放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成28年度版、 HTML形式)

第4章 防護の考え方
4.2 線量限度

国際放射線防護委員会(ICRP)勧告と我が国の対応

国際放射線防護委員会(ICRP)勧告と我が国の対応
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国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告の国内法令取り入れの審議中に、東京電力福島第一原子力発電所事故が起こりました。
事故によって被ばく状況が変わり、公衆被ばくについては、日本の法令にはない参考レベルの考え方が採用されました。参考レベルを用いた被ばく線量の線量管理においては、第一に、ICRP2007年勧告の被ばく状況に応じた線量目安を参考に、不当に高い被ばくを受ける人がいないように参考レベルを設定し、第二に、その参考レベルよりも高い線量を受ける人がほとんどいない状況が達成されたら、必要に応じて、更に低い参考レベルを設定することで、線量低減を効率的に進めていくこととされています。
一方、職業被ばくについては、東京電力福島第一原子力発電所での災害拡大防止のために、特にやむを得ない場合として、緊急時の職業被ばくの線量限度については、一時的に特例として100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに変更して対応されました。その後、原子炉が安定的な冷温停止状態を達成するための工程が完了したことを踏まえて、この特例も廃止されました。
また、今後、仮に原子力施設において原子力緊急事態等が発生した場合に備え、緊急作業期間中における放射線障害の防止に関する規定を整備する必要があり、あらかじめ、特例的な緊急時被ばく限度等に関する基準として250ミリシーベルトを上限とするよう電離放射線障害防止規則の一部が改正され、平成28年4月1日から施行されることになりました。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成29年3月31日

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