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環境省保健・化学物質対策科学的知見の充実及び環境リスク評価の推進化学物質の内分泌かく乱作用に関するホームページ取組紹介 >環境省の取組:国際協力関連事業・日米二国間協力

取組紹介

取組紹介
環境省の取組

「国際協力関連事業」

化学物質の内分泌かく乱作用に関する日米二国間協力

H21 第2回 ExTEND2005 作用・影響評価検討部会
(資料2-1より抜粋) 2010年2月25日

化学物質の内分泌かく乱作用に関する日米二国間協力

平成16年1月に開催された第12回日米合同企画調整委員会において、化学物質の内分泌かく乱作用問題に関して日米二国間の協力を進めることが合意され、この合意に基づき、化学物質の内分泌かく乱作用に関する日米実務者会議が開催されることとなった。 第1回(東京:平成16年9月)及び第1回(ハワイ:平成17年6月)実務者会議は、化学物質の内分泌かく乱作用による生態影響評価に関する情報交換を行うことを目的として開催された。

平成18年11月に釧路市で開催した第3回実務者会議以降は、生態影響評価に関する情報交換に加え、魚類等を用いた繁殖影響を評価する試験法の開発を共同で実施することなど、内分泌かく乱作用に関る試験法開発の共通課題を明らかにし、技術的な協力を日米で進めることを目的として日米二国間協力事業を行っている。化学物質の内分泌かく乱作用に関する試験法をOECDにおける確定試験として承認されるためには各国共同で試験法の方法論や客観性、再現性を評価する必要がある。このことから、日米二国間協力で実施する共同研究は、魚類、両生類及び無脊椎動物の生殖・繁殖への影響を評価する方法論を検討し、試験法を開発することを目的として進められている。

魚類の試験

OECDにおいて確定試験と位置づけているフルライフサイクル試験(SPEED'98において6物質について実施した試験)と二世代試験(米国が提案した試験)の実施を日米共同で行い、これら試験プロトコルの検証と標準化を進めているところである。平成21年4月には日米共同でMedaka Life Cycle(MLC)/Multi-generation Test (MMT)のテストガイドライン化を新たなプロジェクトとして実施するようOECD に提案し、了承されている。これまでに、強エストロジェン、弱エストロジェン及びアンドロジェン様物質の試験を実施し、多世代試験プロトコルの標準化を進めている。

両生類の試験

ニシツメガエルを用いたエストロジェン様物質の生殖への影響を評価する両生類パーシャルライフサイクル試験を日米で開発してきている。これまでにニシツメガエルでは、変態完了(ステージ66)までのばく露により、生殖腺の変化や雄にビテロジェニンが誘導されることが見出されており、これらをエンドポイントとするライフサイクル試験のプロトコルの標準化を日米共同で進めている。これまでに、ビテロジェニン測定に用いるELISA 抗体などの標準化及び変態完了直後(ステージ66)の生殖腺組織標本による雌雄判別に関するガイダンスドキュメントを作成することを進めている。

無脊椎動物の試験

日本はオオミジンコを用いた多世代繁殖試験の検討を行ってきており、米国が実施しているケンミジンコ及びアミを用いた多世代繁殖試験結果とミジンコ多世代繁殖試験との比較を進めている。また、これまでミジンコ及びオオミジンコを用いた多世代試験プロロコルの適正化を進めて来ている。

今年度の実務者会議

平成22年1月に米国(ワシントンD.C.)において第6回日米二国間協力実務者会議が開催され、行政官、研究者により、今年度の研究成果及び行政における取組の概要が発表され、今後の研究テーマ等について話し合われた。

なお、会議の場において説明された米国環境保護庁(USEPA)による内分泌かく乱化学物質に関する取組の概要を別添に示した。

別添:米国環境保護庁(USEPA)の取組