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【オンライン開催】「公共建築物のZEB化実現に関する意見交換会(2021年2月10日開催)」報告

公共建築物のZEB化を含む大幅な省エネルギー化を図ることを目的として、環境省 地球環境局 地球温暖化対策事業室主催による意見交換会が開催された。

日 時
2021年2月10日(水)13:00~16:30
場 所
オンライン開催
参加者
自治体(31名)
開催主体
環境省 地球環境局 地球温暖化対策事業室
実施機関
三菱総合研究所 サステナビリティ本部

プログラム

(1) 挨拶・趣旨説明 谷川氏(環境省) 13:00~13:15

  • 環境省より本意見交換会の趣旨について説明があり、国の温暖化対策に関する基本的な背景やZEBに関係する施策・補助制度・導入状況に関する説明が行われた。

(2) 公共建築物のZEB化・省エネ改修等の課題(三菱総合研究所) 13:15~13:30

  • 三菱総合研究所より、公共建築物のZEB化・省エネ改修実施上の課題について、各地方公共団体から意見聴取した結果をもとに説明が行われた。

(3) 福島県須賀川土木事務所におけるZEB導入の経緯と課題への対応について (福島県須賀川土木事務所) 13:30~14:15

  • 福島県須賀川土木事務所より、福島県のZEBに取り組む背景、及び須賀川土木事務所のZEB化事例について説明が行われた。
  • 福島県では、福島県再生可能エネルギー推進ビジョンで掲げた導入目標の達成に向けて「福島県再エネ・省エネ推進建築物整備指針」及び「福島県再エネ・省エネ推進建築物設計ガイドライン」を策定し、その中でZEBの推進を掲げている。
  • ZEB化には、アクティブ技術とパッシブ技術の両方を最大限導入することで一次エネルギー消費量の87%削減(省エネ 57 %、創エネ 30 %)を実現し、庁舎として東北初の「Nearly ZEB」認証を取得した。
  • 今後は、今回のモデルケースを通じて、ZEB化の効果、課題、技術データ等を情報整理・発信し、県有建築物への導入拡大を検討している。

(4) 久留米市環境部庁舎ZEB化改修(福岡県久留米市) 14:30~15:15

  • 福岡県久留米市より、久留米市環境部庁舎のZEB化について説明が行われた。
  • 既存建築物の設備別エネルギー消費割合は、空調が約6割、照明が約3割であることから、エネルギー消費量の多い空調の改修が見込まれる施設を対象にZEB化可能性調査を実施した。
  • 既存建築物のZEB化は新築建築物のZEB化と比べて困難とされていたが、可能性調査の結果、採算性を考慮しても十分にZEB化可能であると判断した。
  • 既存公共建築物で全国初となる「ZEB」でのBELSを取得した。
  • 部局間連携を密にすることで、設備単体で検討するのではなく、施設全体での環境面・ライフサイクルコストを含めた検討を実施し、個別設備のダウンサイジング等も考慮した全体最適化を図った。

(5) 公共建築のZEB関連技術動向(大成建設) 15:15~16:00

  • 大成建設株式会社よりZEBの技術動向、及び愛知県環境調査センターついて説明が行われた。
  • 建物のZEB化は、基本的に負荷削減、自然エネルギーの活用、設備等の高効率化の3つの観点で行うといった建築時における考え方が紹介された。
  • 愛知県環境調査センターは、県民の公衆衛生を図る調査・研究の拠点施設であり、BELS認証における最高ランク、Nearly ZEB 認証を取得している。
  • 一次エネルギー消費量を57%削減し、太陽光発電による28%創エネで、Nearly ZEB(合計一次エネルギー消費85%削減)を達成している。
  • 高効率な単結晶型太陽光発電パネル(266kW)と眺望や採光を確保するシースルー型太陽光発電パネル(38kW)の2種類の太陽光パネルを屋上や地上のみならず、壁面にも設置することで、創エネ効果を最大限高めている。

(6) 質疑応答・意見交換 16:00~16:50

  • ZEB化・省CO2促進事業や設備に関する質問等の質疑応答が行われた。

参加いただいた地方公共団体(順不同)

古平町、盛岡市、宮古市、高畠町、北茨城市、所沢市、我孫子市、新潟市、岐阜県、愛知県、三重県、堺市、高槻市、加西市、鳥取市、高知市、荒尾市、その他

※事後アンケートで掲載可と回答いただいた自治体名のみ掲載

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