食品ロスの約半分は、家庭での廃棄が原因です。
日々の買い物、料理、食べるときのアイデア次第で、食品ロスはぐっと減らせます。あなたも、無駄なく作っておいしく食べる工夫にチャレンジしてみませんか?
残りものの食材を使い、即興でオリジナル料理を作って対決するイベント「クリエイティブ・クッキング・バトル(CCB)」が今、盛り上がりを見せている。
CCBでは、チームのメンバーが協力して、制限時間内で料理を作る。材料は、参加者が持ち寄った残りものの食材と、主催者が用意した「冷蔵庫に残りがちな食材」だけ。参加者が一斉に早い者勝ちで食材を選び、選ばれなかったものも強制的に各チームに振り分けられる。食材を全て使い切って完成した料理は、おいしさ、見た目、工夫のアイデア、生ごみの量の少なさを基準に審査される。
審査の配点は、味や見た目より、工夫のアイデアと生ごみの量の少なさの方が高く設定されている。「工夫を楽しむことで生ごみを減らすことができた、という体験を持ち帰ってもらうことが大切だと考えるからです」とCCB実行委員会代表の横尾祐介さんは説明する。料理の腕前よりアイデアがものをいうため、料理経験の少ないチームがプロの料理人チームに勝つこともある。
見事に残りもの食材から料理を完成させた参加者は、食品ロスを自分ごとだと感じるようになるそう。「参加後、自宅で冷蔵庫に残っていたものをうまく使えるようになった、といった感想をよく聞きます」(横尾さん)。また、自治体などから「自分たちも開催したい」という問い合わせも続々と寄せられている。
楽しくクリエイティブに食品ロスを解消する――。そんな新しいマインドが社会に広がりつつある。
写真/石原敦志