自然を活用した解決策(NbS:Nature-based Solutions)

自然を活用した解決策(NbS:Nature-based Solutions)とは、健全な自然生態系が有する機能を活かして社会課題の解決を図ることです。気候変動を始め様々な分野において注目され、国連気候変動枠組条約や生物多様性条約における議論でも定着しつつある比較的新しい概念です。
このNbSは、主目的の社会課題の解決に加え、複数の効果をもたらすという特徴があるとともに、近年関心が高まりつつある自然による癒しや人の健康への好影響等の波及効果も期待されています。自然環境の保全そのものを目的とする取組であったとしても、気候変動緩和・適応、防災・減災、資源循環、地域経済の活性化、人獣共通感染症、健康などの社会課題解決に貢献する側面を有するものもあり、あらゆる取組についてNbSとしての意味づけを積極的に行っていくことが、社会的な理解と連携・協力の促進を進める上で重要であると考えられます(下図:NbSを通じた地域づくりのイメージ)。

 
NbSには、社会課題の解決において、自然環境が有する多様な機能を活用する「グリーンインフラに関する取組」、「生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)」、「生態系を活用した適応策(EbA)」などが含まれます。そういった様々なNbSの理解や推進に役立つ情報をご紹介します。

【関連サイト】
 環境:グリーンインフラポータルサイト - 国土交通省
 グリーンインフラ官民連携プラットフォーム

自然を活用した解決策(NbS)

自然の持つ機能の活用 その実践と事例(令和元年)

グリーンインフラやEco-DRRについて、これから取組を始めようとする方や、取組を始めたものの、参考となる情報がないために行き詰まりを感じている方のために、具体的な事例を踏まえて実践のポイントを紹介するものです。

○ 自然の持つ機能の活用 その実践と事例[PDF19.5MB
      

生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)

持続可能な地域づくりのための生態系を活用した防災・減災(Eco-DDR)の手引き(令和5年)

自然災害に対するレジリエントな地域づくりと生物多様性の保全の両立に貢献し、地域の社会・経済的な発展にも寄与する取組であるEco-DRRを進めるにあたって、活用できる情報やその活用方法などを示したものです。
とりわけ、湿地環境としてのポテンシャルがある場所や生物多様性保全を図る上で重要な場所など、Eco-DRRのポテンシャルがあると考えられる場所(生態系の保全・再生を図ることで、生物多様性の保全だけではなく、防災・減災にも寄与すると考えられる場所)の可視化を目的とした「生態系保全・再生ポテンシャルマップ」の作成方法やその活用方策をとりまとめました。

○ 持続可能な地域づくりのための生態系を活用した防災・減災(Eco-DDR)の手引き[PDF8.69MB
    
○ 持続可能な地域づくりのための生態系を活用した防災・減災(Eco-DDR)の手引きの概要(日本語版)[PDF1.43MB]/A Summary of a Guide to Eco-DRR Practices for Sustainable Community Development(English Version)[PDF1.05MB
      
■「生態系保全・再生ポテンシャルマップ」の作成に必要な全国規模の基礎情報の公開
手引きで紹介されている「生態系保全・再生ポテンシャルマップ」は、既存の土地利用や生態系の分布に関する情報をGIS(地理情報システム)を用いた地理空間情報の重ね合わせによって作成することを想定しています。
今般、湿地環境を主たる対象とした生態系保全・再生ポテンシャルマップの作成に必要な基礎情報として、以下①~⑤の指標による全国規模の評価結果をベースマップとして公表しました。

「環境アセスメントデータベースEADAS(イーダス)」では地図上で表示したデータを、また、環境省自然環境局生物多様性センターのウェブサイトでは、GISデータとしてダウンロード可能なデータを掲載しています。

○ 環境省 環境アセスメントデータベース EADAS(イーダス)
    https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs
○ 環境省自然環境局生物多様性センターHP
    https://www.biodic.go.jp/Eco-DRR/index.html

生態系を活用した防災・減災に関する考え方(平成28年)

東日本大震災の経験と、今後の人口減少及び土地利用等の社会的変化を踏まえ、わが国における巨大地震や気候変動による災害リスクの高まりへの有効な対応策の一つと考えられる「生態系を活用した防災・減災(Ecosystem-based disaster risk reduction;Eco-DRR)」の基本的考え方をとりまとめたものです。ここでは災害リスクの低減に寄与する生態系の役割を整理し、地域の将来像を描く中で生態系を活用した防災・減災を進める際に必要となる基本的な視点や活用手法について、事例を交えて紹介しています。
 
○ 生態系を活用した防災・減災に関する考え方[PDF3.59MB
    
○ ハンドブック:自然と人がよりそって災害に対応するという考え方(日本語版)[PDF5,134KB]/ Handbook: Ecosystem-based Disaster Risk Reduction in Japan(English Version)[PDF4,496KB
      
○ 生態系を活用した防災・減災に関する考え方 参考事例[PDF4.09MB
      
【関連サイト】
  Ecosystem-Based Disaster Risk Reduction as “Natural Infrastructure” in Japan
  国連環境計画(UNEP)が日本のEco-DRRをケーススタディとして紹介した冊子を掲載しています。

生態系を活用した気候変動適応策(EbA)

生態系を活用した気候変動適応策(EbA)計画と実施の手引き(令和4年)

〇 生態系を活用した気候変動適応策(EbA)計画と実施の手引き[PDF]
    生態系を活用した気候変動適応策(EbA)の導入の入り口として、基本的な考え方、国内外の動向や事例、地域で実践する適応策としてのメリットや導入のコツなどを紹介しています。
      

国立公園等の保護区における気候変動への適応策検討の手引き(令和元年)

国立公園等の保護区の管理に関わる方々に、自然生態系分野における気候変動の影響への適応の考え方を知っていただき、将来の変化を考慮して保護区の保全や利用を考える際に参考としていただくことを目的としています。

〇 国立公園等の保護区における気候変動への適応策検討の手引き[PDF]
      

生物多様性分野における気候変動への適応(平成28年)

気候変動が生物多様性に与える悪影響を低減するための自然生態系分野の適応策、生態系を活用した適応策の考え方や事例を紹介しています。

○ 生物多様性分野における気候変動への適応(日本語版)[PDF 1.95MB] /Basic Concept of Climate Change Adaptation on Biodiversity in Japan(English Version) [PDF 1.46MB
      

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

Get ADOBE READER