平成29年度環境省政策評価委員会 第3回議事録要旨

  1. 日時:平成30年3月15日(木)14:00~15:05
  2. 場所:環境省 第1会議室
  3. 出席者
    委員
    (委員長)
    須藤 隆一

    東北大学大学院工学研究科客員教授
    井村 秀文 横浜市立大学特任教授
    大塚  直 早稲田大学法学部教授
    河野 正男 横浜国立大学名誉教授
    崎田 裕子 ジャーナリスト・環境カウンセラー
    藤井 絢子 特定非営利活動法人 菜の花プロジェクトネットワーク代表
    細田 衛士 慶應義塾大学経済学部教授
    三橋 規宏 千葉商科大学名誉教授
    百瀬 則子 ユニー株式会社 上席執行役員 CSR部長
    山本 良一 東京大学名誉教授
    [欠席]
    鷲谷いづみ 中央大学理工学部人間総合理工学科教授
    事務局(大臣官房)
    米谷審議官、上田秘書課長、大森会計課長、松本総合政策課長、他
    環境省各局部
    中尾環境保健企画管理課長(環境保健部)、角倉総務課長(地球環境局)、廣木総務課長(水・大気環境局)、永島総務課長(自然環境局)、和田総務課長(環境再生・資源循環局)
  4. 議題
    (1)平成30年度環境省政策評価実施計画(案)について
    (2)平成30年度環境省政策評価に関する予定 (3)報告事項
     ・平成30年度環境省重点施策について
     ・第五次環境基本計画(案)について
  5. 配布資料
  6. 議事録要旨

〔議事録要旨〕

午後2時00分 開会

【事務局】
定刻となりましたので、ただいまから平成29年度第3回環境省政策評価委員会を開催いたします。
私は、政策評価室長の吉野でございます。今日はよろしくお願いします。ありがとうございます。
初めに、政策評価委員会開催に当たりまして、米谷審議官より御挨拶申し上げます。
【米谷審議官】
担当審議官の米谷でございます。
本日は、大変お忙しいところ、平成29年度第3回環境省政策評価委員会に御出席いただき、大変ありがとうございました。
委員の皆様方におかれましては、平素より政策評価につきまして、環境省の政策評価につきまして、御指導を賜り、厚く御礼を申し上げます。
さて、本日の政策評価委員会は、来年度に実施いたします平成29年度に実施した施策の事後評価、これの実施計画案などに対しまして、委員の皆様方から御助言をいただきたいと考えております。
現在、環境省では、環境基本計画、循環型社会形成推進基本計画の改定に向けて、議論を進めております。また、平成31年度の重点施策に向けた議論も開始をしたところでございますが、これらの政府の計画や、あるいは、今後、おまとめいただきます29年度の事後評価を踏まえて、31年度の重点について検討してまいりたいと思っておるところでございます。どうぞ忌憚のない御意見を賜りますよう、お願いを申し上げまして、私の冒頭の御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【事務局】
本日は、委員長を含めまして、10名の委員が御出席いただいております。鷲谷委員は所用のため、御欠席ということでございます。あと、環境省側ですけれども、官房総務課長がちょっと国会の関係で急遽欠席ということでございます。
そうしましたら、資料の確認をさせていただきたいと思います。資料につきましては、環境負荷低減の観点からペーパーレスということで、タブレットをお配りしていると思います。お手元のタブレットにて資料の御確認をお願いしたいと思います。
まず、幾つかPDFのファイルが並んでおりますと思いますけれども、今日は議事次第の紙だけ、次第の紙だけ1枚、これは配らせていただいておりますけれども、ここに配付資料一覧ということで、下半分に記載がありますが、資料1-1から資料4-2までございますので、タブレットのその中にここに記載のあります資料がちゃんと入っておりますことを御確認いただければと思っております。もし御不明な点とか、操作がちょっとわからなくなったとか、そういうことがございましたら、事務局のほうにお声がけをいただきたいと思っております。
よろしいでしょうかね。
これより後の写真撮影は御遠慮いただきますよう、お願いします。
以後の進行は、委員長にお願いいたします。
【須藤委員長】
かしこまりました。それでは、委員の先生方には、大変年度末の御多用の中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、議事進行を続けてまいりたいと思います。
まず、本日の議事でございますが、平成30年度環境省政策評価実施計画(案)について、事務局のほうから御説明ください。お願いいたします。
【事務局】
まずは、資料1-1を開いていただければと思います。これ自体は1枚紙でございますが、30年度の環境省政策評価実施計画ということでございます。こちらは、政策評価基本計画という28年の4月1日に改定をいたしております5カ年の計画がございます。そこにおきまして、毎年度、実施計画に落とし込んでいくということで、毎年度作成しておるものがこの実施計画ということでございまして、来年度の案ということで、今回、お示しさせていただいております。
この中身的には毎年度同じようなことが書いてありますけれども、一番大事なところというと、計画期間ということで、平成30年4月1日から31年3月31日までの1年間ということで、そこの1年間を対象にしていますよということが肝ということでございます。2ポツのところでは、具体的に平成29年度に実施した施策に対する評価を行うというところが今回のポイントというか、御確認をいただきたいというところでございます。3ポツ以降の方法等につきましては、毎年度、このところは変わってございませんので、省略をさせていただきます。
なお、平成は、御承知のとおり、31年度で終わってしまいますので、それはそのときに必要に応じて表記等は変えていきたいと、適正に直していきたいと思っていますので、その点は御承知おきください。
それから、続きまして、資料1-3というのを開いていただければと思っております。ちょっと1-2を飛ばしまして、1-3。
1-3は年度別の評価実施計画ということでございまして、ここに29年度から33年度までということで、5カ年のマトリックスが出ておりまして、各年度にどの施策について重点的に評価を行うかというところが示されております。平成30年度につきましては、これは毎年度、評価を行っております1番の地球温暖化対策の推進、それから10番の放射性物質による環境汚染への対処ということに加えまして、4番目の廃棄物・リサイクル対策の推進、6番目の化学物質対策の推進、7番目の環境保健に対する推進という、これを加えました五つの施策につきまして、平成29年度に実施した施策に関する事後評価書を作成するということになっております。
よろしいでしょうか。大丈夫でしょうか。
【須藤委員長】
よろしいですか、ただいまの事務局の御説明。これで何か御質問はございますでしょうか。
例年と同じなので、年度がかわるだけのことのようですけれども、平成30年度は、資料1-3にあるような、地球温暖化対策の推進と廃棄物・リサイクル対策の推進と化学物質対策の推進と環境保健対策の推進と、それから、放射性物質による環境汚染への対応ということについて実施するということで、今回は進めるとします。
前からこれはローテーションで決まっておりましたので、例年どおりの順繰りでやる、こういうことになってございます。よろしければ、それで御承認というか、例年通りのやり方でございますので、それに追随してやっておくのが妥当だろうと思いますので、これでよろしいでしょうか。
それでは、特に御異議がございませんので、事務局は平成29年度の実施施策に関する事後評価書の作成準備をぜひお願いしたいと思います。
【事務局】
大丈夫でしょうか。一部、ちょっとうまく開けなかった方もいらっしゃったようですが、大丈夫ですか。
すみません、1つ私も飛ばしましたが、資料1-2と1-4というのがございまして、一部、環境省の施策体系を修正する部分がございます。まずは先に1-4を開いていただければと思っております。
国際環境旅客税の使途に関する基本方針等についてということで、自然環境局のほうから説明をお願いいたします。
【自然環境局】
昨年12月に政府全体として、平成30年度の税制改正大綱というものが閣議決定されました。その中に、国際観光旅客税を創設するという話が入っておりまして、具体的には、日本人、外国人を問わず、日本からの出国1回につき1,000円を課税するというものでございまして、この適用時期については、平成31年1月7日から適用するということになっております。
資料1-4は、この国際観光旅客税に基づく税収を何に使うかということについて、政府の観光立国推進閣僚会議で決定された内容になっております。前文の下の記というところ以下を見ていただきますと、国際観光旅客税の使途に関する基本方針がございます。こちらでは、訪日外国人旅行者を2020年に4,000万人にするという、政府全体の目標があり、この達成に向けて、①として、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、②として、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、③として、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上が使途として掲げられております。
環境省では、この政府全体の2020年4,000万人という目標の一部を担うものとして、国立公園満喫プロジェクトを実施しており、その中では、2020年に国立公園を訪問する外国人数を,000万人にするという目標を掲げております。このため、国際観光旅客税の使途としても、③の中で、自然等を活用した観光資源の整備等が入っており、これに対応する予算を計上しております。
資料1-4の2ページ目を御覧ください。真ん中に表がございますけれども、表の一番下に③という部分がございますが、ここに文化財や国立公園等に関する多言語解説の整備として2.5億円、環境省というふうになっております。この国際観光旅客税の税収のうち2.5億円分について、平成30年度国立公園に関する多言語解説の整備に充てるという予算案となっております。
これに伴いまして、この税収の使途については、しっかりと政府全体として見ていく必要があるということで、政策評価体系についても変更させていただきたいと考えております。
資料1-2を御覧ください。資料1-2の政策評価体系の5ポツに「生物多様性の保全と自然との共生の推進」という項目がございます。この中に5-7として新たに「国際観光資源の整備」という項目を立てさせていただきまして、評価の中でもしっかりとこの部分について見ていっていただきたいという御提案でございます。
以上、よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
どうも御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの自然環境局の分についての御説明、新たな課題として取り上げていただいている自然環境の観光税の話題でございました。何かさらに御質問、どうぞ、山本先生。
【山本委員】
大変結構なことだと思います。
私は、新宿御苑のそばに住んでおりまして、年間2,000円で入り放題のパスポートをいただいて、1年に100回くらい行っているんじゃないかと思うくらい行っているんですが、実は、今日の午前中も行ってきたばかりなんです。桜がどのくらい咲いているかと思って。
それで、申し上げたいのは、新宿御苑は今日の午前中ももう外国人でいっぱいなんですよ。ところが、その英文とか多言語表示のところが物すごく弱くて、私は、新宿御苑はもう代表的な外国人にとっては観光名所になっていて、ですから、トイレの場所とか出口とか、そういう表示ばかりじゃなくて、もっと内容についてちゃんと説明をすることをやっていただきたいと。ゆりのきレストランというレストランがあるんですけど、あれは私もしょっちゅう行っているんですが、外国人が入ってこないんですよ。全然わからないから、外国語で説明がなくて。あそこでエコクッキングの説明をしているんだけど、全部日本語なんですよね。だから、とにかく新宿御苑は、私の感じでは代表的な観光名所に外国人にはなっているようですので、ぜひ、多言語による宣伝というか表示をお願いしたいと、そういうことでございます。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それでは、三橋先生、どうぞ。
【三橋委員】
結構な試みだと思いますけど、実際に多言語解説の整備という中身はどういうことをお伺いになっているんですか、この2億5,000万円の枠の中で。
【自然環境局】
多言語化については、新宿御苑も含めて進めていきたいと思っております。新宿御苑は年間約200万人の来場者があるんですけれども、そのうち半分は外国人という状況であり、そのニーズを満たすためにも、しっかりと多言語化を進めていく必要があると思っております。
具体的に、今、検討しております2.5億円の使途でございますけれども、単に多言語化ということで、日本語の解説を外国語に直しても、日本人として持っている背景的な知識が外国の方にはないので、理解ができない。特に歴史とか地理とか、そのような部分については理解できないということなので、日本語を訳すということではなくて、ネイティブの人の観点から日本の文化や自然、あるいはエコクッキングみたいなものも含まれるかもしれませんけれども、そういったものを理解していただくためには、どういうふうにしていったらいいのかという、外国人目線での多言語化というのを進めたいと思っております。
多言語化についても、日中英韓と、4カ国語だけではなくて、タイですとか、そのほかの国からの観光客も増えていますので、そういった、言語にも対応出来るよう、多言語化を進めていきたいというふうに考えております。具体的には、国立公園や国民公園の看板、あるいは、アプリケーションやビジターセンターの展示物などについての多言語化を進めていきたいと考えております。
【須藤委員長】
百瀬先生、では、どうぞ。続けて。
【百瀬委員】
ありがとうございます。
表示ももちろん大事だと思いますが、今、外国から来ていらっしゃる方も皆さんiPadなりスマホを持って、それを見ながら歩いていらっしゃるので、ウエブ上だとかアプリだとかで表現していただいた方が利便性と経済性が高いと思います。また、看板やパネルの表示ですと、ある程度の面積ですとか限られた内容の表示になってしまいます。SNSですとか、今の若者が情報を得るために使うような手段でやっていただくと、多分、日本にまだ入国する前からいろいろと調べて、観光ルートや目的に沿った旅程作りのヒントになると思いますので、ご検討お願いしたいと思います。
【須藤委員長】
ありがとうございます。
河野先生。
【河野委員】
環境政策という観点といいますか、そういう視点から見たとき、5の中に自然環境とか野生生物とか動物愛護とかありますが、そういうものと国際観光資源というのとどういう折り合いを付けるのですかね。ちょっとお考えを御説明していただければと思います。
【須藤委員長】
それは、自然環境局の全体としての話ですね。どうぞ、今の御説明をお願いします。
【自然環境局】
まず、内容について、先ほど申し上げませんでしたけれども、セルフガイドアプリとかデジタルプロモーションも考えております。ただ、ちょっとまだできるかどうかわからなかったので、そういう視点は持っておりますが、説明には入れてはいなかったということです。
それから、国際観光資源がどういうふうに自然環境保全あるいは環境全体に関わってくるかということですけれども、これは国立公園の満喫プロジェクト自体とも関わるんですけれども、もともと国立公園については、保護と利用という2本柱だったんですけれども、どちらかというと、これまでは保護に重点が置かれておりました。満喫プロジェクトにより、「利用」という面にももう一度光を当てて、インバウンド、すなわち外国人目線で国立公園のよさというものを再発見して、保護をしながら利用していただく。その利用したことによって、地域などにもお金が落ちる。そのお金というものをまた保護や地域の活性化にも回していく。こういう好循環をつくっていきたいと考えておりまして、観光を進めることによって、保護と利用が一層進むという観点から、この環境政策の体系の中に位置づけさせていただいております。
【須藤委員長】
今のについて、どうぞ、河野先生のほうで。
【河野委員】
ただいまの御説明ですと、特に利用という観点からいきますと、別に外国人に限らない。人数的には日本のほうが多いんじゃないかと思います。日本の方にも当てはまる話ということで、理解してよろしいんですね。
【須藤委員長】
そのようです。どうですか。
【自然環境局】
それで結構でございます。
【須藤委員長】
じゃあ、そのように、今後ももっとそういう観点にして発展させていただきたいと思います。
よろしいでしょうか。どうぞ、崎田先生。
【崎田委員】
ありがとうございます。
ちょっと視点が別なので、最後に。
【須藤委員長】
今の問題ですか。
【崎田委員】
今の国際観光。
【須藤委員長】
国際の観光資源の観光。
【崎田委員】
じゃあ、国際観光資源の話が終わってからで結構です。
【須藤委員長】
もう、一区切りついているからどうぞ。
【崎田委員】
すみません、ありがとうございます。
今回、この新しい税収の使い道ということで、自然環境国立公園とか、そういうところはしっかりと多くの方に活用していただけるように整備するというのは大賛成です。それで、一言申し上げておきたかったのは、これからいろいろ世界の方がこれだけの規模で来てくださるようになると、視点が例えば今、持続可能な社会という中で、環境政策から少し遠い感じの人権労働、いわゆる適正な事業観光とか、そういうところへの関心がすごく高まっていまして、きっとそういう宗教、言語、人種とか、あと性的な指向とか、そういうことを全て越えたインクルージョン、全ての人が主役でいられるような社会にというような呼びかけが急激に今、広がってきていますので、実は東京2020の会議の中でも持続可能性の分野の中でそこの検討が少し遅れていたんですが、ここのところ、いろんな国際NGOからの意見提示などが非常に強くて、急激に今、そこを強めているというのもあります。
そういうような広がりがある分野だというふうに思っておりますので、回り回ってやっぱり持続可能性という環境政策の中でいえば、8番のところの統合的な向上とか、いろんなところに影響してくるんじゃないかなという気持ちも持っておりますので、ぜひ、そういう視点で、この世の中の変化を見続けていただければ、ありがたいというふうに思います。
ちょっと一言発言させてください。
【須藤委員長】
わかりました。それでは、ただいまの持続可能なその目標の中でも位置づけて、それは広く捉えて、その差別の問題やら何やらを越えてほしいというようなことだと思うんですが、それはそれでよろしいですよね。
どうぞ。
【事務局】
すみません、この後、また重点とか基本計画とかを御報告いたしますけれども、その中でも環境・経済・社会の統合的向上ということで、そういういわゆる今、世の中でもESG投資が流れですけれども、そのSの部分ですよね。そういったところの注目度も高まっていますし、そういったところ、とにかく広い視点で考えていきたいという、そういう視点は、我々は持つようにしております。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それでは、観光税の問題はこの程度にして、次に、平成29年度の実施政策に関する事務局評価書の作成準備をいただくわけですが、続いて、議題の2として、平成30年度環境省政策評価に関する予定について、事務局から説明をお願いいたします。
【事務局】
続きまして、資料2を開いていただければと思っております。
今後の予定についての1枚紙を入れてございますが、まず、今、平成30年3月ですけれども、また来年度に向けまして、差し支えなければ、引き続き先生方にお願いをして、委員として御意見をいただきたいと思っております。それから、6月ですね、今、作成に向けた準備ということで、委員長からもお話がありました。今後、その事業評価書の作成ということで入ってきます。例年スケジュールと同様に、6月末を目処に各部局から評価書を取りまとめるということにさせていただきまして、7月でその評価書をまずは御議論いただく委員会を1回開かせていただきたいと思っております。その意見を踏まえまして、修正をした評価書に続いて、8月の大体、中旬辺りにやっておりますけれども、2回目の委員会を開きまして、そこで再度改めて御報告をさせていただきたいというふうに考えてございます。以降は、省内の手続を経まして、政務三役への説明も行いまして、8月末に評価書を取りまとめるというスケジュールで考えております。
お忙しいとは思いますけれども、また来年度も委員会への御出席、御協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【須藤委員長】
ありがとうございました。今、3月中旬ですけれども、8月までに3回の事後評価を含めまして、先生方にはお力添えをいただかなくちゃいけないということで、個別にそれぞれもしかしたら個人の御都合等もあるかもしれませんが、この場では引き続きこの政策評価委員会で評価をいたしますので、御参加をいただくということで原則的にはお願いをしておくということで、よろしいですね。
【事務局】
はい。
【須藤委員長】
ということで、まずは、何か御意見はございますか、このやり方については。例年ですので、これでお許しをいただきたいと思います。
それでは、今のような資料2に書いてありますような予定で、平成30年度の環境省政策評価に関するこれからのスケジュールということで、お認めいただいたということにさせていただきます。
それでは、続きまして、その他、次の議題の3ですね。報告事項がございます。たくさん報告事項がございますので、大変時間を制限されておりますので、要領よく資料3-1から4-2までの御説明を事務局のほうからお願いします。
【事務局】
まず、今日は重点施策と、あと環境基本計画ということで、御報告させていただきたいと思っておりまして、説明に使わせていただきますのは、3-1と4-1ということで考えております。
まず3-1について、開いていただければと思っております。3-1、こちらは、昨年の年末に決定をいたしました環境省の重点施策の概要でございます。
ざっとになりますが、まず、1ページ目で全体の金額が書いてございますけれども、大体、環境省の予算が今、合計で1兆円ということになってございまして、一般会計、それからエネルギー対策特別会計、それから復興特別会計ということで、一般会計とエネ特が大体1,500億円ずつ、それから残り7,000億円ぐらいが復興特ということでありました。30年度につきましては、一般会計とエネルギー特会に関してはあまり変わっておりませんけれども、復興特会の関係は若干、除染が一定の進捗を見たということで、多少減りまして、全体、こんなことになってございます。
2ページ目のところで、重点施策の概要ということであります。柱を幾つか立てておりますけれども、1番のところで、まず、環境問題と社会経済問題の同時解決に向けた政策展開ということで、横串的な部分のページを設けております。これは先ほど崎田委員からも御指摘がありましたけれども、環境問題だけでなくて、環境問題はもちろんいろんな社会経済の問題と密接に関わっていますので、環境問題の解決を考える際には、当然、社会や経済の問題も考えていかなくちゃいけないということでございまして、もちろん古くは環境と経済の両立とか、両立ってまだ言っていますけれども、前は経済と調和みたいなことを言っていて、その後、環境と経済の両立ということで出てきて、その後、基本計画で環境・経済・社会の統合的向上ということを位置づけ、その三者が高め合いながら伸びていこうよという、そういう考え方でもって進めております。
その統合的向上というのは変わっておりませんけれども、さらに一歩進めたようなことで、新たな成長の牽引力となるということですとか、同時解決だということで、いろんな問題を一体的に同時に解決していこうと、そういう姿勢で環境政策をデザインしていくという考え方で取り組んでおります。幾つか(1)から(8)までですか、このページには書いておりますけれども、気候変動対策につきましても、一大市場をつくっていくと、ZEHとかグリーンボンドとか、そういうキーワードが並んでいますけれども、市場をつくっていくぞという、そういう取組。それから、資源循環につきましても、ビジネスにつなげていくとか、そういう視点をより持っております。それから、観光立国、これもインバウンドの増加ということを念頭にと、そういうことも目的にして取り組んでいくということ等々、そういう社会、経済を引っ張る、それから社会問題の解決にも貢献するといったような視点での取組をここにまとめてございます。
続きまして、3ページ以降が、ここは各個別の分野ということでございますが、まず、3ページのところは、2ポツですね、国内外で進める気候変動対策ということで、これは2030年目標の着実な達成に向けて取り組むとともに、世界全体の削減に貢献するということで、まずは、抜本的な再エネですね、それから徹底した省エネということで、これは民生部門、それから物流部門、廃棄物の分野等々ございます。それから、フロン対策ということで、今国会にも一部オゾン層の保護の法案が出ておりますけれども、そういったものを含めての制度的な検討。それから、中長期的な視野でもってカーボンプラインシングの検討ですとか、イノベーションの促進等々あります。それから、(6)のところは、気候変動適応対策の強化ということで、今国会にも法案を提出しておりますが、適応策についての充実・強化ということでございます。
それから、4ページ目は被災地の環境再生と国内外における資源循環の展開ということで、福島の環境再生・創生、これは特定復興再生拠点の整備というものに環境省でも役割を果たしていくということ、それから中間貯蔵施設の整備、これを着実に進める。それから、新しい視点として、まちづくりを進めるときに、低炭素・資源循環という視点を入れたまちづくりをしていくためのフィージビリティーのスタディーの事業といったものを並べております。それから、(2)のところは、この辺は引き続きの指定廃棄物ですとか健康管理、リスクコミュニケーションの対策ということでございます。
下半分は国内外の資源循環・適正処理ということで、これは、毎年、施設整備のニーズが非常に高い一般廃棄物処理施設の整備についてしっかりと確保していくといったようなことを含めまして、必要な対策を並べております。
続きまして5ページになりますが、魅力ある我が国の自然の保全・活用といきものとの共生ということでありまして、これも国立公園満喫プロジェクトの推進でありますとか、名古屋議定書の実施を通じた遺伝資源の適切な研究開発の推進等々、あとはヒアリの問題も昨年は話題になりましたけど、今は冬場で落ちついておりますが、そういったものを含めまして対策を並べております。
それから、5の下半分で安全で豊かな環境基盤の整備というところで、これは、また今年度、一部期限が来ますPCBの処理、それからマイクロプラスチック対策を含む海洋漂着物等地域対策等々といったものを盛り込んでございます。
税制改正の関係は6ページ以降ですけれども、ここは、大きな話としては、地球温暖化対策税については、着実に実施ということでありますとか、あとは、森林環境税の創設が決まったというところでございます。
あと、細かいところは継続のものが多いということでありまして、ちょっとページを飛ばしていただきまして、9ページですか。機構・定員の概要ということであります。まず、機構では、政策立案過程総括審議官ということで、いわゆるEBPMと言われている部分に政府として対応するための組織を環境省としても新設すると。それから、国際協力・環境インフラを戦略的に展開するところの室長です。それから、福島の関係ですと、地方環境事務所の管理体制の強化ということで、次のページ、10ページに載っておりますけれども、所長を格上げいたしまして指定職にして、部長級を設けましてピラミッド型の組織にしていくということでガバナンスを強化するということでございます。
重点施策の説明につきましては、以上でございます。
続きまして、資料4-1、基本計画(案)の概要を開いていただければと思います。よろしいでしょうか。
まず、表紙がありまして、最初のページに全体構成ということが書いてございまして、第1部から第4部までということになっております。第1部のところは、現在の環境・経済・社会の状況と今後の方向ということで、環境だけじゃなくて、経済・社会が今こんなになっていますよという現状についても触れておりますと。
それから、第2部のところで具体的な展開ということですが、分野横断的に六つの重点戦略という、これ、後ほど出てきますけれども、設定をしておりまして、パートナーシップですとか地域循環共生圏の創造といったことをキーワードとして掲げております。
それから、これは分野横断的なということでありまして、環境リスク管理等の環境省がこれまでやってきた柱的な施策は、その重点戦略を支える環境政策として揺るぎなく推進するということでございます。
それから、3部、4部については、PDCAを回すとか、そういったところのものでございます。
次のページ、2ページを御覧いただきますと、ここは御承知のとおり、我が国が抱える環境・経済・社会の課題というのはたくさんあって、それぞれが相互に関係しているということですので、そこを統合的に向上していかなくちゃいけないという問題意識でございます。
それから、3ページのところは、国際的な潮流ということでSDGsですね。2030年アジェンダの採択ですとか、パリ協定が2015年に採択をされまして、これが大きく時代の転換点となって社会全体を文明のあり方から変えなくてはならないのではないかという問題意識であるということでございます。
それから、4ページのところが、基本的方向性ということですけれども、ここで目指すべき社会の姿ということで、まず1番目、地域循環共生圏の創造ということで、右側に絵がありまして、我々、でんでん太鼓とかよく言っておりますけれども、都市と農山漁村がありまして、それぞれの中でもいろんな資源を積極的に活用していく、それから、農山と都市、相互の関係というところもしっかり考えていこうということでございます。
それから、世界の範となる日本の確立ということで、公害を克服した歴史、環境技術、循環と共生の精神といったようなことを大事にして、持続可能な循環共生型社会、環境・生命文明社会ということで銘打っておりますけれども、そういった社会を実現していこうという考え方でございます。
アプローチということで、SDGsの考え方というのも活用して、同じような考え方、シンクロしていると思っていますので、そういったところも活用して環境・経済・社会の統合的向上を具体化していくということで、環境政策を契機に、あらゆる観点からのイノベーションということですね。これは技術だけじゃなくて、社会のあり方とか、ライフスタイルとか、そういったものを含めてのイノベーションだというふうに考えておりまして、いろんな課題の同時解決を図る、それから新たな成長につなげていくと、こういう視点でもって取り組みたいということでございます。
それから、2番、3番に書いているようなことで、環境で地方を元気にとか、パートナーシップの充実・強化というところの視点、こういったものもアプローチとして考えております。
それから、次のページ、5ページですが、施策の展開ということで、六つの重点戦略というものを設定しております。ここに書いてあります六つですが、1番目が経済ですね。グリーンな経済システムの構築ということで、ちょっと逐一は御説明しませんけれども、ESG投資を初めとした今の社会の流れをうまく捉えていきたいということでございます。
②のところで国土のストックとしての価値の向上、これまで適応策ですとか、今、Eco-DRRということで生態系を活用した防災・減災の考え方、そういったものもしっかり取り入れていくよということ。
それから、③のところでは、持続可能な地域づくりということで、先ほどの地域循環共生圏を実現していくための具体的な取組です。
それから、④で健康で心豊かな暮らしの実現ということで、この辺はCOOL CHOICEでありますとか、倫理的消費、エシカル消費でありますとか、そういったものを、働き方改革を含め、いろんなライフスタイルの変革を捉えていこうということでございます。
それから、⑤が技術ということで、環境分野からイノベーションを引き起こしていくということでございます。
それから、⑥が国際貢献ということで、環境インフラの輸出であるとか、適応についても途上国の支援等々、しっかり取り組んでまいりたいということでございます。
これが重点戦略でございまして、次のページが重点戦略を支える環境政策ということで、ここは御覧のとおりのこれまで環境省としてしっかり取り組んできた部分につきまして、引き続きしっかり取り組んでまいりたいということでございます。ここは揺るぎなく推進をしていくということでございます。
これ以降は参考資料ということで、それぞれ重点戦略を深堀りした部分でございますので、説明は省略させていただきます。
私からの御説明は以上でございます。
【須藤委員長】
3-1から4-2まで全部説明していただいたと考えてよろしいですか。
【事務局】
はい。
【須藤委員長】
わかりました。
我々が政策評価を進めていく上で必要なただいまの今まで決まっている環境省の重点施策やら環境基本計画について御説明をいただいて、それを一つ一つ取り出せば切りがないほど、先生方からも御意見があろうし、質問があろうかと思いますので、せっかく、今、概要として御説明をいただいたので、特に重点施策なんかについては、先生方、御意見があるんだろうと思いますので、やりとりをするというよりも、今、10人の先生がいらっしゃるので、一人1分ぐつ御意見をいただければ、政策評価室も、それは役に立つだろうと思います。やりとりは、どこどこの局が答えるというよりも、先生方の御意見を私は伺ったほうがいいと思いますので、今日はそういう意味で時間が短いので、山本先生のほうから順番に1分ずつぐらい御意見を拝聴したいと思います。
【山本委員】
じゃあ1分で。
【須藤委員長】
1分はちょっと超えてもいいですが。
【山本委員】
1分でいいです。
私は、一番心配しているのは気候変動の深刻化という問題で、これは全世界的にもう表れていて、今年の秋には御存じのようにIPCCの「1.5度特別報告書」が公表されると。
それで、心配しているのは、もうゼロ・エミッションへ向けて世界が動いている中で、我が方はどうかという問題で、それで、最近、アイルランドとかオランダは、要するにゼロ・エミッションをやるためのネガティブ・エミッション・テクノロジーという、そういう技術をそれぞれの国の国情に合わせて検討して、優劣を議論して、報告書に出しているわけですね。ところが、私が調べたところでは、日本ではまだ、日本でゼロ・エミッションにするときにどういう技術、どういう優劣があるかというような検討が、組織的に行われていないというところが大変心配で、ぜひその問題をどこがやるのがいいのかわかりませんけれども、日本としてもやったほうがいいんじゃないかと、それだけです。
【須藤委員長】
それぞれ特に、地球環境局、今の御意見は十分に参考にしてくださいね。
じゃあ百瀬先生、どうぞ。お答えはやりませんので、時間の関係で。それぞれの御意見を今日は伺うということにします。
【百瀬委員】
いろんな施策がありますが、一般国民、もしくは消費者が自分たちの生活の中で、それらの重点戦略であったり、施策とどう結びついているのかということをもう少しわかりやすく説明していただき、一人一人が何をしたらいいのか、どんなことに貢献できるのかということを分かりやすく表現していただければと思います。
例えば、私は、容器包装のリサイクルの委員でもありますが、容器包装、特にプラスチック製容器包装については、ただ単に廃棄物をリサイクルするということだけではなくて、例えば海洋汚染のマイクロプラスチックの大きな原因になっているわけです。それを消費者は御存じかというと、あまり御存じじゃない。消費者が、例えば、容器包装の中の無くても困らない物、例えばレジ袋とかの使用をやめてしまおうと、そうすれば、海洋汚染をこれ以上広げないということで私たちは貢献できるじゃないか。また、バイオマスプラスチックという植物由来の容器包装も結構使用していますが、それに対して評価されていません。容器包装リサイクル法はリサイクルの法律だから、石油由来であろうが、植物由来であろうが、同じプラスチックという扱いなのです。小売業や外食産業としては、バイオマスプラスチック製容器包装を長らく使用する努力をしてきましたが、何も評価されないのであれば、コストばかりかかるのでやめてしまおうかという傾向が最近見受けられます。そうした中で企業CSRとしては抵抗を示すのですが、難しいところです。社会全体として、そういった消費生活と環境汚染だったり、もしくは、ここにある持続可能な社会を支える技術につながることを日常生活の中で感じたり、支援したり、実施したりということが本当は、サスティナブルな社会をつくるということにつながるということを環境省の重点施策やら環境基本計画の中で、もう少し出していただければと思います。
COOL CHOICEと国民運動も、目的はCO2削減のことだけなのですよね。もう少し一般の国民生活の中が、資源循環や自然共生など、いろいろなところがつながっているんだということわかってもらえるような、そういう表現をしていただければと思います。
取りとめもなく失礼いたしました。
【須藤委員長】
いえいえ、どうもありがとうございました。
それでは、三橋委員、続いてお願いします。
【三橋委員】
幾つかあるんですけど、まず、六つの重点戦略の中で④ですね。健康で心豊かな暮らしの実現の中で、実は、今、大きな問題になっている受動喫煙なんかの問題が入っていないですよね。これ、やっぱり厚生省がやるからというような、こっちで外してあるとすれば、これから環境省がいろんな形で重点戦略に取り組む場合に、他省との接点みたいな部分が非常に多いわけですよ。その場合に、これはほかの省がやるからみたいな形で抜けちゃうと、非常に中身の薄っぺらなものになってしまう傾向があるんですね。だから、その辺は従来のやり方に対して、思い切って踏み込んでみるというような戦略の立て方が重要じゃないかなというふうに思います。
それと、六つの重点戦略の中の②、国土のストックとしての価値の向上、これで最後のほうに、今、話題になったマイクロプラスチックの話が出ていますね。やはり、今、割と環境に熱心なヨーロッパなんかでは、一部で、もうプラスチック製品を使うのをやめようじゃないかというような、かなり大胆な問題意識が出ているわけですよ。そういうようなことも対策だけじゃなくて、むしろ、化石燃料の使い方ですか、プラスチックはもういろいろ弊害が多いからやめちゃうと、そういうような問題意識を環境省なんかは長期的に提起していくようなことが必要なんじゃないかなというように思うんですね。すぐできないにしてもですよ、やはりそういう、ヨーロッパというのはやっぱり思い切ってそういう大胆な発想をするんですよね。今、プラスチック容器なんか廃止しちゃったら、物が回らなくなるんじゃないのという、すぐそういう反論なんかが出て、うやむやになっちゃうような部分があると思うんですよ。プラスチックをやっぱり容器包装として使わないというような形で食品の流通などはできるのか、できないのかわかりませんけど、そういう問題意識なんかもやっぱり環境省はちょっと持っておくべきだろうと思うんですね。
この六つのあれではないけど、相変わらず原発の問題とか、化石燃料の問題なんかというのは環境省にとって非常に気になる問題だけど、例えば原発なんかみたいに今の日本の政策みたいに徐々に縮小していくとか、やめるというようなことがないと、イノベーションというのは起きないんですよ。だから、30年いっぱいで原発をやめるんだ、やめるということが決まっていればイノベーションというのが起きて、すごく経済が活性化しますよ。しかし、それをわずかなパーセンテージでも残しておこうというような形でやればイノベーションは起きませんよ。こんなの経済学の大前提ですよ。
そういうようなことをやっぱり環境省としてもどんどん言っていったらいいと思うんだね。そうすれば、すごいイノベーションが起こってくると思うんです。そういうようなちょっと問題意識というものをやっぱり欲しいなと。やはりこれから環境省は、予算とか人数、少ないかもわからないけど、求められているものは大きいんだから、大きな構想を持って取り組んでいくということで、省庁の縦割り行政をやっぱり取っ払っていく知恵をどんどん出してほしいなということです。
【須藤委員長】
わかりました。ありがとうございます。
細田先生、どうぞ。
【細田委員】
それでは3点申し上げます。1点は、まさに三橋委員がおっしゃったこととも関係するんですけど、他省庁との関係で、やはりそろそろ霞が関の変な壁をやめてやっぱり言うべきことは言わなきゃいけない。例えば、受動喫煙防止法なんていう、これ、もう世界の恥さらしで、これ、絶対に記録にとどめてほしいんですけど、韓国、台湾は非常に厳しいんですね。北京でさえ、今、レストランではたばこは吸えない。ペナルティーは2万円ぐらいとられちゃうんですね。彼らは確実にとりますから、誰も公共の場所では吸わないと。日本だけがガラパゴス化して、2020年は本当に僕は大恥をかくと思うんですが、ちょっとすみません。本当はそれを言いたいんじゃなくて、今般、国土交通省が紙おむつをディスポーザーで捨てていい、それの検討を始める。確かに、高齢者の家庭で何とか処理しにくいというのがあるかとは思うんですが、一方で、今、紙おむつでさえリサイクルができると。LCをやってどうかという検討をしなきゃいけないですけど、一方で野方図でシンクに捨てていいんですよなんてやったら、もう、ごみ問題なんてやる必要がなくなっちゃうわけですよね。国交省は一体何を考えているんだということを環境省からぜひ、そこは必ずしも否定するわけではなくて、言う必要があると思います。
2番目、参考資料で出てくるんですけど、例えば環境ビジネスの拡大とかバリューチェーンとか非常にすばらしいことが書いてあるんですけど、本当に、ごめんなさい、ちょっときつい言葉で言うと、環境省はやる気があるんですか。
例えば、海外の静脈企業を見てみると、ヴェオリア、スエズとか、ウェイスト・マネジメント、リパブリック、あるいはレコロジー、非常にすぐれた大手企業が出てくる。大企業がいいと言っているじゃないですよ。ビジネスマインドを持って効率的に収集運搬をし、効率的に資源循環をする企業が出てくるのに、日本は一向に出てこない。すごく縛りがあるわけです。ようやく、いなくなっちゃったけど、中尾さんが産廃課長をやられたときに、廃棄物業務の振興策という、ようやく環境省が出されて、ぜひそういう方向を強めて、ビジネスマインド、健全なビジネスのやり方、損をしないでちゃんといくようなそういう配慮をしていただきたい。
それとの関連で3番目ですけど、やっぱり収集運搬、これを非常に効率的にやる。今般、東京都の収集運搬業者が、もう事業系一廃が非常に無駄が多いんですね。大体パッカー車に6割も入っていない、それがたくさん走っていて、CO2をまき散らしているわけですよ。それを共同配送しようと。東京都がやっぱり音頭を取って実証実験をやったらCO2は減るわけです。パッカー車の数も少なくて済む、ビジネスがだめになるわけじゃない、それができるのに、今までそういう応援を行政はしてこなかった。つまり、皆さんは、こういうことをお書きになりながら、実は本当は何もやっていなかったんです、これまで。効率化するようなことは。むしろ、その足を引っ張るようなことをやってきたんです、聞いてみると。そういうことは絶対にやめていただきたい。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それじゃあ、藤井先生、どうぞ。
【藤井委員】
資源循環のことで一つ、今、紙おむつのことを申し上げようと思ったら、もう細田先生がおっしゃったんですが、福岡県のみやま市は、ずっと町中に紙おむつの収集ステーションがあって、もう既に動いている。その後、国交省のものを聞いて、ディスポーザーだと。下水道に負荷をかける運動ではなくて、資源にする中で何ということをというので、それを申し上げようと思ったのをもう言ってくださいました。
もう一つ、国際循環です。中国が大変、輸入規制をかけた中で、プラスチック、紙を含めて、今、大変な動けなくなっているイーウエスト。1月からはもうこうなっている事態、御存じでしょうかね。もうステーションに行ったら山積みになっていますよ、動けなくなって。そういうことをやっぱり国内循環を旨とするというときに、国際循環も含めて循環型社会だとやってきたところが、今、中国のこの動きの中で大変なことになっていて、きっちりとそこのところの問い直しが必要ということと、あと、福島が一つです。福島を元気にということのようですが、水素ステーションであったりドローンであったり、それからロボットであったり、そういうことができることで福島の特に集中して行われている南相馬を含めて、随分変わっていますが、町の人たちがこれで元気になるなんて誰も言っていないんです。地域の中で暮らしが本当に根づくためにどういう技術と場と、それか働くということが、農業を含めてです。そこをやらない限り、なんぼ先端技術のステーションができても、それは福島の再生にはならない。だから、これで環境省は目玉ですというのはやめていただきたいというふうに思っています。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それでは、崎田先生、どうぞ。
【崎田委員】
ありがとうございます。私、二つ申し上げようと思っていました。一つは、今、藤井委員がおっしゃったことと同じ地域の話なので、福島のことなんですけれども、今、除染から環境回復、復興、そして新しい暮らしづくりという大きな転換期に入っているというふうに強く思います。
それで、今まで環境省の政策は本当に地域の人を巻き込んで参加・協働で一緒になって新しい暮らしをつくっていくというのが多くの環境政策の中でやってきたんですけれども、その考え方はなかなか事故後の福島には対応できなかったというふうに感じていますが、ようやく、復興のモードになってきて、環境省が今まで持っていた参加・協働でみんなで取り組んでいくという、そういう形を実現できる状況がようやく出てきたなというふうに思っています。そういうことを考えれば、先ほど、復興のところまで資料の政策の中にちゃんと入ってきたというのは、大変歓迎すべき状況なのではないかなというふうに思っています。
それを実行するに当たって、先ほど単に技術の進展だけではなくという御意見もありました。本当に地域の方の声を聞きながら一緒になって、その地域の復興や再生に向かって何が必要かを一緒につくっていくという環境省のいいところをしっかりと生かして実現させていただきたいなと心から思います。
2番目が、やはりここのところ、非常に予算が大変投入されている温暖化対策のところの石油特別会計をしっかり活用してほしいというところなんですね。きっと全国の地域にいろいろ温暖化対策によるまちづくりということで、いろんな資金が投入されている。ぜひそれの成果を出していただきたいと。やはり今、地域がどれだけ温暖化対策ができていくかというのは、地球温暖化のこの対策の中では非常に大きなキーポイントの一つになっていると思いますので、地域循環共生圏、私はこういう中で個性ある地域をつくっていくというのは大賛成だし、この方針を応援したいというふうに思っています。
そういう中で、単に地域資源を活用して地域活性化という視点は、割にいろいろ市民を巻き込んだり、いろいろやりやすいんですが、温暖化のCO2削減効果をしっかり入れていくというのは、かなり専門家を入れたり、いろんな作戦をつくらないとできないと思いますので、質高く取り組んでいい事例をしっかり発信をし、CO2削減効果も定量化する。やはりそういうふうにして効果を出していただきたいなと心から願っています。よろしくお願いします。
【須藤委員長】
どうもありがとうございます。
では、河野先生、どうぞ。
【河野委員】
私は一つだけ。環境問題への国際的な対応をこれまで以上に進めていただきたいということです。特に温暖化の問題など、我が国だけで済む問題ではありませんので、資料3-1にも書いてありますが、やはり技術の海外展開ですかね、こういうことを進めることによって海外でのCO2、特に途上国でのCO2を減らし、温暖化を進展させるというようなことで、環境問題への国際的対応をぜひもっと進めていただきたいというふうに思います。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございます。
大塚先生、どうぞ。
【大塚委員】
いろいろ関わらせていただいているので山のようにありますが、3点だけ簡単にちょっと申し上げておきたいと思いますけれども。
【須藤委員長】
項目だけでもおしゃって下さい。
【大塚委員】
はい。一つは、ネガティブ・エミッションのテクノロジーの話で、先ほど、山本先生がおっしゃっていただいたのはそのとおりだと思いますけれども、CCSに関して、ちょっと一言お願いしておきたいところがございますが、民間の事業者にやってもらうことを考えて、現在、海洋汚染防止法で対応していますけれども、国が何かやる気を起こさないと、民間だけに頼っていてもリスクが非常に、事業リスクが大きいものですから、多分できないところは間違いないので、さっきの1.5度のIPCCの報告書とかのこともございますし、2050年あるいは21世紀の終わりの辺りにはゼロにするということを考えたらCCS技術は避けられないと思いますので、特に産業のところでは避けられないと思いますので、ぜひ国が前向きにいろんな観点で取り組んでいただくことをお考えいただきたいというのが1点。
それから、もう一点はマイクロプラスチックの問題も結構大問題だと思っていますが、先ほど御指摘がございましたところで、私もプラスチックの、例えばレジ袋なんかについて、税とか、もうちょっと禁止まで行くかどうかわからないですけど、ということは考えていかなきゃいけないと思っているんですけれども、先ほど百瀬委員がおっしゃったこととの関係でも、すごく気になりますけど、容器包装リサイクル法でプラスチックに関して、あるいは、容器包装に関して環境負荷をカウントする仕組みが今ないんですよね。それは、ドイツとかフランスとかはやっているし、今度、ドイツの改正法の中でも法律の中で入れているので、環境負荷を評価する仕組み、それを賦課金というか、あれだと何というかな、製造者が払ってくださるお金のところに反映させるような仕組みをぜひ考えていくべきではないかということを二つ目に申し上げておきます。
それから三つ目に、先ほど御説明いただいた中でEBPMの話があったんですけれども、これ自体は非常に大事なことだと思いますし、証拠に基づいてポリシーをつくっていっていただくというのは大事なことだと思っているんですけど、アメリカでこういう議論をすると、必ず予防的なアプローチみたいなことを排斥するために使われる可能性というのが常にあるので、環境省としては、もちろんそれに関わっていただいたほうがいいと思いますが、他方で、予防的アプローチを阻止するために使われるようなことがないように、ちょっとある種の警戒も同時に持っていただく必要があるかなということを申し上げておきたいと思います。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございます。
井村先生、どうぞ。
【井村委員】
2点申し上げたいと思います。
一つ、あちこちでインフラ技術の輸出とか、あるいは、グリーンインフラとか環境インフラとか、こういうのが出てきているのですが、我々の思い込みとして、日本の技術は世界でトップだと、こういう思い込みがあるんですけれども、現実問題とすれば、韓国や中国も相当にレベルが高くなってきているので、そういう思い込みがどうも通用しないという面があるかと思います。
書いてあるいろんなキーワードを拾ってみますと、一つはAIとかIoTを使うようなハイテクのレベルと、それから、グリーンインフラとか環境インフラというのは、自然適用技術であって、意外とローテクでございます。したがって、ここでは、そういうハイテクと、それから自然、その地域の環境に適した自然に準じたローテク、これらをうまく組み合わせていくという新しい発想を求められるので、必ずしもそこに日本のノウハウが本当にあるのかどうか、確かにプラント型のコンビナートみたいなところで脱硫装置をつくるような技術は、日本は確かに進んでいたかもしれませんけれども、必ずしもこれがすぐ世界に役に立つかどうかということは疑問でございますので、新しい日本の本当に世界に通用するそういうインフラ技術というのをやっぱり確立する。それを国内だけでやっているものが、そのまま通用するというわけじゃないということを注意して、この辺もぜひやっていただきたいと思います。
2点目は、森林環境税とか、あるいは、観光からの収入を自然保護にとかいう話があったんですけど、炭素税についてうまく、環境省に予算がうまく使え、自分で使える予算が回ってきたんですけれども、ぜひこういう自然関係の新しい税収とか収入においても、環境省がイニシアチブを持てるような部分ができたらいいなと。これを含めて、どういうふうにお金を自然保護のため、自然保護とかいろんなことがございますけど、特に自然資本の関係について収入を集めるか、それをどう使うか、この二つをよくバランスさせるというところについて、もう少し環境省が力を持っていただきたいなと、そういうように思います。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
今日御出席の先生方には、突然、総括的な御意見を重点施策についてはいただいたんですが、これについては、伺ってみると、それぞれがもっともっと議論を重ねる、事務局とやりとりをしなくちゃいけない課題が多々含まれていると思いますが、今日はもう時間がちょうど参ってしまいましたので、これをもって今回の政策評価委員会を閉じたいと思います。この議論は、次回以降、それぞれのところで生かしていただくということをお約束して、これをもって政策評価委員会を終了させていただく、よろしいですね。今日はこれで終了させていただきます。先生方、お力添え、ありがとうございました。

午後 3時15分 閉会


問い合わせ先
環境省大臣官房総合政策課企画評価・政策プロモーション室
ご意見・ご要望