放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成28年度版、 HTML形式)

第9章 事故からの回復に向けた取組
9.1 除染

除染の方法

除染の方法
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この図は、除染の具体的な方法を説明しています。 
放射線量が比較的低い地域でも、軒下、雨樋、道路の側溝等には、放射性物質を含んだ堆積物(落葉や土砂)がたまり、その周辺の空間線量が高くなることがあります。このような所では、落葉や土砂の除去、洗浄(洗い流す)等の清掃を行います。
植え込み、下草、落ち葉に、放射性物質が付着していることもあります。このような所では、草木の刈り取り、枝打ち、落ち葉の清掃等を行い、除去します。放射線量が比較的高い地域では、低い地域での除染の方法に加えて、別の除染作業が必要になることがあります。例えば、放射性物質は地表から数cmにほとんどが存在しているので、表土を薄く(例えば、5cm)削り取り、取り除くことや下層の土と入れ替えること(天地返し)で、ほとんどの放射性物質の影響を抑えることができます。
建物や道路では、屋根、壁、舗装面等にも放射性物質が付着していることにより、この場合、洗浄が行われます。ただし、表面の素材の性質によっては、材料に強く放射性物質が吸着されていることがあり、除染の効果は限定的となる可能性があります。農地では、人への被ばくの影響だけでなく、農作物への影響も考えて、適切な方法を選択することが必要になります。例えば、事故以降に耕された農地では、放射性物質は表土より少し深い所にありますが、このような土を全て除去してしまうと、農業に適さなくなるので、深耕(耕深30cmを基本として深く耕すこと)や反転耕(表層の土を下層に、下層の土を表層に反転させること)(下巻P89、「農産物に係る放射性物質の移行低減対策(1/5)-農地の除染-」)等様々な方法が、現在実施されています。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成28年1月18日

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