自然環境・生物多様性

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国内での利用の実態

  • 趣味、教育などを通じて、幅広い年代に様々な形で身近に利用されている。
  • 特に品種改良種による様々な色のものが近年でも市場に流通している。
  • 一部の地域では、昔から食材としても利用されている。

1. 利用実態

飼養状況について
【一般】
  • アメリカザリガニの飼育比率及び平均飼育個体数と国内世帯数(2020年1月時点)から、全国で約65万世帯、約540万個体が飼養されていると推計される。
  • 調査によれば、「アメリカザリガニの採集経験あり」が38.3%、「飼育経験あり」が24.6%で、いずれも小学生時代が5~7割と多い。採取時期については、小学校高学年以降に大きく割合が下がるが、30代では子どもの影響か比較的増加した。
  • 飼養している個体の入手経路は、野外からの採取(86.7%)、ペット専門店(4.8%)、知り合いからの譲り受け(4.1%)、学校から貰う(1.9%)、お祭り(夜店)で購入(1.5%)等となっていた。
  • 飼育経験者のうち11.7%が野外へ放流(元いた場所が7.0%、別の場所が4.7%)していた。放流が比較的多かった属性として、70代、世話の担当が子供、繁殖をさせているなどの傾向がみられた。また、逃げ出してしまったという回答も1.9%みられた。
【教育関係者:幼稚園・保育園、小学校、中学校、高校の教職員】
  • 教育機関における飼育経験は全体で11.1%、特に幼稚園~小学校においては約3割だった。教材としての主な利用目的は幼稚園~小学校までは生き物と触れ合うため、中学~高校では自然の仕組みや外来種問題について学ぶためであった。
  • 教材として選択した理由としては、「観察がしやすい」(70.0%)が最も多く、次いで「入手しやすい」(55.0%)、「親しみやすい」(43.3%)、「飼育方法が容易だから」(41.7%)などが挙がった。
  • 飼養している個体の入手経路は、野外からの採取(55.5%)、教材会社で購入(23.3%)、ペット専門店(10.0%)、知り合いからの譲り受け(8.3%)、生徒からの譲受け(3.3%)となっている。
  • 飼育を行うに当たり参考にした主な情報源は、インターネット(63.3%)、教科書ガイド(56.7%)などであった。
  • 教育機関で飼育していたもののうち、野外への放流が21.6%(全て元いた場所)と、一般世帯の11.7%より高い傾向にある。
 

2. 流通の状況

【ペット利用】

  • ザリガニ類の国内の需要形態として、ペットのような鑑賞用、理科の教材、食用としての利用に大きく分けることができる。
  • 需要形態により流通の状況は異なり、野外から捕獲され釣り餌や食用、ペット、教材等として流通するルート、改良品種個体としてブリーダーや輸入により供給される個体が観賞魚市場を通じて流通するルートやネットを通じて取引されるルートが存在する。
  • 観賞魚市場を通じた流通は近年漸減傾向にあるものの、ネットを通じた流通ではそのような傾向は現状では認められない。これは2017年頃に改良品種として登場した「タイゴースト」が観賞魚店よりもネット販売が主な販売ルートとなっていることとの関係性が想定される。

【食材利用】

  • 千葉県北部から茨城県南部の利根川水系周辺では、夏季に食べる習慣がある。
  • フランス料理店、中国料理店などで食材としての利用があり、市場での流通も見られる。
  • 築地市場ではウナギ、ドジョウ、スッポンなどを販売する川魚業者が主に取り扱い、注文に応じた仕入れをおこなっている。
  • 中国ではアメリカザリガニ料理が広く普及し、養殖もされている。近年の在留中国人の増加に伴い、国内でもアメリカザリガニの食材としての利用が高まっている。冷凍個体が輸入されている。

都内中華料理店で提供されるアメリカザリガニ 都内中華料理店で提供されるアメリカザリガニ
 

【餌用】

  • アロワナ等の大型観賞魚用の餌、ウナギ釣りや海釣り用の釣り餌として、活き餌を中心に流通している。野生型のアメリカザリガニが、大きさ別に10匹以上のまとめ売りで販売される場合が多い。冷凍ものもある。
 ※2023年6月1日より、販売や購入等は規制対象となっています。