ビルは“ゼロ・エネルギー”の時代へ

改修ZEB事例の技術情報

ここから本文です。

建物概要

改修
事例8
氷見市立西の杜学園富山県氷見市

氷見市立西の杜学園の写真

限られた予算・スケジュールの中でのため、空調・照明のみの必要最低限の設備更新となった。その中で、高効率ヒートポンプ空調や昼間冷房負荷低減のためのナイトパージシステム、高効率照明、照明制御等の導入により一次エネ削減率51%達成。

ZEBの分類
ZEB Ready
  • 都道府県(地域区分):富山県(5地域)
  • 新築/既築:既設
  • 竣工年:2020年
  • 延床面積:3,379㎡
  • 階数(地上/地下):地上3階
  • 主な構造:鉄筋コンクリート造
  • 建物用途:学校等
  • 一次エネ削減率(創エネ除く/含む):51%/51%
氷見市立西の杜学園の写真

導入したZEB技術

導入したZEB技術の表

 

高効率ビル用マルチエアコンの写真
高効率ビル用マルチエアコン
BEMS設備の写真
BEMS設備
LED照明の写真
LED照明

 

ZEB化の実施検討にあたって苦労したこと/工夫したこと

【施主様のご意見】


予算・スケジュールとの兼ね合い

課題

当初予定していたNearly ZEBの構想段階では、屋根への発泡ウレタンフォーム吹付や、Low-E複層ガラスの採用等による断熱性能向上や、創エネ設備の太陽光発電等を計画していたが、予算、スケジュールの関係で、設備の導入が困難になり、上記設備については見送ることになった。

解決方法

結果として、空調・照明のみの必要最低限の設備更新で省エネ率51%を達成した。

ZEB化への理解

課題

「教育活動に必要な環境整備」を主とした学校施設整備において、 住環境の向上とZEB化の推進の均衡を保つためには、予算・スケジュール等様々な制約がある。その中でも、庁内でのZEB化に対する理解や改修工事を行いながらの学校運営には多くの課題があった。

解決方法

環境部門と協力し、地球温暖化対策実行計画に基づき推進していくことを当局や財務部門に訴求。
関係者(今事業は学校のため、教職員と施設利用者)の聞き取りを行い、各部屋の使用頻度及び設備の必要性を検討。

【事業者様のご意見】


予算とスケジュール

課題

当初ガラスの入れ替えも入っていたが、予算やスケジュールの関係 でガラスの入れ替えは行わないこととなった。

解決方法

ZEB化が可能な必要最低限の設備の更新を行うこととした。

ZEB検討の手順

ステップ1

現状把握

室内の快適性建築物の状況把握。

 

ステップ2

断熱性の向上

断熱性の確保。

 

ステップ3

適正負荷の検討

熱負荷計算を行い、適切な空調負荷を計算。

 

ステップ4

負荷の削減

空調負荷削減のための高効率空調機+全熱交換器、照明負荷削減のための LED+人感センサー・照度センサーを検討。

 

ステップ5

省エネ性・経済性の検討

STEP1~STEP4までの検討結果をもとに、ZEB Readyに相当するよう省エネ計算を行い検討。

 

ステップ6

スケジュールの検討

ZEB化実現のための施工スケジュールについて検討。

 

ZEB化実現までのスケジュール

ZEB化実現までのスケジュールの画像

事業実施後の運用改善状況

運用改善の実施状況

BEMSによるリアルタイムな計測によって、電力量の増加を予測し、空調設備の運転制御を行う。
また、電力量計測に基づいたPDCAサイクルの構築により、継続的な省エネを目指している。
2019年以降、新型コロナウイルスの影響により、想定通りの運用はまだ実施できていない。

ZEBの効果

CO2削減量

108.72t-CO2/年(実績値)

ランニングコスト
削減額

約207万円/年(想定値)
基準一次エネルギー消費量と令和3年度のエネルギー消費量(実績値)から推計

ZEB化費用

ZEB化掛増し費用:約6,000万円
掛増し費用の実質負担額:約4,200万円

※国庫補助金:約1,800万円

投資回収年数

掛増し費用の投資回収年数:約20.3年
※実質負担額 ÷ ランニングコスト
ページ先頭へ