環境省ホーム > 政策分野・行政活動 > 政策分野一覧 > 自然環境・生物多様性 > 生物多様性の観点から重要度の高い海域 > 沿岸域 > 11701 三陸海岸中南部
| 該当市区町村 | 岩手県釜石市、岩泉町、久慈市、宮古市、山田町、大船渡市、大槌町、田野畑村、普代村、野田村、陸前高田市、宮城県気仙沼市、女川町、石巻市、南三陸町 |
|---|---|
| 面積(平方キロメートル) | 1352 |
基準1、2、3、4、7、8が高く、MARXANにより選定されたため
三陸海岸中南部周辺の海域である。当該海域は連続してリアス式海岸が良好に保たれた代表的海岸である。陸中リアス式海岸の湾奥沿岸(山田湾、船越湾、大槌湾広田湾、志津川湾など)には海草藻場が広がり、アマモ、タチアマモ、スゲアマモ、スガモなどが生育する。特に山田湾の海草藻場は高い多様性がある純群落が存在する。しかし、2011年3月に発生した東日本大震災後、湾奥沿岸では、広田湾を除きアマモ類は低密度となっている(環境省, 2015)。また、志津川湾では、地盤沈下によりアラメ群落が岸よりにシフトしている(環境省, 2015。宮古湾、山田湾、釜石湾などの湾奥干潟群には浅海性のベントスの多様性が高い。震災後もベントスの多様性は維持されている場所もみられるが、個体数密度は低い状況となっている(環境省, 2015)。外洋に面するリアス式海岸にはコンブ場、ワカメ場などの藻場が混在して発達し、生産性が高い。エゾノネジモクの大群落もある。南部の南三陸沿岸にはコクガンが渡来する。万石浦は海草藻場、海藻藻場が混在する湾で、湾奥部にはアサクサノリの生育が確認されている。万石浦の黒島西岸のアマモは、震災後、回復の兆しががみられたが、2014年に消失した。また、カキ、アサリなどが豊富であった万石浦の干潟では、底生動物の種数は震災前までには回復していない状況となっている(環境省, 2015)震災前は、北上川河口(追波湾)にはヤマトシジミ、アサリ、コメツキガニ、アシハラガニなどが生息していたが、震災後、アサリやコメツキガニは確認されておらず、ヤマトシジミの個体数密度は低い状況であった。。また、長面浦にはアシハラガニ、アリアケモドキ、ホソウミニナが生息していたが(環境省,2001)、震災後はヨシ原に依存するカワザンショウ類やアシハラガニ、アカテガニなどがみられなくなった(環境省, 2015)。藻場は夏場はアオウミガメの摂餌海域となっている(山根ら, 2013)
| 干潟(平方キロメートル) | 0.2 |
|---|---|
| 藻場(平方キロメートル) | 67.5 |
| サンゴ(平方キロメートル) | |
| 自然海岸の長さ(キロメートル) | 1045.6 |
| 自然海岸の占める割合(パーセント) | 75.3 |
| 砂堆(在情報) | |
| マングローブ |
| ■基準1 |
| 【哺乳類】 |
| オットセイ |
| ゴマフアザラシ |
| 【鳥類】 |
| コクガン |
| 【魚類】 |
| カズナギ |
| ギンポ |
| 【貝類】 |
| ヤマトシジミ |
| 【その他無脊椎動物】 |
| Cribrina japonica |
| 【維管束植物】 |
| スゲアマモ |
| タチアマモ |
| ■基準2 |
| 【鳥類】 |
| アマツバメ(営) |
| イソヒヨドリ(営) |
| ウトウ |
| ウトウ(営) |
| ウミウ |
| ウミウ(営) |
| ウミネコ |
| ウミネコ(営) |
| オオセグロカモメ |
| オオセグロカモメ(営) |
| オオミズナギドリ |
| オオミズナギドリ(営) |
| クロコシジロウミツバメ |
| クロコシジロウミツバメ(営) |
| コシジロウミツバメ |
| コシジロウミツバメ(営) |
| コチドリ(営) |
| シロカモメ |
| ハシボソミズナギドリ |
| ハヤブサ(営) |
| ヒメウ |
| ヒメウ(営) |
| ヒメクロウミツバメ |
| ヒメクロウミツバメ(営) |
| ミサゴ(営) |
| ミツユビカモメ |
| 【魚類】 |
| イカナゴ(産) |
| クロソイ(産) |
| スケトウダラ(産) |
| マコガレイ(産) |
| マダラ(産) |
| ヤナギムシガレイ(産) |
| ■基準3 |
| 【鳥類】 |
| ウミスズメ |
| カンムリカイツブリ |
| クロコシジロウミツバメ |
| シノリガモ |
| ヒメウ |
| ヒメクロウミツバメ |
| 【魚類】 |
| ウナギ |
| カワヤツメ |
| カンキョウカジカ |
| シロウオ |
| スミウキゴリ(汽水型) |
| 回遊型カジカ |
| 【甲殻類等】 |
| アカテガニ |
| アシハラガニ |
| アリアケモドキ |
| チゴガニ |
| 【貝類】 |
| カワアイ |
| サキグロタマツメタ |
| タマキビ |
| 【その他無脊椎動物】 |
| ツバサゴカイ |
| 【維管束植物】 |
| アッケシソウ |
| タチアマモ |
| ■基準4 |
| 【鳥類】 |
| ウトウ |
| オオミズナギドリ |
| クロコシジロウミツバメ |
| コシジロウミツバメ |
| ヒメクロウミツバメ |
| ■基準7 |
| 【魚類】 |
| カワヤツメ |
| シワイカナゴ |
| ミミズハゼ |
| 降海型イトヨ |
| 【貝類】 |
| イボキサゴ |
| 【維管束植物】 |
| アッケシソウ |
| アマモ |
| オオクグ |
| オオシバナ |
| ■基準8 |
| 【天然記念物】 |
| 三貫島オオミズナギドリ及ヒメクロウミツバメ繁殖地 |
| 十八鳴浜及び九九鳴き浜 |
| 椿島ウミネコ繁殖地 |
| 日出島クロコシジロウミツバメ繁殖地 |
| 陸前江ノ島のウミネコおよびウトウ繁殖地 |
※掲載種は抽出基準に合致するとして解析に用いた種のリストであって、当該海域に分布する種全てではない。
生物情報の例の凡例:無印:その種の分布情報あり。(営):営巣地・繁殖地に隣接する海域。(産):産卵海域。(※):解析には用いていないが、種の生息が確認されたとして追加で掲載したもの。(★):解析には生息情報を用いたが、当該海域では近年生息・生育の確認がない、あるいはすでに絶滅した可能性があるもの。