ビルは“ゼロ・エネルギー”の時代へ

改修ZEB事例の技術情報

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建物概要

改修
事例13
南風原町役場本庁舎沖縄県南風原町

南風原町役場 本庁舎の写真

空調を中央方式から個別方式へ更新し、熱交換機の高効率化することで消費電力を低減。加えて、太陽光発電設備と蓄電池の導入で、年間705万円のランニングコストの削減とレジリエンスの強化を実現。

ZEBの分類
ZEB Ready
  • 都道府県(地域区分):沖縄県(8地域)
  • 新築/既築:既築
  • 竣工年:2023年
  • 延床面積:7,148.69㎡
  • 階数(地上/地下):地上6階/地下1階
  • 主な構造:RC造
  • 建物用途:事務所
  • 一次エネ削減率(創エネ除く/含む):52.0%/54.8%
南風原町役場 本庁舎の写真

導入したZEB技術

建築省エネルギー技術

導入したZEB技術の表

 

高効率空調機室内機の写真
高効率空調機室内機
高効率空調機室外機の写真
高効率空調機室外機
全熱交換器の写真
全熱交換器
LED照明の写真
LED照明
太陽光発電の写真
太陽光発電
パワーコンディショナーの写真
パワーコンディショナー
蓄電池の写真
蓄電池
BEMSの写真
BEMS

 

ZEB化の実施検討にあたって苦労したこと/工夫したこと

【建築主様のご意見】


工法の検討

課題

補助活用の要件である一次エネルギー消費量50%削減を達成するため、庁舎機能を維持しながらの改修が課題となった。

解決方法

環境省ZEB化事業が対象事業費の6割が補助金対応可能な事業であり採択の可能性が高い事、事業の内容が当館の上記課題に合致していることから、ZEB化を目指すこと決定した。

【事業者様のご意見】


庁舎のZEB化を検討

課題

庁舎のZEB化を検討していると相談があり、設備のすべてが竣工時より更新されておらずZEB化を目指すには全体的な改修工事が必要であった。

解決方法

庁舎の現状を把握する為、ZEB化調査を実施し現在の設備状況を判断した上で、改修設備の機器選定や新規導入設備の検討を行い無駄なく過剰設備になる事のない機器選定を省エネ率の面とコストの面から検討した。

コロナ渦で導入設備の納期遅延

課題

新型コロナウイルス感染拡大による世界的な半導体不足の影響により導入予定であった設備機器の一部が工期内に入手できない事態となった。

解決方法

関係機関に状況を報告すると共に、他社メーカーへの納期交渉や内部部品の代替品使用の考案等、最短納期での導入に努めた。

ZEB検討の手順

ステップ1

現状把握

現在の設備内容の調査(使用設備運用状況確認、使用設備の消費電力確認、使用エネルギー量計測)

 

ステップ2

現状からのZEB化可能性検討

現状の省エネルギー性能の検討、外皮断熱の性能検討、ZEB化にあたって再生可能エネルギー設置可能容量検討、レジリエンス強化に関する蓄電池設置導入容量の事前検討

 

ステップ3

ZEB化の為の高効率機器の選定

現在の設備内容から更新する機器の適正な性能で高効率な機器の選定

 

ステップ4

再生可能エネルギー導入検討

STEP2の設置可能容量を基に設置場所の確定、導入可能予算等を考慮し無駄な過剰設備とならない容量の選定

 

ステップ5

蓄電池導入検討

レジリエンス強化の為の特定負荷内容を検討して、導入可能予算等を考慮し、無駄な過剰設備とならない蓄電池導入設備容量を選定

 

ステップ6

省エネ削減量・費用対効果検討

導入予定機器の性能・価格を検討し、導入可能予算等を基に、無駄な性能、費用とならないように導入設備を選定

 

ステップ7

ZEB化改修工事スケジュール検討

補助金を活用するにあたり、工事日程に制限がある為、期限内に工事が問題なく完了するスケジュール調整を実施。

 

ZEB化実現までのスケジュール

ZEB化実現までのスケジュールの画像

ZEB化改修計画の具体的内容

  1. ① 外皮性能の検討
  2. ② 空調機器の種別変更、中央方式から個別方式への検討
  3. ③ レジリエンス機能強化の為、再生可能エネルギー及び蓄電池導入の検討
  4. ④ 換気設備機能強化の為全熱交換機更新の検討
  5. ⑤ エネルギー使用量削減の為、照明設備をLED照明への更新検討
  6. ⑥ WEBPROエネルギー消費性能プログラムにてエネルギー消費性能計算にて省エネ率算出
  7. ⑦ 概算事業費積算、概算事業費から想定補助金額算出、事業者自己負担金額の算出
  8. ⑧ 補助事業の活用検討
  9. ⑨ ZEB化改修スケジュール検討

事業実施後の運用改善状況

運用改善の実施状況

  • エネマネ事業者から設備のエネルギー消費状況の分析報告を受け設備運用の改善を図り、更なる省エネを実現する。
  • エネルギーの見える化により、エネルギーの使用状況を把握する事が出来職員の省エネに対する意識の啓発に繋がっている。

ZEBの効果

CO 2削減量

311.29t-CO2/年(実績値)

ランニングコスト
削減額

705万円/年(実績値)

総工費

ZEB化改修総事業費:2億7,800万円
補助金交付額:1億6,800万円
実質事業者負担額:1億1,000万円

設計費は含まず

投資回収年数

16年
実質事業者負担額 ÷ ランニングコスト削減額

その他の効果

  • 再生可能エネルギー(太陽光)+蓄電池を導入したことで停電時の事業継続、災害時のレジリエンス機能の強化が出来た。
  • 高効率全熱交換機の導入で感染症対策機能の強化に繋がった。
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