼い主よし、動物よし、ご近所よし)の実現。まだまだ道のりは遠く、地域の皆様のご支援、ご協力なくしては成し遂げることができませんが、このような事業の積み重ねを、実現に向けての原動力にできればと考えております。

評価)

ご参加頂いた方々の反応は良好であり、「センターの業務内容が理解できた」「処分される動物達のことを考えたい」「センターのことを身近な人に伝えたい」等のありがたいご意見、ご感想を頂き、また、主催者には「一年だけの開催に終わらせず、毎年定期的に開催して、不幸な犬や猫達を一頭でも減らしたい」と、事業継続の意向を示して頂いております。

総括)

センターとしても、こういう事業は、初めての試みであり、広報の仕方、センター駐車場のキャパシティ、できる限り暗いイメージを払しょくすることができるための動物収容棟の改修など課題も多い中、不幸な犬猫を一頭でも減らすための施策の一つとして、今後も継続して開催できるようにしたいと考えております。

取組み内容の紹介等関連HP

滋賀県「Jazz for Dog&Cat Charity Concert 2014を開催しました」(外部サイトへリンクします)

ジャズ・トランぺッター浜田博行氏滋賀県のジャズ・トランぺッター浜田博行氏の呼びかけで開催
PR活動多くの参加者がジャズの演奏に酔いしれるとともに
「不幸な犬猫が一頭でも少なくなるよう」センター業務をPR
施設名(自治体名) 滋賀県
タイトル 地元テレビ局への出演
取組みの主体 動物保護管理センター
連携した団体等 びわこ放送株式会社

具体的な取り組み内容

平成26年7月より月2回、びわこ放送の制作する番組で「滋賀県動物保護管理センターの譲渡動物情報」のコーナーを放送しています。センター職員、ボランティア等が出演し、譲渡候補の犬猫について性格やアピールポイントを説明します。

背景)

当センターでは、センター知名度の向上、犬や猫の返還・譲渡率の向上等のため、平成26年7月より、びわ湖放送株式会社の御協力により、「一互(いちご)一得(いちえ)」という番組内で、当センターの紹介コーナーを設けていただきました。

以後月2回の頻度で、「滋賀県動物保護管理センターの譲渡動物情報」のコーナーを放送していただいております。

内容)

番組には、当センターの職員、一般財団法人滋賀県動物保護管理協会の職員、滋賀県動物愛護推進員、センターボランティア等が出演し、センター施設の紹介、業務について理解を深めて頂くための説明をするとともに、譲渡候補の犬や猫の性格やアピールポイント等について説明します。

また、びわこ放送では、飼い主が犬や猫との暮らしを最期まで快適に過ごすことができ、また当センターに収容される犬や猫が1頭でも減らすことができるよう、センターの業務内容や、犬や猫を飼う際の心構え、注意事項、迷子になったときの連絡先等を記載したパンフレットの作成や、センターを広く知ってもらうための歌の制作等にも着手頂いております。

課題)

センター事業を進めていくうえでの課題の一つが「この施設があまり知られていないこと」であり、地元のテレビ局のこういった御協力により、少しでも知名度が向上し、迷子になってやむを得ず収容せざるを得なくなった犬や猫の元の飼い主への返還や、新しく飼い主になっていただく方への譲渡が促進できればと考えております。

総括)

動物愛護管理法の目的である人と動物の共生する社会を実現するためには、我々行政の努力のみならず、地域力の向上、関係団体の御支援、御協力が必要ですが、今後はこういった広域に影響力を持つマスメディアとの協働についても積極的に進めていく必要があるのではないでしょうか。

取組み内容の紹介等関連HP

びわ湖放送株式会社「一互一得」(外部サイトへリンクします)

「一互一得」スタジオ風景びわこ放送「一互一得」スタジオ風景
譲渡候補犬ハリー譲渡候補犬を2匹ずつ紹介しています
施設名(自治体名) 徳島県動物愛護管理センター(徳島県)
タイトル 学校における望ましい動物飼育の推進について
取組みの主体 徳島県
連携した団体等 (公社)徳島県獣医師会、県教育委員会

具体的な取り組み内容

多くの幼稚園・小学校では、動物を飼育する学校は年々減ってきていますが、学校への支援と適正な飼育、感染症に関する対策を充実させるため、徳島県では、平成16年度から、県、県教育委員会、県獣医師会の三者で、学校飼育動物ネットワーク事業を立ち上げ、年10校程度を指定校に指定し、獣医師訪問による、動物愛護や学校飼育動物の適正な飼養管理、動物とのふれあいなどに関する正しい知識の付与に係わる支援を行っています。学校飼育動物の飼育方法および健康管理に関する飼育相談事業、飼育動物の診断および治療に関する診断治療事業を主な事業内容としています。

また、動物愛護管理センターにおいては、ふれあい移動教室として、幼稚園、小学校および地域自治会等へ、当センターの犬猫ウサギとともに訪問し、ふれあいを通じた啓発事業を実施しています。平成25年度では、19施設の幼稚園・小学校へ訪問しました。また、当センターにて、子供を対象とした施設見学や遠足などの受け入れ、小中学校の新任教育者の研修なども実施しています。

子供を対象とした施設見学獣医師訪問により、動物愛護の普及啓発や
学校飼育動物の適正な飼養管理などを支援
獣医師訪問センターでは、子供を対象とした施設見学や
遠足などの受け入れなどを実施
施設名(自治体名) 徳島県動物愛護管理センター(徳島県)
タイトル 子供を対象とした啓発活動について
取組みの主体 徳島県
連携した団体等 (公社)徳島県獣医師会

具体的な取り組み内容

徳島県動物愛護管理センターでは、夏休みを利用して、子供を対象とした「夏休み一日体験学習」、「親子参加型教室“聴こう、命の声。感じよう、命の重さ。”」を実施しています。

内容)

① 夏休み一日体験学習:徳島県動物愛護管理センター開所時の平成15年度から、動物への理解を深め優しい心を育てることを目的とした体験学習を実施しています。施設見学、動物の健康チェック、シャンプー体験、犬の散歩体験、動物ふれあい、エサやり体験など、日頃、当センターのスタッフが行っている業務を実際に子供たちに体験してもらい、正しい飼い方や接し方を学んでもらっています。

② 親子参加型教室:平成24年度から、小学校高学年、中学生とその保護者を対象とした親子参加型教室を実施しています。崖っぷち犬“りんりん”や当センターに収容される犬や猫を題材にし、動物の命の尊さを実感し、殺処分数を減らすためにどうすればよいかを親子で考えてもらう機会としています。徳島県の犬や猫における現状や動物の命について親子で考え、意見を出し合うグループワークの他、収容棟案内、動物とのふれあいを主な内容としており、毎年10組程度の親子が参加してくれています。

夏休み一日体験学習センターのスタッフが行っている業務を実際に子供たちが体験
親子参加型教室徳島県の犬猫における現状や動物の命について親子で考える
施設名(自治体名) 福岡市
タイトル ずっと一緒に暮らすための「犬猫よろず相談」を実施
取組みの主体 福岡市及び連携団体
連携した団体等 団体:ビッグママプロジェクト、ライフリレーネットワーク、TNR-博多ねこ 
個人:ドッグトレーナー、行政書士

具体的な取り組み内容

犬猫を飼っていくうえでの飼い主の悩みや困りごとの相談を受け、適正飼養と終生飼育を普及することを目的に、平成25年10月から開催しています。企画や運営もそれぞれの主体が連携して行っています。

背景)

福岡市では行政と動物関係団体による勉強会を定期的に開催し、殺処分を減らすために自分たちに何ができるのかを議論しています。その中で、譲渡を進めるだけでなく、センターに犬猫を持ち込む飼い主を減らすために、もっと積極的に取り組むことはできないのかという発想が生まれました。

内容)

対応する相談内容は、法律、ペット信託(行政書士)、犬の飼い方(ドッグトレーナー)、猫の飼い方(TNR-博多ねこ、ライフリレーネットワーク)、お手入れ(トリミング)(ビッグママプロジェクト)、犬猫の健康(福岡市)などで、ペット信託を専門にしている行政書士、プロのトリマー、プロのドッグトレーナーに無料で相談することが出来ます。

開催日:毎月第3日曜日 午後1時~午後5時

場所 :福岡市家庭動物啓発センター (ふくおかどうぶつ相談室)
福岡市西区内浜1-4-22

事前申し込みは不要で、当日先着順に対応しています。また、犬猫を連れて来て相談することが出来ます。犬はリードをつけ、猫はキャリーケースに入れて連れてきていただいています。

評価)

相談に来られる人は、まだ少ないのですが、その分一人一人のお悩みにじっくりと耳を傾け、きめ細かな対応を行っています。これからは広報に力を入れ、来場者を増やしていきたいと考えています。

総括)

この事業を継続することで、飼育をあきらめかけていた飼い主が解決策を見つけ、市民の見本となる飼い主となり、最終的にはセンターに収容される犬猫頭数の減少につながればと考えています。

取組み内容の紹介等関連HP

福岡市家庭動物啓発センター「わんにゃんよかネット/犬猫よろず相談」(外部サイトへリンクします)

芝生広場で犬のしつけ相談相談風景(芝生広場で犬のしつけ相談)
猫の飼い方相談相談風景(猫の飼い方相談)
施設名(自治体名) 福岡市
タイトル 普及啓発を目的とした「わんにゃんよかイベント」を開催
取組みの主体 福岡市及び連携団体
連携した団体等 Child of Earth(福岡ECO動物海洋専門学校の学生サークル)、NPO法人犬文化創造ネットワーク(イヌ・タオ・ネット)、ハッピースマイル、AI Heart、ライフリレーネットワーク、ビッグママプロジェクト

具体的な取り組み内容

広く市民の方々に動物愛護や適正飼育について知っていただくため、平成22年から上記団体により開催している体験型イベントです。

内容)

開催日時:毎月第1日曜日 午前10時から午後2時

開催場所:
奇数月:東部動物愛護管理センター(あにまるぽーと)
偶数月:家庭動物啓発センター(ふくおかどうぶつ相談室)

犬や猫を飼っている人、飼いたいと思っている人も、そうでない人も、大人も子どもも楽しめる内容です。

・犬のお悩み相談、お手入れ体験、メタボチェック
適正飼育や終生飼育につながるアドバイスを飼い主さんへマンツーマンでお伝えしています。

・犬猫のセミナー、クイズラリー
動物と共に暮らすためのヒントを伝えるために行っています。毎回新しいテーマを考えて行くのは大変ですが、学生スタッフがアイディアを出して実施しています。

・動物の紙しばい
いのちの大切さや終生飼育について語りかけも行っています。

・犬猫の譲渡相談会
愛護団体が保護している犬猫の命を新しい飼い主につなげていくきっかけづくりもしています。

また、受付でもちょっとした工夫をしています。愛犬を連れて来場された方の鑑札、注射済票の装着をチェックしており、きちんと装着している方には粗品をプレゼントし、装着普及に取り組んでいます。

開催前には、開催地周辺でイベント開催チラシや適正飼養啓発のポケットティッシュを配布し、イベントの広報にも取り組み、犬や猫にあまり関心の無い方にも足を運んでいただけるよう工夫しながら開催しています。

総括)

平成25年度は計864名の来場者がありました。犬や猫に関心のある方には、少しずつ定着してきており、動物愛護管理センターのイメージアップにもつながっていることを実感しています。

取組み内容の紹介等関連HP

福岡市家庭動物啓発センター「わんにゃんよかネット/わんにゃんよかイベント」(外部サイトへリンクします)

わんにゃんよかイベントわんにゃんよかイベント入口風景
犬とのふれあい芝生広場での犬とのふれあい
施設名(自治体名) 愛媛県
タイトル 企業との提携による動物愛護の普及啓発
取組みの主体 愛媛県動物愛護センター
連携した団体等 株式会社 愛媛銀行

具体的な取り組み内容

愛媛県では、愛媛県動物愛護管理推進計画のもと、「人と動物が共生する地域社会の確立」を目指し、様々な団体等と協働して動物愛護普及啓発事業を実施しています。

背景)

そのような中、動物愛護活動を行うNPOを支援するなど、人と動物の命の大切さを啓発してきた株式会社愛媛銀行から動物愛護支援の提案があり、県としても普及啓発の場を拡大できる非常に有難い提案であったため、平成23年10月に「動物愛護推進連携協定」を締結しました。

内容)

本協定のもと、動物愛護の経験のある県OB獣医師を採用し、同銀行において動物愛護啓発用パンフレットを設置したり、パネル展、移動犬猫譲渡会を実施しているほか、同銀行ホームページに、愛媛県動物愛護センターのバナー広告を掲載したり、行員の方に動物愛護啓発メッセンジャーになっていただく等、企業の強みを生かした広角的な動物愛護普及活動を展開しています。また、今年は同銀行の施設において動物愛護フェスティバルを開催させていただき、例年以上に多くの方々の来場があったところです。

評価)

銀行は県内各所にあり、県民の一般生活に密着した施設という事で、より効果的に県民の方々への動物愛護普及啓発を行うことができていると考えています。特に移動犬猫譲渡会は、通常、譲渡会を実施している愛媛県動物愛護センターから遠方に住まわれている方にも大変好評を得ており、より多くの方に譲渡の機会を提供することができ、殺処分数の減少に繋がると考えています。

総括)

人と動物が共生する豊かな社会づくりには、地道な動物愛護精神の普及啓発活動が必要ですが、自治体のみの力では限界があります。様々な企業との連携により、それら企業のそれぞれの強みを生かしたより効果的な普及啓発活動を行うことができると考えています。現在、「愛媛県動物愛護推進連携協定」を締結している企業は一社のみですが、今後ほかの企業との連携も進めていきたいと考えています。

取組み内容の紹介等関連HP

愛媛県動物愛護センターHP(外部サイトへリンクします)

株式会社愛媛銀行支店株式会社愛媛銀行支店における移動犬猫譲渡会の様子
しろくんとくろくん愛媛県動物愛護センターから株式会社愛媛銀行に
引き取られた「しろくん」「くろくん」
施設名(自治体名) 新潟県動物愛護センター(新潟県)
タイトル 猫の多頭飼育対策及び譲渡推進についての普及啓発
取組みの主体 新潟県
連携した団体等 市町村、スーパー、動物病院

具体的な取り組み内容

目的・方法)

・ 猫の引取り頭数がなかなか減少しない原因は、不妊去勢手術をせずに無責任な餌やりを続けた結果による多頭飼育と考え、啓発チラシ「今どきの猫の飼い方」を作成。飼い猫は完全室内飼育が「今どきの」飼い方であり、屋外で世話をしている猫も含め全て不妊去勢を行い、飼い主を明示することを記載したもので、全市町村の協力を得て、回覧板等で県内全域に周知しています。

・ 猫の譲渡頭数を増やすため、ホームページを活用するほか、譲渡事業の周知のため宣伝ポスターを作成し、多くの方の目にとまるよう公共施設だけでなく、県内の食品スーパーや動物病院など300か所以上で掲示頂いています。

・ 猫の飼育に行き詰まった末に引取りとならないよう、「猫の飼い方教室・お悩み相談」を定期的に実施。(月1回程度)

結果・課題)

・ 啓発チラシによって猫への関心も高まり、飼育相談窓口としての知名度も上がり、相談が増えました。飼育者本人からだけでなく、町内会役員、民生委員や親族からの相談もあります。すでに20頭を超えるような多頭飼育になってからの相談もありますが早期での相談も多くなっています。高齢でかつ経済的に余裕のない方が多頭飼育をされていることが多く、近隣住民からの苦情がかなり深刻化しているにも関わらず、長年対策が取られないまま放置され、引取り費用の工面にも困窮しているケースが見受けられます。これまで猫問題を抱えたままになっていた事例に行政との接点が生まれたことも効果の一つと考えています。

・ 新潟県動物愛護センターは土日祝日も開館し「いつでも飼い主募集中。毎日が譲渡会。」というスタンスで譲渡事業を行っています。店舗・動物病院でのポスター掲示やイベント会場でのパネル展示による広報効果もあり、県内全域から譲渡希望者が来ています。譲渡前講習会は実施していませんが、1頭毎に説明を丁寧に行い、年間500頭以上の猫を譲渡しています。

・ 「猫の飼い方教室・お悩み相談」は譲渡後のアフターフォローとしての効果も高く、参加者アンケートでの満足度も高いものになっています。

啓発チラシ猫についての啓発チラシ
譲渡・飼い方教室ポスター画像譲渡・飼い方教室ポスター
施設名(自治体名) 京都市
タイトル きょうとアニラブクラス
取組みの主体 京都市
連携した団体等 京都市動物愛護推進員(認定NPO法人アンビシャス、公益社団法人京都市獣医師会)等

具体的な取り組み内容

京都市では、「人と動物が共生できる、うるおいのある豊かな社会」の実現を目指し、少年期に動物愛護精神を形成することができるよう動物愛護出前授業「きょうとアニラブクラス」を実施しています。本事業は、平成22年度から実施しており、市内の小、中学校をはじめ、幼稚園、高等学校、専門学校でも実施しています。

<平成26年度> 実施校数:17校 受講者数:1,480人

内容)

この授業の特徴は、希望する学校と綿密な打ち合わせをして、対象学年に応じた様々なバリエ¬ーション(犬とのあいさつの仕方、心音の聴取、聴導犬の紹介、捨てられるペットの現状紹介等)の中からカリキュラムを構成し、実施することです。この授業を通じて、動物(犬)とのつきあい方やふれあい方を知り、咬傷事故を未然に防ぐとともに、「いのちの大切さ」を学び、さらには友愛の精神を育むことを目指しています。

取組み内容の紹介等関連HP

YouTube「【京都市公式】きょうとアニラブクラス ~思いやりの心を育む出張動物愛護教室~」(外部サイトへリンクします)

きょうとアニラブクラスの様子きょうとアニラブクラスの様子
犬の心音の聞き取りの様子心音の聞き取り
施設名(自治体名) うだ・アニマルパーク、中和保健所動物愛護センター(奈良県)
タイトル 猫の適正飼養の普及啓発
取組みの主体 奈良県

具体的な取り組み内容

猫の適正飼養について、室内飼養、所有者明示、繁殖制限等に重点を置き、普及啓発に努めています。

経緯)

平成20年度に、総合動物公園の「うだ・アニマルパーク」と動物愛護管理行政の拠点となる「動物愛護センター」を開設し、室内飼養等の重要性を訴える展示設備類も併せて整備しました。その後もリニューアルを行いつつ、これら施設・設備を活用し、猫の適正飼養について積極的に啓発してきました。

内容)

○モデルルーム

室内飼養のモデルルームを設けています。来場者が中に入って猫の飼養に必要な身の回り品に触れられるようにするなど、体感的な展示としています。明るい色調のリビング風の造りにしてソファーも配置し、来場者が休憩かたがた立ち寄りたくなるようなデザインにするとともに、猫の飼養に関する書籍も備えるなど、啓発効果が高まるように工夫しています。

○譲渡候補猫を活用したふれあい・展示

玄関脇の人目に付きやすい場所に、室内飼養のモデル展示も兼ねた譲渡候補猫の専用ブース「にゃん友ルーム」を設けています。来場者に中に入ってふれあっていただく時間を設け、スタッフが飼い方やしつけ方について解説するとともに、猫の社会化・馴化も図るなど、多目的に活用しています。ふれあいの人数や時間は制限し、猫にストレスをかけないよう配慮しています。

○その他

「うだ・アニマルパーク」の「いのちの教育」においても、所有者明示、繁殖制限等の必要性について学んでいただく機会を提供しています。その他、楽しく学べるクイズイベント等も催しています。

※「桜井保健所動物愛護センター」は平成27年2月16日より「中和保健所動物愛護センター」に名称が変わりました(所在地、連絡先等は変わりません)。

モデルルームモデルルーム
にゃん友ルームにゃん友ルーム
施設名(自治体名) 下関市
タイトル 「いのちの教室」の取り組みについて
取組みの主体 下関市
連携した団体等 下関市教育委員会

具体的な取り組み内容

動物を通じて命の大切さについて考えてもらうための取り組みとして、平成22年度より、市内の小中学生や大人を対象とした「いのちの教室」を実施しています。特に小学生向けの「いのちの教室」においては、教育委員会と連携し、児童に対して、命とは何かを考え、動物との共生や他者とのあり方など生きる力を育むことのできる機会を提供しています。

内容)

動物愛護管理センターの獣医師が小学校等に出向き、スライドやフリップ、副読本等を用いて授業を行っています。小学校低学年を対象とした教室では、人間と動物との関係性や、人と同じように動物にも「うれしい」「かなしい」などの気持ちがあることなどを、イラストを多く盛り込んだスライドを使って説明をするほか、ウサギなど学校で飼われている動物等の心音を聞いたり、動物の触り方について学んだりしてもらっています。なお、低学年用のシナリオの作成にあたっては、奈良県のうだ・アニマルパーク様よりご指導・ご助言をいただきました。高学年を対象とした教室では、上記のほか、犬ねこの引き取りや殺処分の現状についても触れ、動物の飼い主になることには責任が伴うことを学んでもらっています。また、児童だけでなく保護者にも命について考えていただくきっかけとなればと、平成24年度には教員と綿密な打ち合わせを行い、小学校の参観日の授業での「いのちの教室」を開催しました。さらに平成25年度には、絵本『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』の原案者である元熊本市食肉解体作業員の坂本義喜氏、平成26年度は『命の教室 動物管理センターからのメッセージ』の原案者である元秋田県動物管理センター所長の坂本尚志氏といった講師を招き、主に小学生を対象としつつも保護者など大人の方も聴講できる講演会を開催することで、広く市民の方に命の大切さについての啓発を行うことができました。

結果)

これまでに、4,000人を超える方々に受講していただいております。児童に対するアンケートの結果からも、何がしか命について考えてもらうきっかけとなっているものと考えております。

総括)

今後とも教育委員会等との連携により、年少時から動物を含めた命の大切さを訴えてまいります。

「いのちの教室」の様子「いのちの教室」の様子
ポスター(いのちを大切にする心を育む教室)
ポスター(いのちを大切にする心を育む教室)
施設名(自治体名) 京都府
タイトル 子ども達に命の大切さを教える教室、4万9千人突破
取組みの主体 京都府
連携した団体等 市町村、市町村教育委員会

具体的な取り組み内容

京都府では、子どもたちが動物にふれたり、心音を聞いたりすることにより、動物も人間と同じ命をもった生きものであることを感じ取り、動物をいたわる心を育み、他人の気持ちを気づかう心の育成につなげるため、幼稚園・保育園を訪問して「動物ふれあい教室」を、また、小学校を訪問して「動物愛護教室」を実施しています。平成元年から事業取組以来、既にのべ4万9千人の子ども達に命の大切さを啓発してきました。

経緯)

平成元年から幼稚園児等を対象に「動物ふれあい教室」を試行的に取り組み始め、翌年から本格実施。その後、平成20年度から、小学生を対象とした「動物愛護教室」の取り組みも開始し、現在に至っています。

内容)

【導入】:動物関係ゲーム(ふれあい教室)

【学習】:犬の能力や人との繋がりについて(愛護教室)/小動物との接し方学習

【心音聞き取り体験】:心音機を用い、犬の心音の確認/聴診器を使い、実際に犬等の心音の聞き取り体験

【ふれあい】(ふれあい教室):小動物とのふれあい広場

【事後教材】(愛護教室):教材配布(ペットを飼い始める心構えの家庭向け教材)

【手洗い】:終了後、施設にお願いして手洗い徹底

結果)

既に参加児童数は、のべ4万9千人、実施施設数はのべ600施設を越えました。アンケート結果も大変好評で、毎年、開催を希望する小学校が殺到し、調整に苦労している状況です。

考察)

動物飼育禁止マンションやバーチャルゲームの普及など、子どもを取り巻く環境が変わり、動物を異常に怖がる子どもや、一度も触れたことのない子どもが見受けられるようになりました。この教室を通して、実体験として心音を聞き取ったり、生きもののぬくもりを感じて、子ども達に“生きている”ことを体験してもらうことは、今後も一層、重要性が増すと考えられます。

総括)

子どものリアクションを見ながら、職員が教材の改良を続けており、動物の健康状態に配慮しながら、今後も一層いい授業を続けたいと考えています。また、ボランティアさんとの連携など、愛護教室の実施方法も発展させることとしています。

ふれあい教室の様子ふれあい教室:導入部のゲーム
心音確認の様子心音確認。この後、子ども達が聴診器で聴き取ります
施設名(自治体名) 福岡市
タイトル 動画を使用した啓発「犬の十願」「地域猫活動の紙芝居」
取組みの主体 福岡市
連携した団体等 ドッグマンス実行委員会、ボランティア

具体的な取り組み内容

犬の適正飼養について飼い犬の視点から10ケ条にまとめ、紙芝居風の動画に編集し、「犬の十願」と題してYou Tubeにアップしています。

経緯)

「犬の十願」は犬を飼い始める飼い主に対して考えてもらいたいことを犬の立場から伝えるメッセージです。広く世界で語りつがれている「犬の十戒」をベースに動物愛護管理センターの職員が日々の業務の中で感じた思いを込めてしたためました。人間と動物の成熟した共生社会実現のためのキャンペーンなどを行っている市民団体「ドッグマンス実行委員会」から、「犬の十願」を広く知ってもらうため、冊子にして配布できないかと持ちかけられ、同団体の協力で挿絵やデザインを作り、製本してセンターなどで配布しておりました。しかし、今はネットの時代。ネットを利用すればこのメッセージをもっと直接的に市民に伝えることができるのではないかという考えから、ボランティアによるナレーションを加え、福岡市が設けている動画サイト「ふくおかチャンネル」で配信することとなりました。

この動画をアップしたあとの反響が大きかったことから、第2弾として、まだまだ市民の方に知られていない地域猫活動のPRをすることとしました。『「地域猫活動」の紙芝居』も動物愛護管理センターの職員が、日頃、地域猫活動の啓発業務を行う中でストーリーを考え、絵も描いて紙芝居にしたものです。犬の十願とは一味違った、物語仕立てになっています。

内容)

YouTube「犬の十願」(外部サイトへリンクします)

YouTube「地域猫活動」の紙芝居(外部サイトへリンクします)

ナレーションは、ボランティアの方が行ってくださいました。挿絵や紙芝居の絵が入ることで、親しみやすくなったのではないかと思います。

結果)

インターネットが使用可能な環境であれば、どなたでも利用することが出来ることから、全国からの反響が寄せられました。「犬の十願」はYahoo映像トピックスにも取り上げていただき、一時は動物カテゴリの上位にランキングされました。印刷物と違い、絵に合わせて語りかけることで、ご覧いただいた人へ、より強く作者の思いを伝えることができると感じておりますので、出前授業やパネル展を行う際にも活用しています。

考察)

動画を使った広報は、行政の広報手段としても目新しく、多くの人の目に触れることができたと思います。インターネット上の動物の動画については、かわいいものや面白いものが多い中で、真摯なメッセージを伝えるこの動画に注目が集まったものと思います。

総括)

適正飼養啓発や地域猫活動の紹介動画をネットで配信することにより、大きな反響がありました。今後も、多様なメディアを使った情報発信を行っていきたいと考えています。

犬の十願の画像犬の十願
地域猫活動の紙芝居の画像地域猫活動の紙芝居
施設名(自治体名) 茨城県動物指導センター(茨城県)
タイトル 動物ふれあい教室
取組みの主体 茨城県
連携した団体等 茨城県獣医師会

具体的な取り組み内容

動物との触れ合いを通して命の大切さや尊さを感じる心を育み、子ども達の動物愛護の意識を育成する目的で、動物ふれあい教室を実施しています。

経緯)

茨城県獣医師会に委託し、平成元年から小学校飼育動物の検診を中心とした学校獣医師設置推進事業を開始しました。平成23年度からは県が主体となり,県獣医師会の協力を得ながら動物ふれあい教室として出前講座を実施しています。

内容)

動物指導センターのふれあい犬を連れて、主に県内の小学校を訪問し、心音を聴くなど命の鼓動を実感するとともに、犬や猫が処分されている現実を知り、どうすれば命を救うことができるのか考えます。

結果)

年間約30校を訪問し、これまでに約8,000人の児童がふれあい教室を経験しています。

考察)

次世代に向けての普及啓発であることから、直ちに成果として現れるものではありませんが、訪問した学校からは次年度も依頼があるケースが多いことから一定の評価が得られていると考えられ、動物愛護意識の向上さらに処分頭数の減少に寄与するものと思います。

総括)

引き続きこの取り組みを継続するとともに、対象を中学生に広げ、動物愛護意識の向上といのちの大切さについて啓発していくことも計画しています。

ふれあい教室の様子1の画像ふれあい教室の様子1
ふれあい教室の様子2の画像ふれあい教室の様子2
施設名(自治体名) 神奈川県
タイトル 普及啓発動画「それが大事~ペットのいのちバージョン~」の制作
取組みの主体 神奈川県
連携した団体等 著名人の方々、動物ボランティア団体

具体的な取り組み内容

神奈川県では、ボランティアの皆さんの協力により、昨年度、動物保護センターに収容された犬と猫の殺処分がゼロになりました。これを機に、同センターを、処分するための施設から生かすための施設へと大きく転換することとし、広く寄附を募り、建替えを進めています。こうした取組みのPRのため、ペットに関心の高い著名人やボランティアの皆さんなどが出演する動画を制作し、You Tube及び県のホームページにアップしました。

目的)

殺処分ゼロを継続していくためには、犬や猫を最後まで飼っていただく事の重要性、ボランティアと行政との協働、動物保護センターの建替えの寄附のお願いなどについて、あまり関心のない方にも広く理解していただく必要があります。知事を先頭に、著名人やボランティアの皆さんの協力を得て制作した動画を見ていただき、皆さんと力を合わせて、「みんなの力でペットのいのちを守ろう」という新しいムーブメントを起こしていくことが目的です。

内容)

曲は、大事MANブラザーズバンドの立川俊之さんに、神奈川県のキャンペーンソング「それが大事~ペットのいのちバージョン~」を作っていただき、動画の中でも歌っていただきました。また、立川俊之さんの他に、指原莉乃さんや渡辺麻友さんなどAKB48グループの皆さん、SAMさん、荒川静香さん、上野水香さん、河村隆一さん、熊本マリさん、五大路子さん、柴田亜美さん、白井貴子さん、杉本彩さん、宝田明さん、デヴィ夫人、夏樹陽子さん、南明奈さん、八木亜希子さん、山岡文佳さん、山田あかねさん、ラサール石井さんなどの著名人にボランティアで出演していただきました。さらに、ご当地アイドルやお笑い芸人の皆さん、ボランティア団体や愛犬家の皆さん、黒岩知事、県職員など、総勢約160人が歌い、踊って、皆さんに楽しんでいただける動画になりました。

結果)

今回は、撮影や出演交渉等を県職員ができるだけ自分たちで行うことにより、低予算で制作することが出来ました。動画の反響は、これから収集・分析していきますが、動画の閲覧数を伸ばし、一人でも多くの方々に見ていただき、ペットの問題について理解していただくとともに、今後の動物愛護のイベント等にも活用していきます。

考察)

ネット社会の到来により、多くの方にいつでもどこでも見ていただくことのできる動画は、動物愛護の普及啓発のような施策においては、非常に大きな効果があります。また、無償で協力していただける著名人などとの連携は、今後の行政展開の大きな力になると考えます。

オープニングの画像オープニング
動画のワンシーンの画像動画のワンシーン
施設名(自治体名) 愛知県
タイトル 動物介在活動支援犬育成事業
取組みの主体 愛知県(動物保護管理センター)
連携した団体等 動物愛護団体(センターに登録された協力団体)

具体的な取り組み内容

収容した犬のうち、譲渡対象となった犬の中から動物介在活動を行う支援犬として適性のある犬を育成しています。

経緯)

センターに収容される多くの成犬が処分される中、一頭でも多くの犬を社会復帰させたいという思いから、収容された犬に、しつけを施すことによって、社会復帰する機会を与えるとともに、さらに一歩すすめて社会に貢献できる「支援犬」を育てようと、平成15年度に開始した事業です。

内容)

センターに収容した犬のうち、譲渡候補犬とした犬に、しつけ等を行い、優良な家庭犬となるよう育成します。その中から適性のある犬を老人福祉施設等での動物介在活動を行う支援犬として訓練し、動物介在活動を実施している動物愛護団体に譲渡します。

結果)

毎年1~3頭の支援犬を育成し、平成26年度までに25頭を動物愛護団体に譲渡しました。現在譲渡先の団体とともに老人福祉施設等で活躍しています。

考察)

本事業を通して、動物介在活動を社会に普及することにより、人と動物のより良い関係を築き上げ、「人と動物とが共生するより良い社会」の実現につながると考えます。

総括)

しつけを施すことにより、より多くの犬に社会復帰の機会を与えることができるだけでなく、人と動物のより良い関係を実現できる動物介在活動の普及につながるものと考えます。今後もこの取組を継続していきます。

動物介在活動中の支援犬の画像動物介在活動中の支援犬
譲渡式の様子の画像譲渡式の様子