地球環境・国際環境協力

気候変動の身近な影響と適応策を考えるシンポジウム~IPCC第38回総会に向けてin 仙台~(2014/01/22)

IPCC第38回総会に向けてin 仙台

日時
2014年1月22日(水)13:30~15:30
会場
せんだいメディアテーク 7階スタジオシアター
主催
環境省、共催:仙台市

プログラム

挨拶

辻原 浩
環境省地球環境局総務課研究調査室 室長

基調講演

原澤 英夫(国立環境研究所 理事)

「地球温暖化の影響と適応」

 「進む地球温暖化」とその「影響」、「適応」の三つについて話があった。温暖化による影響は分野横断的、複合的に生じており、世界各地、日本国内においてもさまざまな影響が出ている。
 温室効果ガスの排出削減と吸収源となる森林増加等の緩和策と同時に、緩和策を講じても避けられない悪影響への備え・新しい気象条件の利用といった適応策を、相互補完的に進め、低炭素」で「影響適応型」社会の実現に向けた取組みを加速させる必要があると締めくくった。

風間 聡(東北大学 大学院工学研究科 土木工学専攻 教授)

「気候変動と水問題:影響と適応」

 気候変動による洪水被害、水災害系の斜面災害や砂浜侵食、そして雪の問題も含めた東北地方の水資源や水質について説明がなされた。
 適応には「防御」「調和」「退避」という三つの考え方があり、例えば海面上昇に対して堤防を高くして海水の浸入を防ぐ(防御)のか、ある程度海水は入ってきてもそれに応じた生活をする(調和)のか。もう住むことができないから諦める(撤退)のか。変化していく現象に対し、事後対応になりがちであるが、どう適応していくかについて費用や時期を考慮しながら、望むべきは事前対応をしていくことが必要だと締めくくった。

パネルディスカッション「身近で考え行動する 気候変動問題」

コーディネーター
西岡 秀三(地球環境戦略研究機関(IGES) 研究顧問)
パネリスト
原澤 英夫(国立環境研究所 理事)
風間 聡(東北大学 大学院工学研究科 土木工学専攻 教授)
柳沼 眞理(シンプル&スローライフの会 代表)
佐藤 正則(東北放送 気象キャスター)

 初めに、コーディネーターの西岡先生より、安曇野の田植えの風景の写真が投影され、写真の中にどういう自然の恵みがあるのか考えてみると、さまざまな自然の恵みは、全てお天気のおかげであり、こうした恵みの全てが一瞬にして変わっていくのが気候変動であるという説明があった。
 その後、パネリストが普段感じていることや、自身の研究、活動について紹介しながら、来場者からの自由な質問に応える形で、来場者とパネリストとの双方向型のディスカッションが行われた。