保健・化学物質対策

ExTEND2005における国際協力に基づく取組み

 ExTEND2005においては、国際協力に基づく取組みとして、SPEED'98から引き続き日英二国間共同研究、日米二国間協力等の取組みを推進しました。また、OECD等で進められている試験法確立に積極的に協力を行いました。

二国間協力等の推進

 日英共同研究は、平成11年3月の日英両国の環境大臣による合意に基づき開始されましたが、平成16年度に第2期(平成16~21年)共同研究の実施が合意されました。この中では、4つのテーマ([1]排水由来エストロゲン様作用の評価に関する研究、[2]イトヨを用いたアンドロゲン様作用の評価手法の研究、[3]魚類精巣卵の誘導機構に関する研究及び魚類エストロゲン受容体の種特異性の調査、[4]両生類の生態影響評価手法の研究)を設定し、両国の研究者によってそれぞれ研究が推進されました。平成21年には、本共同研究を平成22年から5年間延長することが合意されています。

 日米二国間協力は、平成16年1月に開催された第12回日米合同企画調整委員会において合意され、これまで化学物質の内分泌かく乱作用について、生態影響評価に関する情報交換、魚類、両生類及び無脊椎動物の生殖・繁殖への影響を評価する試験法の共同開発などが行われました。

経済協力開発機構(OECD)への協力

 ExTEND2005においては、平成17年度より魚類、両生類及び無脊椎動物を対象とした試験法が検討、開発され、その一部がOECDに提案されテストガイドラインとして採択されるなどの成果を挙げました(試験法の概要 [PDF 358KB])。
 魚類21日間スクリーニング試験は、OECDにおいてテストガイドラインTG230として2009年(平成21年)に採択され、魚類性発達試験については、テストガイドライン化に向けた検証試験が実施中となっています。
 両生類については、アフリカツメガエル変態アッセイ及び両生類パーシャルライフサイクル試験の開発を進めました。アフリカツメガエル変態アッセイは、OECDにおいてテストガイドラインTG231として2009年(平成21年)に採択され、両生類パーシャルライフサイクル試験の検討は、同年OECDのプロジェクトとして採用されました。
 無脊椎動物については、オオミジンコ繁殖試験TG211の改良を行い、これに付属書(ANNEX)7を追加する形の改定がOECDにおいて2008年(平成20年)に採択されました。
 この他、試験管内試験(in vitro試験)については、魚類を用いたin vitro試験による内分泌かく乱化学物質のスクリーニング法の検討を、英国、スウェーデンとともにOECDに提案しており、共同で詳細レビュー報告書の作成を進めました。