環境省
VOLUME.63
2018年2月・3月号

特集:5つのエコ・アイデアIDEA-5 ナッジ【nudge】省エネルギー

“行動経済学”で、
いつの間にか省エネに

行動経済学の理論を活用して、社会や環境などにとってより良い行動をとるように
「そっと促す(ナッジ本来の単語の意味)」取り組みやアプローチのこと。
ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授らが提唱して注目されている。

CASE STUDY
日本オラクル株式会社

動き始めた「日本版ナッジ」プロジェクト。
産学官が連携する4つの事業の中から、日本オラクルが主導する事業を紹介します。

行動経済学の理論で省エネ行動に導く

お話を伺った人/日本オラクル株式会社渉外部ディレクター ヘイグ・ケンさん

お話を伺った人/日本オラクル株式会社渉外部ディレクター ヘイグ・ケンさん

 一般家庭部門におけるCO2排出量の削減策として始まった一つの取り組みが、世界10カ国で実績があるオラクル社のナッジモデルを使った実証実験だ。事業に参加する5つのエネルギー事業者が電気やガスを供給する、合計30万世帯を対象に、行動経済学の理論を活用した省エネレポートを配布。各家庭の使用情報だけでなく、前月との比較や節約のアドバイスを盛り込むことで自発的な省エネ行動を促し、持続的なCO2削減を図るというものだ。先行して行われた北陸電力管内の2万世帯に向けた実験では、1.2%の省エネ効果があったことがわかっている。
 事業を担当する同社渉外部ディレクターのヘイグ・ケンさんは「日本全国の家庭で2%の省エネ効果を達成できた場合、年間で約300万tのCO2の削減に匹敵します。これは100万kWの火力発電所一機の年間排出量を超える効果なのです」と話す。また日本のキャラクター文化に着目して、キャラクター「そらたん」を使い省エネ行動を促すなど、日本独自の取り組みも行う。

 

省エネレポートの例

省エネレポートの例

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