放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成28年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.6 がん・白血病

原爆被爆者における甲状腺がんの発症

原爆被爆者における甲状腺がんの発症
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原爆被爆者における甲状腺がんの発症についてオッズ比(ある事象の起こりやすさを2つの集団で比較したときの統計学的な尺度)を見てみると、線量が高くなるほど、甲状腺がんのリスクが高くなることが示されています。
甲状腺微小がんに限った調査では、有意な差は見られませんでした。重み付けした甲状腺線量で100ミリグレイまではオッズ比が低く、100ミリグレイを超えるとオッズ比は1を若干超えることが示されています(オッズ比が1より大きいとき、対象とする事象が起こりやすいことを示しますが、このデータでは95%信頼区間に1が含まれているため、統計学的に有意ではありません)。


*出典:  M. Imaizumi,et.al., “Radiation Dose-Response Relationships for Thyroid Nodules and Autoimmune Thyroid Diseases in Hiroshima and Nagasaki Atomic Bomb Survivors 55-58 Years After Radiation Exposure” JAMA 2006;295(9):1011-1022

Y. Hayashi,et.al., “Papillary Microcarcinoma of the Thyroid Among Atomic Bomb Survivors Tumor Characteristics and Radiation Risk” Cancer April 1, 2010, 1646-1655

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成29年3月31日

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