地球環境・国際環境協力

IPCC評価報告書の概要

IPCC報告書の概要

  • 気候変動に関する、その時々の最新の気候変動科学的知見を評価しその結果をとりまとめるIPCCの報告書作成には、世界の第一線の研究者が執筆に携わるとともに、各国政府が草稿(ドラフト)の査読(レビュー)等に参加している。
  • 実際に執筆を行う研究者は新たな研究を行うのではなく、公表された研究文献についての評価を行う。一方、参加国政府は、報告書の作成過程においてドラフトのレビューを行い、また、最終的にIPCC総会において参加国のコンセンサスにより報告書を承認する
  • IPCCは、特に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)と密接な関係を持ち、特定の政策に関する提案は行わないものの、政策に関連する情報提供を行い、政策的に中立(policy-relevant and policy-neutral)であることを前提としている。

評価報告書の特徴及び構成

  • 評価報告書は、気候変動に関する知見を包括的に扱う。
  • 評価報告書は、「作業部会報告書」および「統合報告書」から構成される。

    >作業部会報告書(Working Group Report)については、従来より、3つの作業部会がそれぞれの作業部会報告書を作成している。

    >第1作業部会(科学的根拠)、第2作業部会(気候変動影響、適応及びぜい弱性)、第3作業部会(気候変動緩和)

    >各作業部会報告書は、報告書本文(Underlying Report)・技術要約(Technical Summary:TS)・政策者向け要約(Summary for Policymakers:SPM)から構成されている。作業部会報告書はそれぞれ2,000ページにもおよぶ大冊となるため、SPMやTSはその要約版として作成され、活用されている。SPMは各国政策決定者を読み手として想定して作成されるのに対し、TSは各国の研究者やより詳しく知りたい人のためのものである。SPMは総会において各国政府が一行ごとに確認し、承認する。

    >統合報告書は、第2次評価報告書(SAR)から作成されるようになった。政策者向け要約(SPM)および長めの報告書(Longer Report)、(および図表)から構成される。統合報告書もしくはそのSPMは各作業部会報告書の知見を統合して表すことを目的に、IPCCの各評価サイクルにおいて、最後に作成される。