家庭や飲食店それぞれの取り組みに加え、いま、社会全体で食べ物の無駄をなくそうとする活動も生まれています。
あなたの行動が、ほかの誰かの役に立つことや、食品ロスを減らすことにつながります。
食品には「販売期限」があるのをご存知だろうか。商品の製造日から賞味期限までの期間の3分の2の時点を過ぎた商品は店頭から消えてしまうのだ。この、まさにまだ食べられるのに廃棄される販売期限切れ商品を、モバイルアプリを使って消費者が割引価格で購入できるサービスが「No Food Loss」である。サービス導入を持ちかけたコンビニエンスストア業界からは「販売期限切れ商品を販売するなどもってのほか」といった反応が多かった。そんななかで、もったいないを変えてお客さまに喜んでもらいたいという思いが通じて株式会社ポプラで採用が決まった。
「足り過ぎている国と足りない国のバランスを整えることが、最終的な食品ロスの解決」と語るのは、サービスを運営するみなとく株式会社の沖杉大地社長。購入金額の一部は、開発途上の子どもたちの給食費として寄付される。学生時代にアフリカや南米を旅し、お腹を空かせたたくさんの子どもたちを見てきたことがビジネス立ち上げの原点となっている。
加盟店は「販売期限切れ」「キズ・凹み」「季節限定パッケージ」による割引商品のクーポンを発行。
ユーザーはアプリをダウンロードして会員登録。アプリを開くと現在地近くの店舗のクーポンが表示される。
購入したい商品を選んでレジで見せるだけ。認証が完了すると商品を持ってきてくれる。レジでお金を払って購入。
購入金額の一部はNPO 法人を通して寄付され、アフリカやアジアの子どもたちの給食費となる。
他にはこんな取り組みも!
フードドライブ
余っている食品をおすそわけ
買いすぎて食べきれなさそう、贈答品を食べる機会がないなど、賞味期限は切れていないが家庭で余った食品を集め、福祉団体や施設など食品を必要とする人へ届ける活動。「ドライブ」には「寄付活動」の意味があり、自治体などさまざまな団体が実施している。住んでいる地域で行っているかは、自治体のホームページなどで確認しよう。
すぐたべくん
すぐに食べるときは陳列順に購入して
スーパーマーケットなどで食品を買うとき、賞味期限や消費期限の長い商品を選んで購入しているのでは。もし、すぐに食べる予定なら、期限が近い商品を選んでも、味や品質に問題ないはず。「すぐたべくん」は、陳列順に購入するよう消費者に呼びかけるために誕生した。
「食品ロスポータルサイト」をご利用ください
食品ロスに関する基本情報や最新の取り組みなどを、消費者向け、自治体向け、事業者向けに分かりやすくまとめています。ぜひ活用してください。
イラスト/古屋知世