放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和元年度版、 HTML形式)

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第5章 国際機関による評価
5.3 UNSCEAR2013年報告書

UNSCEAR2013年報告書(9/9)直接測定との比較

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国連科学委員会(UNSCEAR)報告書では、公衆の放射線被ばくを推定するに当たり、例えば、情報不足による防護措置に関する仮定や線量測定に関する因子等に関し若干の過大評価を行った可能性が示されています。そのことは、東京電力福島第一原子力発電所事故直後に福島県内で行われたヨウ素131の甲状腺測定、及びセシウム134とセシウム137の全身測定(ホールボディ・カウンタ検査)結果との比較でも確認されています。
比較の対象とされたデータは、次のとおりです。
内部被ばくによる甲状腺吸収線量:2011年3月26日から30日までの間に、いわき市、川俣町、飯舘村に居住する1歳から15歳の乳児、小児1,080人を対象に可搬型線量率計を用いて行われた甲状腺モニタリングのデータ
②内部被ばくによる実効線量:福島県の県民健康調査の一環として実施された、福島県における10万6,000人以上の住民を対象にしたホールボディ・カウンタ検査のデータ。さらに、研究者らが2011年10月から2012年2月にかけて福島県と近隣県の3万3,000人の住民を対象にしたホールボディ・カウンタ検査のデータ
スライドで示したとおり、これらの実測データとUNSCEARによる推計の比較について、UNSCEAR報告書は次のようにまとめています。

・ 上記①に関しては実測データの地区平均吸収線量より最大で5倍

・ 上記②に関しては実測データよりかなり高い(実測データがUNSCEARによる評価線量よりもかなり低い)

【報告書記載箇所】

・ UNSCEAR報告書(科学的附属書A, 日本語版P59, 第116~118項から作成)

本資料への収録日:2015年3月31日

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