ZEB化を検討した経緯・きっかけ
岡山支店は築40年を経過し老朽化が進んできたため、建替を考えていたと、執行役員の牧野さんはいいます。
「しかし岡山市の条例では、新築する際は駐車場を設ける必要があり、コストに見合わないことから改修に方針を転換しました。そこで建設会社である大成建設株式会社にご相談したところ、単なる改修ではなく、ZEB改修という方法があるとご提案いただきました」
これがZEB改修を考えるきっかけなったといいます。
証券業では、ガソリンを使うのは営業車ぐらいで、工場も持たないことから、環境への貢献が難しいと牧野さん。
「社会へ向けてどのようにアピールしていけばいいのか悩んでいたので、ZEB化によって我々のコミットをアピールでき、光熱費も下げられるのであればと、ZEB改修を進めることに決めました」
丸三証券株式会社 執行役員 牧野郁雄さん
光熱費削減だけではないZEB改修のメリット
改修が終わり、ひと夏を過ごした感想を話してくれたのは、支店長の熊谷さん。これまでは冷房がついていても、どことなく湿っぽい感じだったそうですが、今は涼しいだけでなく、快適さも上がったといいます。
ZEB改修前後の電気料金・電力量比較(夏期)
「私が一番に出社するのですが、以前は夏場がとても暑く、冷房をつけてもしばらくは汗が止まりませんでした。しかしここに移ってからは、まったく暑くないのでびっくりしています」
これだけ快適に過ごせているので、ZEB改修後のエネルギー消費量は半分になると建設会社から聞いていても、半信半疑だったという熊谷さんですが「今年の夏は猛暑だったので、本来であれば電気代は上がっていてもおかしくないはず。ですが光熱費は約45%も減って、本当に驚いています」
うれしいのは、光熱費の削減だけではないという熊谷さん。「一番は新しい建物に移ってから、従業員が明るくなり、前向きな気持ちで仕事ができるようになったことです」
そのおかげもあって、営業成績が大幅に向上。この半期で総収入は全店舗で1位の実績をとることができたといいます。
「これは予想を超えた思わぬメリットでした。コンサルタントは、お客様に明るい未来を話すことが仕事なので、明るい表情でお話しすることが、成績向上につながっているのだと思います」
いい環境で働くことで、社員一人一人のモチベーションが上がり、業績につながっているのだといいます。
丸三証券株式会社 岡山支店 支店長 熊谷淳二さん
オフィスウェルネスと生産性の向上
社員同士のコミュニケーションが生まれる
リフレッシュルーム
ZEB化したあとの職場環境について、社員にアンケートを取ったところ、もっとも声が多かったのは冷房の効きが全然違うということ。さらに換気がよくなって、職場の空気がよくなったと感じている人も多かったようです。
「お昼休みにランチをとるためのリフレッシュルームができたのも好評です。以前はそれぞれの席で食事をとっていたのですが、今は食事をしながら社員同士のコミュニケーションが増え、それにより店全体の雰囲気もよくなっています」と熊谷さん。
「実際に来ていただいたお客様にも、非常に評判がいいです。それが相乗効果となって、オフィス環境や生産性の向上につながっているのだと思います」
今後の展望・経営方針について
北関東を中心に、老朽化が進んだ店舗を多く所有しているため、改修や建替を検討していたと牧野さん。
「岡山支店のZEB化対応によって、社会へのコミット、光熱費の削減効果、さらに従業員の満足度が高まることによって業績が向上しているところも見えてきました。今後はまずZEB化を検討し、どうしてもできない場合は、通常の改修を行うようにしていきたいと考えています」
テナントとして入居している支店についても、賃料とのバランスを見ながら、ZEB物件を優先していくといいます。