環境省ホーム > 政策分野・行政活動 > 政策分野一覧 > 自然環境・生物多様性 > 生物多様性の観点から重要度の高い海域 > 沖合海底域 > 313 南海トラフ・駿河湾・九州海域
面積(平方キロメートル) | 105431 |
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最大水深(メートル) | 4907 |
※抽出基準ごとに表示されている数字は各重要海域の解析スコアの最大値を表示している。
基準1、4、5、6、8が高く、MARXANにより選定されたため
駿河湾東側から九州南部までの沿岸から急峻に落ち込む南海トラフまでの海域であり、御前崎沖から紀伊半島(足摺岬南方まで)にかけては沿岸から急に深くなる海域が続き、その高低差は1800m,総延長は約670kmに達する(徳山ら、2001)。南海トラフには短いが多くの海底谷が存在する(海上保安庁水路部,1985)。
駿河湾中央部に走る水深2000mを超すV字海底谷を境にして(駿河トラフ)北のユーラシアプレートと南のフィリピン海プレートに分かれる。当該海域にの東側には石鼻海(せのうみ)と呼ばれる堆があり、アケビガイが発見されていることから化学合成生物群集の存在が示唆されている(藤倉ら, 2008)。
南海トラフはプレート境界域で巨大地震の震源域と予測されている。この海域にはもっとも多くの湧水生物群集が確認されており、金州ノ瀬(御前崎南沖)から水深4800mの室戸岬沖まで世界で類をみないほどの多数の湧水生物群集サイトが見つかっている。また、ここではオトヒメハマグリ科二枚貝の種多様性が高く、これまでに少なくとも12種が発見されている。金州ノ瀬にはフクスケツキガイやカヅキシンカイヒバリガイなどが見つかっており、活動的なメタンの湧出現象があると推測されている。またこのあたりにはBSRが認められ、メタンハイドレート層があるとされている(藤倉ら, 2008)。
南海トラフを切断するように横断している天竜海底谷では湧水生物群集に固有の種のみならず、光合成依存型の深海生物群集から移入種まで多様な種が報告されている。熊野灘南部の熊野海盆には7つの泥火山がある。第1から第7熊野海丘とよばれている。これらの海域にもBSRが確認されていて、スルガシロウリガイ、キザミオトヒメハマグリ、ニヨリシロウリガイなどが生息する。室戸岬沖の室戸海丘ににも湧水生物群集があり、カイコウオトヒメハマグリが分布する。足摺岬沖の足摺海丘ではハオリムシ類が確認されている(藤倉ら, 2008)。
足摺岬、室戸岬の沖合では宝石サンゴ類が多く分布する(岩崎, 2008)ことから、珊瑚漁の漁場がある。熊野灘、土佐沖は魚類の観点からも生物多様性の高い場所である(木村私信)。
化学合成生態系
海山、海底谷
■基準1 |
【魚類】 |
イチハラビロウドザメ |
イレズミガジ |
インキウオ |
オロシザメ |
コンニャクハダカゲンゲ |
ソコカジカ |
チドリヒゲ |
バラビクニン |
フクメンイタチウオ |
ワニグチツノザメ |
【八放サンゴ類】 |
Acabaria modesta |
Anthomastus japonicus |
Eunicella pendula |
Melithaea flabellifera |
Minabea ozakii |
Paragorgia regalis |
Pennatula brevipenna |
Pennatula inermis |
Pennatula naresi |
Plumarella flabellata |
Plumarella lata |
Thouarella recta |
Villogorgia japonica |
【その他無脊椎動物】 |
Phoxichilidium ungellatum |
セイタカカワリギンチャク |
ヨロイウミグモ |
セイスイガイ |
■基準4 |
【魚類】 |
モミジザメ |
【八放サンゴ類】 |
Acabaria modesta |
Acabaria ramurosa |
Acalycigorgia densiflora |
Acalycigorgia inermis |
Acalycigorgia irregularis |
Acalycigorgia radians |
Acanella sibogae |
Acanthogorgia multispina |
Acanthoprimnoa cristata |
Anthogorgia bocki |
Anthomastus granulosus |
Anthomastus japonicus |
Anthomuricea brunnea |
Anthoptilum murrayi |
Arthrogorgia ijimai |
Calcigorgia beringi |
Calicogorgia granulosa |
Chromonephthea serratospiculata |
Chrysogorgia lata |
Corallium japonica |
Echinogorgia regularis |
Echinogorgia ridleyi |
Ellisella plexauroides |
Ellisella rubra |
Eunicella pendula |
Euplexaura anastomosans |
Euplexaura curvata |
Helicoptilum rigidum |
Heterogorgia papillosa |
Junceella juncea |
Kophobelemnon hispidum |
Melithaea flabellifera |
Menella lenzii |
Menella praelonga |
Menella spinifera |
Minabea ozakii |
Nidalia rigida |
Paragorgia regalis |
Pennatula brevipenna |
Pennatula fimbriata |
Pennatula inermis |
Pennatula naresi |
Pennatula sanguinea |
Plumarella flabellata |
Plumarella lata |
Radicipes pleurocristatus |
Sarcophyton acutangulum |
Siphonogorgia splendens |
Solenocaulon chinense |
Subergorgia thomsoni |
Telesto aurantiaca |
Thouarella alternata |
Thouarella hilgendorfi |
Thouarella recta |
Trichoptilum spinosum |
Umbellula eloisa |
Umbellula magniflora |
Verrucella miniacea |
Verrucella umbella |
Verrucella umbraculum |
Villogorgia japonica |
※掲載種は抽出基準に合致するとして解析に用いた種のリストであって、当該海域に分布する種全てではない。