大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録 (令和4年7月26日(火) 11:01~11:14  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

  おはようございます。私から今日は、脱炭素先行地域募集(第2回)について、発言させていただきます。
 本日7月26日から8月26日までの1か月間、脱炭素先行地域の2回目の募集を実施します。脱炭素先行地域は、今年4月に最初の26件を選定したところです。全国のあらゆる地域における「実行の脱炭素ドミノ」の第一歩を踏み出したばかりです。是非、これらに続く、多様な地域における先進性、モデル性の高い積極的な提案を、1つでも多くの地方公共団体からいただければと思います。なお、第2回選定に係る要件やその確認事項、評価事項等を盛り込んだガイドブック及び募集要領は既に公表させていただいていますので参照ください。募集の詳細については、事務方にお問い合わせください。以上です。
 

2.質疑応答

(記者)時事通信の真島と申します。発言事項の脱炭素先行地域に関してお伺いします。これで第2回目の募集になりますが、改めて期待されること、そして第1回の選考を経て、第2回にチャレンジしようとする自治体などにアドバイスをお願いできればと思います。
(大臣)もともと脱炭素先行地域というのは、2050年のカーボンニュートラルを前倒しして、2030年に一部地域なりとのカーボンニュートラルということを目指す地域です。そういう意味で、脱炭素先行地域は全国のモデルとなる地域という位置づけをしています。先般、26件の選定をした際には、モデルとなるかどうかというところを非常に重視されたのだと思います。市街地、農村、自然公園、離島、そういう多様な地域の特性を活かした先進性、モデル性、あるいは実現可能性、その面から高い積極的な提案をいただいたということを選ばせてもらいました。だから、今回もそういう意味で、先進性、モデル性、あるいは実現性、それがそれぞれの地域に応じて、特性を活かしたものだと、その辺を是非強調していただければいいんだろうと思います。この第1回選定に係る評価委員会の総評において、まず一定の広がりや規模を確保していること。それから2番目に、関係者と連携した実施体制が構築されていること。そして3番目に、先進性、モデル性、そういった評価のポイントがあったようです。第2回の選定に係る要件や確認事項、評価事項等を盛り込んだガイドブック及び募集要領を是非参照いただければと思います。
 
(記者)毎日新聞の岡田です。明日、官邸のほうでGX実行会議が行われる予定です。脱炭素に向けたお金、移行債の用途と財源について論点になると思うんですけど、環境省として、その辺りについて、どういうふうな打ち出しといいますか、環境大臣としてのお考えというのを持って臨まれますでしょうか。
(大臣)総理が長野のほうで、明日行われるということを言われたように聞いています。正式な発表はまだ、これからかもしれませんけれども。環境省としては、もう十分準備ができているつもりですが、移行債というものが1つの大きなポイントだと思います。移行債については、どういうふうにそれを位置づけるか、それは名前も含みますけども。それから、どういうふうにそれが償還されるのか。その中でのカーボンプライシングの位置づけ。カーボンプライシングの中の1つである炭素税、そういうことを、どういうふうに位置づけるのか。そういうことがポイントになるんだろうと思います。その全てを通じて、それがこのESGマネー、今、円安だから5,000兆円という換算もあるかもしれないけど、そういう大きなお金が、目を凝らして、どういう、いいプロジェクトがなされようとしているかということを見ているわけですから、そこに十分アピールするようなものになるような仕組みを考えなければいけないと思います。私と萩生田経産大臣とが主に担当して、私のほうは特に地域の脱炭素、それから国民のライフスタイルの変容、それからカーボンプライシングと。この3つをいつも頭に置いているわけですけれども、萩生田大臣のほうから、クリーンエネルギー戦略ということで、いろいろと言われるんだと思います。そういうことを通じて、新しい日本、あるいは新しい資本主義、新しい国家戦略、そういうことがはっきりと打ち出されるように、この有識者懇談会が行われるように持っていきたいなというふうに思っています。
(記者)カーボンプライシングについては、どういったお考えで臨まれますでしょうか。
(大臣)カーボンプライシングが3つあるわけですよね。排出量取引とか、Joint Crediting Mechanismのほかに、いわゆる炭素税、そういう3つがあるとしたら、その3つはやっぱり総動員して、いろいろと考えていくんだと思います。ですから、環境省的には、その3つを含んだような格好で、どういうふうにこの移行債を償還したり、位置づけたりするのか。その辺をはっきり議論しなければいけないなと思っています。
(記者)大臣は先般から、その移行債の位置づけについて、赤字国債なのか、建設国債なのか、国債の位置づけについて、位置づけたほうがいいというようなお話しされていたと思うんですけど、大臣としては、この移行債についての位置づけ方というのは、どういうお考えでしょうか。
(大臣)もともとイノベーション国債200兆円というのを言い出したのが私ですから、そういう意味では赤字国債でも建設国債でもない別の国債という位置づけを自分では持っています。そういう意味では復興債、東日本大震災の後の復興債に似たような格好になるかもしれません。でもそれは、これから財務省を交えた中での議論でやっていくわけだけど、赤字国債という位置づけではないし、建設国債とも少し違うし、やっぱりそれらとは別の、どちらかというとイノベーション国債に近い性質でもって、このGX経済移行債、それを取り扱うというかね、そういうふうに設計図を描くというのが正解だと思うし、どうもそういうふうに今、向きつつあるんじゃないかなというふうに思っています。

(記者)朝日新聞の関根です。今の絡みですが、10兆円とも言われる移行債の使途、使い道なんですけれど、どのようなことに使われるべきなのか。中でも、例えば、その石炭技術の高度化といいましょうか、CCSとか、アンモニア混ぜるとかいろいろありますけど、そういったものとか、あと原子力の話とかも焦点だと思うんですけれども、使い道を間違ってしまうと、いわゆるグリーンウォッシュといいますか、見せかけだけの脱炭素ということになりかねないので、どういうところに注意すべきなのかということも踏まえて、御意見を伺いたいと思います。
(大臣)脱炭素という目的に沿っていれば、1つの対象になり得ると思います。そういう意味では、例えば今、関根さん、石炭というふうに言及いただいたわけですけれども、石炭も一発で二酸化炭素がゼロになるということではないと思うので、そういう中で、アンモニアの混焼を20%から始めていく。そこに対して、対象となり得る可能性というのは、あっていいかなというふうに思うんです。もちろん石炭に対して否定的な方は、それ、グリーンウォッシュだと言われるかもしれません。でも道筋として、方向性として、その向かっている先、ベクトルはカーボンニュートラルに向かっているわけですから、私はそこはあり得るんだろうと思います。原子力の話は経済産業省ですけど、我々は安全性を最優先にさせてもらって、原子力規制委員会が判断していく、それを尊重していくという立場です。そこはいろんな大きな観点から議論されるんだと思います。
 
(記者)環境新聞の小峰です。先週の末からですね、GX実行会議担当相だとか、脱炭素担当相だとか、そういう名前がちらほら出ています。例えば、経産大臣の萩生田光一さんがなるとかという報道がなされていますけれども、明日のGX実行会議で、その辺は決まったりするのでしょうか。新たな担当大臣は誰になるのかということについて、山口大臣の見通しをお聞かせください。
(大臣)誰が担当大臣になっても、岸田内閣、あるいは日本政府として、この脱炭素を進めていくという方向に変わりはないと思います。私も、このことでは権限闘争すべきではないなというふうに思うので、そういう意味で、どちらにしても、例えば経済産業省と環境省が一体となって、事に当たる仕組み、それを作れるかどうか、そこが最大のポイントだと思っています。だから準備期間の中で、いろんな意見も言わせてもらったわけですけれども、最終的に経済産業省と環境省が一体となって連携して、脱炭素に取り組む。そのことが確保できれば、この岸田内閣において、日本経済反転攻勢かけられる、このGX経済移行債20兆円、それが端緒となってESGマネー5,000兆円にも届いていくように、そのことによって脱炭素と経済の強靭化が両立されると。そういう仕組みであれば、私はそこは誰になっても、政府一丸となってやる体制さえ組めれば、それをもってよしとすべしだなというふうに思っています。
(記者)ということは、萩生田経済産業大臣に担当大臣が現時点では決まっていないということでしょうか。
(大臣)正式には、まだ決まっていないと認識しています。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=3NFulVL1ptk&list=PL9Gx55DGS7x6h45ZmYE2D4y06yLCRW9kk 

(以 上)