事例紹介

その他

施設名(自治体名) 神奈川県
タイトル 犬の殺処分ゼロの達成(特にボランティアとの協働について)
取組みの主体 神奈川県
連携した団体等 神奈川県動物保護センター登録ボランティア

具体的な取り組み内容

神奈川県では、平成25年度に犬の殺処分がゼロになりました(収容中の死亡を除く)。犬の殺処分を減らすために特に重要な3つのポイントである ①収容数の減少、②返還の推進、③譲渡の推進 について、それぞれ具体的な取組みを紹介します。

経緯)

下表のとおり神奈川県における犬の殺処分数は、平成23年度には132頭となり、殺処分ゼロが現実的になってきました。一方で、老齢、病気、攻撃性などにより譲渡困難な犬が相対的に増加するなど、犬の殺処分を完全にゼロにするためには、課題も多くありました。そこで、上記の①~③について、さらに積極的な取組みを行いました。

犬・猫の処分頭(匹)数のグラフ

※( )内の頭(匹)数は、運搬・収容中に死亡した数で、処分頭(匹)数の内数です。

内容)
①収容数の減少

飼えなくなった犬の引取りについては、平成24年の動物愛護法改正以前から、動物取扱業者からの引取り拒否、飼い主への説得、動物保護センター(以下「センター」という。)への直接持込推奨等を実施していましたが、法改正をふまえ、平成25年に「犬猫等の引取りマニュアル」を改正し、引取り以外の方策による解決に向けた助言等をより積極的に行うこととしました。また、動物引取手数料の算定を見直し、1頭あたり2,000円から4,000円に改正しました。さらに狩猟用の犬の収容数を減らすため、鳥獣保護担当部局と連携して猟師の方々に対してチラシの配布等を行いました。

②返還の推進

センターのホームページ(以下「ホームページ」という。)において、犬を逃がしてしまった飼い主がより捜しやすくするための情報提供を充実させるため、従来から、収容した所有者不明の犬の写真や情報をホームページに掲載していましたが、その他に、次のような取組みを行いました。

・警察の落し物検索システムにリンク

・隣接する8自治体すべての収容情報にリンク

・県民が自宅等で保護している動物の情報を掲載し毎日更新

・ペットを逃がしてしまった飼い主専用ページを充実

・手作り鑑札ホルダーの作り方など鑑札・迷子札・マイクロチップのペー ジを充実

その他の普及啓発として、次のような取組みを行いました。

・イベント等における鑑札、マイクロチップ等の普及啓発

・市町村、獣医師会に対して飼い主の狂犬病予防法の遵守について指導を依頼

③譲渡の推進

登録ボランティアとの協働(支援)として次のような取組みを行いました。

・所長以下センター職員とボランティアが率直なコミュニケーションを行い、同じ志を持つ対等なパートナーとしての信頼関係を強化

・ボランティアとの会議、打ち合わせを開催し、法令、動物の健康管理、譲渡 時の契約事項等について情報提供と意見交換を実施

・ボランティア関係の要領を整備し、登録要件等を明確化

・県内だけでなく、他の自治体で活動するボランティアも希望により受け入れ

・センター内にボランティア専用掲示板を設置し、団体や譲渡動物のポスタ ー、冊子等を掲示、配布

・月一回程度、ボランティアの活動紹介、情報提供等を目的とした「ボランティア通信」というPDFの広報媒体を作成し、ボランティア及び関係行政機関に配布するとともにホームページに掲載

・公開を了承したボランティアの連絡先、ブログ等の一覧表を作成し、ホームページに掲載するとともに、窓口等で配布

・ボランティアが開催する譲渡会の日程一覧表を毎月作成し、ホームページに掲載するとともに、窓口等で配布

・ボランティアの譲渡動物の写真、プロフィールをホームページに掲載するとともに、窓口等で配布

・ボランティアに対する動物の譲渡手数料(1,220円)を無料化

・収容動物の情報をボランティアに週1回程度メールで配信

・犬を譲渡する時に、一部について、センターにおいて手数料を減額して去勢手術を実施したうえでボランティアに譲渡

・犬の収容期間について、病気等の例外を除いて無制限とした

・殺処分を行う場合の複数職員による判断や記録等の内部規定を整備

・動物愛護推進員の研修においてボランティアの活動を紹介

・収容動物のためのシャンプー・トリミングボランティアを募集

・ボランティアへの協力について、ホームページで県民に呼びかけ

・ボランティアの紹介による見学者の積極的な受け入れ

結果・考察)
①収容数の減少

飼えなくなった犬の引取り数は、減少傾向が続き、平成25年度には前年度比58.3%の88頭にまで減少しました。これは、終生飼養など飼い主の意識の変化に加えて、新マニュアルによる対応、窓口での説得等の効果や、引取り手数料の値上げによる抑止効果によるものと考えられます。迷い犬及び所有者不明の犬も減少傾向が続いていますが、平成25年度には前年度比74.1%の394頭に減少しました。神奈川県では、現在いわゆる放し飼いによる収容はほとんどなく、飼い主の飼養管理が適切になっていると考えられます。これは、長年にわたる野犬及び放れている犬の捕獲収容と放し飼いをする飼い主に対する指導を徹底したことによる効果が現れていると思われます。

迷い犬等及び所有者不明猫の収容数のグラフ
飼えなくなった犬・猫の引取り頭(匹)数のグラフ
②返還の推進
返還頭数及び返還率(犬)のグラフ

返還率は、平成22年度以降50%台前半で横ばいですが、返還頭数及び返還できなかった頭数は減少しています。通信、情報技術が発達し、収容期間も延長した現在、所有者明示がなくても飼い主が見つかる可能性は高いと思われます。にもかかわらず、返還率が顕著に向上しない理由は、遺棄するか、又は行方不明になっても積極的に探さない飼い主が、一定の割合で存在しているためと考えられます。これらの飼い主に対しては、所有明示の啓発は効果がなく、取り締まりも困難ですが、犬を遺棄する行為に対する社会の目が厳しくなるにつれて減少すると考えられます。所有明示措置については、平成25年度に動物保護センターに収容された犬のうち、鑑札・注射済票装着率は2.5%、マイクロチップ装着率は6.3%で、改善が必要です。

③ 譲渡の推進
譲渡状況(犬)
登録しているボランティア数
譲渡ボランティア 38団体・個人
シャンプー・トリミングボランティア 9個人

譲渡に関して、ボランティアは行政よりも行動力や柔軟性があり、両者の協働が非常に重要と考えています。神奈川県では、昭和50年から避妊去勢手術を行った子犬を県民に譲渡するなど、早くから譲渡事業に力を入れてきました。一方、成犬については、約20年前に、ある団体から強い要望があり、ボランティアに譲渡することになりましたが、これは、神奈川県におけるボランティアの活動の原点であり、当時においても画期的なことでした。このようなバックボーンをもつ神奈川県では、現在でもボランティア活動が非常に活発で、意識も高いという状況があります。特に、老齢、病気、攻撃性などにより譲渡困難な犬を進んで引き取ってくれる、いくつかのすばらしいボランティアの存在は、殺処分ゼロのための大きな力となりました。さらに、行政側も、彼らを殺処分ゼロを実現するための重要なパートナーであると認識し、また、行政としてできることを真剣に考えるべきという意識を組織全体で共有することが重要であると考えました。一方、ボランティアの抱える課題として、スタッフの確保、適正な会計処理、医療費など活動費の調達、飼い主希望者とのトラブル対策、組織内の人間関係、コンプライアンス、譲渡会開催場所等活動拠点の確保などがあります。これらの課題に対して、行政は一緒に悩み、考えるというスタンスで、専門家の力も借りながら努力してきました。たとえば「ボランティア通信」は、こうした支援や情報交換の手段としてだけでなく、行政とボランティアの一体感を醸成することにも大変有効でした。猫についても、子猫が多いという違いはありますが、基本的には同じアプローチを行い、成果をあげつつあります。

④その他

この問題に関する県民の関心度及び情報提供の効果の指標として、ホームページの延べ閲覧数を見てみると、平成23年度401,998件、平成24年度525,287件(前年度比130.7%)、平成25年度715,327件(前年度比136.2%)と顕著に増加していました。

また神奈川県では、ボランティアに譲渡できる犬は年間250頭前後で、これはここ数年増加していません。むしろ、今までは殺処分されていた、老齢、病気、攻撃性などの問題を持つ犬を譲渡しなければならないので、行政やボランティアが負担する医療、飼養管理、所要期間は増大しており、譲渡数の大幅な増加は見込めません。ボランティアにおいて、引取り許容数を超えると不適切な飼養管理が行われる恐れもあり、飼養頭数の管理も必要です。一方で、ボランティアに頼りきっていていいのか、という意見もあり、まだまだ課題は多くあります。しかし、客観的に見ると、神奈川県における犬の殺処分がゼロになったのは、収容される犬の数がようやくボランティアが譲渡可能な頭数にまで減ったという見方もできます。殺処分がゼロにならない理由として、よくペットショップやブリーダーの存在があげられます。しかし、これらの施設数や販売数が多い都市部で殺処分が多いという事実はありません。神奈川県では子犬の収容はほぼゼロになりましたが、全国的には、まだ多くの自治体で雑種の子犬が多数殺処分されている実態があります。つまり、避妊去勢手術をせず、屋外での放し飼いをするなどの飼育形態・意識がわが国の現時点での犬の殺処分の主な原因であり、これらの基礎的条件が改善されないと殺処分ゼロの達成は困難であると考えます。そういう観点から、野犬や放し飼いの犬の捕獲収容と飼い主への指導を徹底的に行うことが長期的に見て非常に有効であると考えます。

総括)

殺処分ゼロはひとつの目標ではありますが、ゼロという数字そのものにこだわることは適切ではありません。なぜなら、人や動物に危害を与える可能性が高い犬や治癒の見込みがない病気により苦痛に苦しむ犬は、殺処分を行うことがむしろ必要だからです。様々な理由で、譲渡が不可能な犬が存在することは、避けられません。これは、海外の動物愛護先進国の民間シェルターでも同様です。今後は、これらの処分理由について、科学的に判断できるシステム作りやシェルターメディスンに基づく飼養管理が重要になると思います。また、飼い主自らの意思による動物病院での安楽死についても、広く国民全体で議論すべき課題です。国と自治体が協力して、殺処分ゼロという言葉の裏に隠れたこれらの問題について、広く国民の理解を得るよう努力するとともに、国民が正確に判断できるよう、統計においても、殺処分の理由別の集計や殺処分数と収容中の死亡を分けるなど、丁寧な情報提供が必要だと思います。

取組み内容の紹介等関連HP

神奈川県ホームページ「ボランティア情報・ボランティア通信」(外部サイトへリンクします)

施設名(自治体名) 埼玉県
タイトル 寄附金(電子マネーによる売上げの一定割合の寄附)を活用した動物愛護推進事業
取組みの主体 埼玉県
連携した団体等 イオンリテール(株)

具体的な取り組み内容

経緯)

国の指針に対応して策定した「埼玉県動物愛護管理推進計画(平成20年度~平成29年度)」において、犬猫の殺処分数を半減させ4,500頭以下にする目標を掲げました。そして、この目標を受け、「入れない」、「返す」、「差し上げる」を3つの柱に、殺処分数の削減に努めました。「入れない」とは、飼い主の終生飼養責任を促し、安易に引き取らないということで、窓口での粘り強い説得や県ホームページを介しての譲渡支援を行いました。また「返す」とは、迷子動物を飼い主に戻すことで、施設に収容された犬猫の画像をリアルタイムで県ホームページに掲載するとともに、掲載情報の検索代行や関係機関へ迷子情報の一斉配信を行う「迷子動物検索テレホンサービス」の提供を開始しました。そして、「差し上げる」とは、収容された犬猫に新たな飼い主を見つけることで、協力ボランティア登録制度の開始や商業施設内に常設展示型の譲渡コーナーを設置いただくなど民間からの支援体制を整えるとともに、自らも譲渡専用施設を新築し、より多くの譲渡先を見つけるよう努めました。このような取組の結果、平成23年度の殺処分数が4,367頭となり、当初の予定を6年前倒して達成することができました。

内容)

危害防止の観点から放し飼いが禁じられている犬とは異なり、猫は外で自由に生活することができるため、飼い主のいない猫の繁殖を防ぐ有効な手段が極めて少ない状況にあります。このような中、近年「地域猫」と呼ばれる活動に注目が寄せられています。「地域猫活動」とは、住民やボランティアが協力して地域に住み着いた野良猫に避妊手術を行い、周囲の迷惑にならないよう適切に世話する活動のことです。「地域猫活動」を行う地域に対する継続的な支援による対策が必要ですが、昨今の財政状況から、支援事業に要する財源の確保が課題でした。

平成23年9月7日に本県とイオン(株)が連携協定を締結したことに伴い、同年9月20日には電子マネーカード「彩の国ハッピーアニマルWAON」を発行する運びとなりました。本カードを利用した売上金額の0.1%が本県に寄附され、これを本県の動物愛護の推進のため、平成24年度から継続的に利用できることになりました。そこで、本寄附金を活用し、県が指定するモデル地区において「地域猫活動」を行うボランティア等に対して、市町村を通じて補助金を交付する制度を立ち上げ、同活動への取組みを促進しています。併せて、「地域猫活動」について、具体的な取組み方やポイントなどをわかりやすく解説した「地域猫活動実践ガイドブック~野良猫を減らすために~」を作成し、市町村や関係機関を通じて配布しています。

【実績】*平成26年11月末現在

・WAON寄付金累計額:13,571,166円

・モデル地区指定数(補助金交付先):以下6地区

上尾市、入間市、所沢市、蓮田市、八潮市、吉見町

・ガイドブック作成数:10,000部

考察・課題)

現在は当面の目標として、平成28年度末までに殺処分数を1,000頭未満にすることとしていますが、最終的には0(ゼロ)を目指したいと考えています。殺処分を更に削減するためには、殺処分の約半数近くを占める飼い主のいない子猫への対策を進めることが重要です。

取組み内容の紹介等関連HP

埼玉県ホームページ「源動力情報:埼玉から政策発信」(外部サイトへリンクします)

埼玉県ホームページ「知事発表:犬猫の殺処分数0を目指して」(外部サイトへリンクします)

埼玉県ホームページ「地域猫活動実践ガイドブック」(外部サイトへリンクします)

WAONカード表面
WAONカード表面
WAONカード裏面
WAONカード裏面
施設名(自治体名) 千葉県
タイトル 千葉県動物愛護ボランティア制度
取組みの主体 千葉県
連携した団体等 動物愛護ボランティア

具体的な取り組み内容

千葉県では、動物愛護推進員の他に動物愛護ボランティアを公募し、登録ボランティアとして県の動物愛護事業等に御協力いただいています。

経緯)

平成22年度の災害時動物救護マニュアルの策定に併せて、被災動物の一時預かりボランティアを確保すること等を目的として登録を開始しました。

内容)

災害時の動物救護活動に加え、平常時にも動物愛護センターや保健所で実施する犬猫譲渡会、しつけ方教室や、県で作成したちらしの配付や掲示などの広報活動等に協力していただいています。協力依頼は電子メール、FAX、専用ホームページ等で随時行います。

結果)

平成23年の東日本大震災の際には、被災動物(被災された方の飼養犬)の一時預かりをしていただきました。本年度は月1回程度のペースで活動協力依頼などの情報を発信し、御協力いただいています。また、ボランティアの発案を元に、「殺処分0をめざすために県民にお願いしたいこと」という内容の啓発ちらしを作成し、県機関やボランティアを通じて現在までに約3万枚を配付しました。

評価・課題)

当初は災害時対策を主眼に募集を開始しましたが、継続していく中で、県だけでは実施が難しい地元での広報活動や、動物好きな県民目線による意見・提案の聴取など、登録ボランティアの様々な可能性を発見できました。また、ボランティアのほとんどが動物飼養者であることから、模範的な飼い主として地域に良い影響を与えていただく効果も期待しています。一方で、個人情報保護の関係からボランティア同士の連携が取りづらいこと、活動協力依頼のある地域に偏りがあること、初回登録に必要な講習会が年1回1カ所でしか行われず、意欲のある方でも登録できないことがあるなど、その特性を生かし切れていないという反省もあり、今後の課題と考えています。

取組み内容の紹介等関連HP

千葉県ホームページ「千葉県動物愛護ボランティア活動のお知らせ」(外部サイトへリンクします)

県職員とボランティアによるちらし配付
県職員とボランティアによるちらし配付
ボランティア登録証(名刺サイズ)
ボランティア登録証(名刺サイズ)
施設名(自治体名) 京都市
タイトル 京都市動物愛護事業推進基金~京都市人と動物が共生できるまちづくり基金~
取組みの主体 京都市

具体的な取り組み内容

動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深め、「人と動物とが共生できるうるおいのある豊かな社会」の実現を目的として、平成27年度から全国初となる都道府県・政令市共同による「京都動物愛護センター」を設置しました。本センターを拠点とした京都市内の動物愛護事業を進めるため「京都市動物愛護事業推進基金」への協力を呼びかけています。

経緯)

【基金創設経緯】

京都動物愛護センターの設立に向けて、市民や事業者など多くの方々から御理解と御支援のもと、皆様に愛着を持っていただける施設をめざし、平成24年4月に基金を創設しました。

内容)

【基金の主な使途】

○「京都動物愛護センター」の整備

動物愛護の拠点施設として,以下の機能を有した「京都動物愛護センター」の整備に活用しています。

・ドッグランやふれあい広場などの整備

・災害時における動物の保護と収容,被災動物のための救援物資の保管及び配布

・京都動物夜間医療センターの運営(獣医師会との連携)

・収容動物の健康状態に配慮した適切な管理

・動物に関する幅広い情報発信(生活に密着した鳥獣等の対策,動物由来感染症など)

・同センターの整備が完了した平成27年度以降は、「動物のしつけ方」に関する学習会の開催や収容動物の譲渡の推進などの動物愛護事業に活用していきます。

取組み内容の紹介等関連HP

京都市ホームページ「「京都市動物愛護事業推進基金」に積み立てる寄付金の募集について」(外部サイトへリンクします)

基金パンフレット
基金パンフレット
京都動物愛護センターパース京都動物愛護センターパース
施設名(自治体名) 豊田市
タイトル 動物愛護ボランティアの育成と共働について
取組みの主体 豊田市、ボランティアを希望する市民

具体的な取り組み内容

目的・経緯)

生活環境の変化に伴い、動物の飼養に関する苦情相談は増加しています。そこで、豊田市では、動物の愛護と適正飼養についての普及と市民の生きがいづくりを推進するため、犬を飼養している市民等を対象に、豊田市動物愛護ボランティア養成講座(以下「養成講座」という)を開催し、市と共働で動物愛護事業を行うボランティアを育成しています。養成講座を始めた平成15年度当時の担当者は、「ボランティアとその飼い犬が小学校等でふれあい活動を行うこと」を当初の目標としていました。

内容)

①ボランティア養成講座

講座(講義3回及び犬のしつけ方実技4回)を受講後、実技審査に合格した犬は訪問活動犬に認定。

平成26年12月現在:ボランティア25人、訪問活動犬12頭

②共働で実施している事業(25年度実績)

ア.動物愛護教室(22回/年)

…訪問活動犬と共に市内こども園、小学校を訪問し、犬とのふれあい方の説明、ふれあい、心音の聞

イ.社会福祉施設での動物介在活動(3回/年)

…訪問活動犬と共に市内社会福祉施設を訪問し、犬とのふれあい活動を実施。

ウ.犬のしつけ方教室・飼い方講座(6回/年)…市の主催する教室、講座等での講師及び補助。

エ.収容犬の里親探し(3頭/年)…市に収容された犬の一時預かり及び里親探し。

評価・現状)

市と同じ目的を持って、共働で様々な活動を行う市民と犬を育成したことは、市の財産となっています。一方で、犬が不特定多数の人とふれあい活動を行うには、犬の適性に加え、十分にしつけられていることが必要になるため、それらを判断する訪問活動犬の実技審査(認定試験)は厳しくせざるを得ず、結果として訪問活動犬の頭数が増えていかないという現状があります。

総括)

子どもの動物愛護意識を育む動物愛護教室や犬の適正飼育について啓発するしつけ方教室等をボランティアと共働で実施することは、無責任な飼い主や引取りの減少につながっていくと考えられます。また、ボランティアと連携した譲渡を行うことで、広域的な譲渡が可能となっています。ボランティアと共働でこれらの事業を行うことで、殺処分数のさらなる減少や動物愛護意識の啓発を図っていきたいと思います。

取組み内容の紹介等関連HP

豊田市ホームページ「豊田市動物愛護ボランティア」(外部サイトへリンクします)

豊田市で活躍中の訪問活動犬たち豊田市で活躍中の訪問活動犬たち
ふれあい活動中のボランティアと訪問活動犬ふれあい活動中のボランティアと訪問活動犬
施設名(自治体名) 尼崎市動物愛護センター(尼崎市)
タイトル 動物の愛護及び管理を目的とした「動物愛護基金」の設置
取組みの主体 尼崎市

具体的な取り組み内容

経緯)

本市では現在、動物愛護管理行政のあるべき姿についての提言を踏まえつつ施策の推進に取り組んでいます。この取り組みに協力したいという皆さまからの想いを最大限に活かすことができるよう、平成24年4月から動物愛護管理施策に使途を限定した寄付金の受付を開始しました。更には同年7月に「尼崎市動物愛護基金条例」を制定し、11月には同条例を公布、「動物愛護基金」を設置しました。

内容)

動物愛護管理の推進を目的とした本市への「寄付金」及び「ふるさと納税」を動物愛護基金に積み立てています。

○使途

①野良猫の不妊手術に係る費用の助成金拡充

②犬・猫の適正飼養の普及啓発推進

③犬、猫の殺処分数0を目指す取り組み等

結果)

○寄付額

・平成24年度:6,449,000円(133件)

・平成25年度:1,834,500円(66件)

・平成26年度:10,790,000円(65件)

(※平成26年度の数値は11月末現在)

○活用例

・野良猫不妊手術費用助成金の拡充

・収容犬のトリミング事業(譲渡を促進するため、被毛が伸び汚れている収容犬の手入れを、犬の美容業者との協働によって行う)

・犬及び猫の適正飼養パンフレット作成

・動物愛護基金PRパンフレット、ティッシュ作成 等

考察)

事業予算の確保は年々厳しいものになってきていますが、尼崎市では「人と動物が共に幸せに暮らせる社会」の実現を目指すために「動物の愛護及び管理」の推進に特化した寄付を募り、それらを財源とした施策を実施する取り組みを開始しました。継続的に基金を運営していくためには、今後も寄付をしたいと思えるような魅力的かつ公益性を備えた事業提案が求められます。

総括)

動物愛護基金を軌道に乗せるためには基金についての効果的な広報等様々な課題がありますが、今後も各方面と協働しながら基金の広報や活用事業の実施に取り組んでいきたいと思います。

取組み内容の紹介等関連HP

尼崎市ホームページ「動物愛護基金への寄付を募ります。」(外部サイトへリンクします)

収容犬のトリミング
収容犬のトリミング
適正飼養普及啓発パンフレット各表紙(犬、猫)適正飼養普及啓発パンフレット各表紙(犬、猫)
施設名(自治体名) 大阪市
タイトル 大阪市動物愛護関連事業寄附金
取組みの主体 大阪市

具体的な取り組み内容

経緯)

大阪市では、平成22年度より、所有者不明猫の減少と所有者不明猫による生活環境被害の軽減を目的として、いわゆる「地域猫」制度である「所有者不明ねこ適正管理推進事業」を実施しています。当該事業では、事業対象となる所有者不明猫の不妊去勢手術に関し、大阪市が雄5,000円、雌8,000円を負担することとしており、予算として年間300匹分を計上しております。本事業については、開始当初から年間300匹を大きく超える申請があったものの、税負担には限りがあるため、超過分に対応するためには他の財源を得る必要がありました。そこで、広く一般の方から寄附を募ることにより申請枠の拡大を可能にすることを主目的として、平成25年7月より、本市の動物愛護事業に活用するべく本寄附金制度を立ち上げたものです。

内容)

○使途

「所有者不明ねこ適正管理推進事業」の拡充(申請枠の拡大)、動物の適正飼養に係る普及啓発の取組み

○申込み及び受付

紙申込書の提出又は電子申請による申込みの上、銀行振込又はクレジットカード決済にて受付

○寄附をいただいた方への対応

・感謝状及び金額に応じた記念品等の贈呈

・氏名(企業・団体名)のホームページでの公表(希望制)

・「ふるさと寄附金制度」の適用による所得税・個人住民税からの、寄附金額に応じた控除

○寄附状況

平成25年度:延べ9件、計177,000円 ※非公表希望1件の分は含みません。

平成26年度:延べ11件、計533,000円 ※非公表希望1件の分は含みません。

(平成26年9月末時点)

結果・推察)

本寄附金制度を開始した年度から多数の御寄附をいただいており、「所有者不明ねこ適正管理推進事業」の申請枠を拡充できているところです。御寄附をいただいた方々の善意に心より感謝するとともに、本寄附金制度の更なる周知と、動物愛護事業へのより一層の活用を図っていきたいと考えています。

取組み内容の紹介等関連HP

大阪市ホームページ「平成26年度 大阪市動物愛護関連事業寄附金の寄附状況について」(外部サイトへリンクします)

猫の画像
イメージ1
犬の画像
イメージ2
施設名(自治体名) 川崎市
タイトル 動物愛護関連事業への寄附について
取組みの主体 川崎市
連携した団体等 寄附に御協力下さった皆様

具体的な取り組み内容

背景)

川崎市の取り組みとして、「犬や猫の譲渡推進のための取り組み」が本プロジェクトの「返還と適正譲渡の推進」に掲載されていますが、譲渡を推進するためには、長期間動物を収容し、丁寧にケアをする必要があります。また、本市では、動物愛護センターを再編整備し、動物愛護関連施策のさらなる推進を計画しています。ボランティアの方々には、これまでも多くの御協力をいただいておりましたが、「川崎市の動物愛護センターに寄附をしたい。」という声もいただいておりました。皆様のお気持ちを活かして、収容された動物の福祉の充実及び動物愛護センターの再編整備を推進するため、平成26年4月に要綱を制定し、寄附を募集開始しました。

内容)

金銭と物品の2種類の寄附を募集しました。物品については、時期によって動物愛護センターで必要なものが異なるので、いただいたものを有効に活用できるように事前にお問い合わせをいただいています。

結果・成果)

平成26年4月から11月までの7ヶ月間で以下のような寄附をいただくことが出来ました。いただいた寄附は動物愛護センターの収容動物のケアなどに活用しています。

・金銭…24件 536,242円

・物品…82件(物置といった大きなものから、フードやペットシーツなど日常のケアに必要な物など、幅広く寄附をいただいています。)

考察)

現在は、動物愛護センターで寄附を受け付けていますが、ふるさと寄附金制度など、窓口をさらに広げることも検討しており、さらなる制度充実に努め、多くの皆様に御支援いただけるよう体制の整備を実施してまいります。この場をお借りして、皆様の御協力に感謝を申し上げます。

取組み内容の紹介等関連HP

川崎市ホームページ「川崎市動物愛護関連事業への寄附について」(外部サイトへリンクします)

いただいた寄附いただいた寄附
募集ポスター
募集ポスター
施設名(自治体名) 川崎市
タイトル 地図情報システム(GIS)を利用した飼い主のいない猫対策事業の評価
取組みの主体 川崎市
連携した団体等

具体的な取り組み内容

背景)

本市では、飼い主のいない猫の引取り数は減少傾向にあり、猫の殺処分数も低い値となっています。一方、飼い主のいない猫や外飼い猫によるふん尿被害等の苦情相談は減少しておらず、また、交通事故など屋外での死亡により年間2,500頭前後の猫の死体が清掃部局により収容されています。

経緯)

猫は繁殖力が強く、なわばりの習性を持ち、加えて地理的要因にも左右されるため、個体数等に地域的な偏りがあると考えられます。そのため、地域に即した対策を実施するためには、地域を経時的に評価・分析できる体制が必要と考えました。そこで、猫に係る情報を地域ごとに集約し、視覚化することで、過去の対策の評価や、今後の対策の指標として利用することを目的に実施しました。

内容)

①飼い主のいない猫の収容地域(平成24年度~)
②本市が実施している猫の不妊去勢手術の助成金事業の申請地域(平成24年度~)
③交通事故などにより野外で死亡した猫の死体の収容地域(平成27年度~)
以上の①~③について、平成27年4月より、川崎市地図情報システムを利用し電子地図上に反映させ、地域ごとの状況を視覚化しました。

今後の展開)

①苦情対応にあたる職員がこの情報を共有することで、地域の状況を把握した上での啓発・指導を行うことができます。
②啓発対象者の地域に密着した情報をリーフレットに載せることで、より効果的な啓発ができるようになります。
③継続してデータを収集することで、地域の状況が詳細に把握できるため、特定の地域の飼い主のいない猫対策に対して、対象となる地域を明確にし、効率的、効果的に事業を実施することができると想定されます。

青色が濃い地域は猫の死体収容が多い地域青色が濃い地域は猫の死体収容が多い地域(市全体)
(値については実際のものと異なります)
屋内飼養啓発ポスター
屋内飼養啓発ポスター(各区の収容数を掲載)