ビルは“ゼロ・エネルギー”の時代へ

改修ZEB事例の技術情報

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建物概要

改修
事例7
上山市立南小学校山形県上山市

上山市立南小学校の写真

クラウド型のBEMSの導入によりエネルギー使用状況をエリアごと、設備ごとに把握し、エネルギー使用量の多いエリアや時間帯、設備などを抽出し優先的に運用改善が可能に。快適性を向上し、太陽光発電設備と蓄電池を導入することで災害時の避難場所としてレジリエンス機能を強化。

ZEBの分類
Nearly ZEB
  • 都道府県(地域区分):山形県(4地域)
  • 新築/既築:既存建築物
  • 竣工年:2024年
  • 延床面積:11,448㎡
  • 階数(地上/地下):地上2階
  • 主な構造:RC造
  • 建物用途:学校等
  • 一次エネ削減率(創エネ除く/含む):59%/75%
上山市立南小学校の写真

導入したZEB技術

建築省エネルギー技術

導入したZEB技術の表

 

ZEB化の実施検討にあたって苦労したこと/工夫したこと

【建築主様のご意見】


ZEBについての知識不足

課題

ZEB化事業に関する知識が不足していた。

解決方法

コンサルタント会社によるZEB化可能性調査を通して、ZEB化への具体的な見通しを立てた。

事業者の選定

課題

ZEBについての知識や経験を有する事業実施業者の選定

解決方法

公募型プロポーザルの実施によりZEBについて知識や経験を有する事業者を選定した。

【事業者様のご意見】


空調負荷の低減

課題

窓は単板ガラスで断熱性能が低く、コロナ対策による窓開放での換気のため空調熱負荷が大きかった

解決方法

  • Low-e複層ガラスにて断熱性能を高め、換気を全熱交換器により行うことで空調にかかる負荷を低減
  • 全熱交換器はCO2センサにより自動的に換気量を制御することで空調の熱負荷や換気の送風エネルギー消費量を削減

体育館の換気改善

課題

体育館の排気ファンは利用者の有無に関わらず一定風量で換気を行うため、消費電力が過大

解決方法

  • 現状の利用状況に合わせたファンの容量にダウンサイズ
  • インバーターを新設し体育館のCO2排出量に応じてファンのON/OFFを制御することで消費電力を抑制

ZEB検討の手順

ステップ1

ZEB化可能施設の選定

 

ステップ2

ZEB化実現に向けた可能性調査業務委託

 

ステップ3

調査結果から事業化決定

 

ZEB化実現までのスケジュール

ZEB化実現までのスケジュールの画像

ZEB化改修計画の具体的内容

  1. ① 対象施設のエネルギー基礎調査
    対象施設の外皮性能、各設備内容を建築図面、現地調査、ヒアリングにより確認する。
  2. ② ZEB化検証調査
    対象施設の外皮性能(PAL*)や一次エネルギー消費量(基準値)は、建築物のエネルギー消費性能計算プログラム(非家庭版)を使用して算出し、ZEB化の可否を検証する。
  3. ③ ZEB化実現に向けた導入計画書(案)の作成
    主たる設備更新内容の検討、概算数量の算出、その他関連する資料の作成。

事業実施後の運用改善状況

運用改善の実施業況

クラウド型のBEMSの導入によりエネルギー使用状況をエリアごと、設備ごとに把握できるため、エネルギー使用量の多いエリアや時間帯、設備などを抽出し優先的に運用改善(使用時間や設定温度等)を効率的に実施
デマンド警報をアラーム発報され照明の明るさ制御や利用者の動作によるピーク電力の抑制することが可能
発電した電力は電力負荷に合わせ、自家消費と発電量が減少した場合蓄電池からの供給を自動で行うことにより、特に運用を改めることなく使用できる

ZEBの効果

CO2削減量

110.4t-CO2/年

ランニングコスト
削減額

536万円/年

総工費

工事費:54,373万円
実質負担額:26,076万円

国庫補助:28,297万円

投資回収年数

48.6年
実質負担額 ÷ ランニングコスト削減額

その他の効果

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