ビルは“ゼロ・エネルギー”の時代へ

改修ZEB事例の技術情報

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建物概要

改修
事例4
八戸西健診プラザ公益財団法人シルバーリハビリテーション協会

八戸西健診プラザの写真

断熱性の向上と照明・空調の更新を実施。空冷モジュールチラーの導入による高効率化と熱負荷計測による空調のダウンサイジング、在室検知やゾーニング制御等の最適な照明制御によって快適性の維持・向上と省エネを両立。

ZEBの分類
ZEB Ready
  • 都道府県(地域区分):青森県(3地域)
  • 新築/既築:既築
  • 竣工年:1998年
  • 延床面積:3,443.88㎡
  • 階数(地上/地下):地上3階+PH
  • 主な構造:鉄骨造
  • 建物用途:病院等
  • 一次エネ削減率(創エネ除く/含む):50%/50%
八戸西健診プラザの写真

導入したZEB技術

建築省エネルギー技術

導入したZEB技術の表

 

空冷モジュールチラーの写真
空冷モジュールチラー
LED照明の写真
LED照明
空調室内機の写真
空調室内機
BEMSの写真
BEMS

 

ZEB化の実施検討にあたって苦労したこと/工夫したこと

【建築主様のご意見】


老朽化設備の更新と省エネの両立

課題

既存の空調設備および照明設備の老朽化

解決方法

青森県委託事業「令和3年度実践的「地域エネルギー事業」モデル構築業務」で、当施設を対象に寒冷地におけるZEB化改修の可能性調査を実施しました。これをもとに、ZEB化改修工事を実施することで、老朽化設備の更新を実施するとともに、エネルギー使用量の低減を図りました。
このZEB化改修の成果を公表することで、他の地域と比較してZEB普及の遅れている青森県において先進的な事例となり、県内の他の建物に波及することを期待しています。

【事業者様のご意見】


照明BEIの低減

課題

照明の省エネルギー目標を達成するための工夫が必要だった。

解決方法

在室検知制御、明るさ検知制御、タイムスケジュール制御、ゾーニング制御等の各種照明制御の導入によって、照明のみのBEI=0.23を達成した。

空調BEIの低減

課題

BEI≦0.5を達成するために、更新前の吸収式冷温水器と比べて、空調能力のダウンサイジングをする必要があった。

解決方法

更新前に使用していた吸収式冷温水器の熱負荷を計測し、年間のピークを把握したうえで、熱負荷に合わせた最適な能力のモジュールチラーを提案した。
結果として、空調能力のダウンサイジングが実現した。

ZEB検討の手順

ステップ1

開口部(窓)の断熱性能の確認

既設のペアガラスの断熱性能の確認

 

ステップ2

外壁・屋根の断熱性能の確認

既設のグラスウール、ウレタンフォームによる断熱性能の確認

 

ステップ3

全熱交換器の確認

既設の全熱交換器の能力の確認

 

ステップ4

既存熱源の負荷率の調査

熱負荷を把握し、必要な空調能力を確認

 

ステップ5

ZEB改修項目の検討

空冷モジュールヒートポンプチラーの導入、照明のLED化・制御の導入、超高効率変圧器の導入

 

ZEB化実現までのスケジュール

ZEB化実現までのスケジュールの画像

ZEB化改修計画の具体的内容

竣工から30年が経過し、空調熱源の老朽化による更新を検討する際に、青森県の令和3年度実践的地域エネルギー事業モデル構築業務としてZEB化の検討を実施。

  1. ① 外皮性能の確認
  2. ② 熱負荷の把握と空調システムの変更
  3. ③ 照明設備改修の検討
  4. ④ 標準入力法でのBEI計算
  5. ⑤ 補助事業活用の検討

事業実施後の運用改善状況

運用改善の実施状況

クラウド型エネルギー管理システムを用いて適宜管理していく。
最初の数年間はZEBプランナーから運用改善に向けた提案等をしていき、職員の方が実際の使い方に合わせて改善していけるようにしていく。

ZEBの効果

CO2削減量

130t-CO2/年(計算値)

ランニングコスト
削減額

2,785千円/年(計算値)
ランニングコストの削減額は推計値

総工費

ZEB化費用:179,000千円
実質負担額:113,000千円

補助金額 約 6,600万円

投資回収年数

5年
熱源改修のみと比較した掛増し費用 ÷ ランニングコスト削減額

その他の効果

  • 冷温水発生機のメンテナンスが手間だったが、モジュールチラーに切り替えたことで、リモコン一つで操作できるため、使い勝手が向上した。
  • 空調の更新を行っていなかったため、最新機器を導入したことで、空調能力を下げつつ、快適性を維持・向上でき、効果的に冷暖房が行えるようになった。
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