がんや遺伝性影響では、影響の現れ方が確率的です。また現在の放射線防護では、低線量域でも直線しきい値なし(LNT)モデルを適用していますので(上巻P154、「LNTモデルをめぐる論争」)、安全と危険を明確に区分することはできません。そこで、どんなに小さくとも有限のリスクがあるものとして、「リスクを容認できる」ことを基準に、防護のレベルが考えられています。これが放射線防護の原則として「正当化」「防護の最適化」「線量限度の適用」が重要であると考えられる基盤になっています(上巻P156、「防護の正当化」、上巻P157、「防護の最適化」、上巻P159、「線量限度の適用」)。
本資料への収録日:平成25年3月31日
改訂日:平成27年3月31日